高画質を求めた先で邂逅する約44mmx約33mmのラージフォーマットセンサー。
35mm判の約1.7倍となるセンサーは、35mm判センサー搭載のデジタルカメラと比べて1画素あたりの受光面積が大きく、広いダイナミックレンジと高いノイズ耐性を有しています。
そのため白飛びや黒つぶれを抑えた豊かな階調表現や、ノイズの少ないクリアな被写体の質感や、その場の空気感まで描写できます。
その中でもFUJIFILMの『GFX 50S II』はラージフォーマットセンサーのカメラとして約5,140万画素をもちながらお手頃な価格で扱いやすいカメラとなっております。
レンズも現在はFUJIFILMの高性能なフジノンGFレンズをはじめ、マウントアダプターを使用することで様々なレンズを使うことができます。
そこで今回は私のお気に入りであるLeica『ズミルックス M50mm F1.4 ASPH. 11728』をご紹介いたします。
マウントが異なるため、SHOTENから出ている『マウントアダプター ライカMレンズ/フジフイルムGFXボディ用 LM-FG III』を用いて『GFX 50S II』に装着します。
発色の良いFUJIFILMのボディと、ズミルックスならではのやわらかい写り、そして5代目になるズミルックスらしい解像感のある写りをぜひご覧ください。
開放F値がF1.4のLeicaのズミルックスはやわらかい写りを得意とするレンズ。
その中でも2023年 4月に登場した最新の『ズミルックス M50mm F1.4 ASPH. 11728』は、絞り羽根を「9枚から11枚に」、最短撮影距離を「0.7mから0.45mへ」変更されています。
昨今は高画素機も多く登場しているライカ。
それらのカメラのために開発された新しい撮像素子のポテンシャルを最大限に引き出すために細部まで緻密な描写が可能となっています。
そして、このレンズもライカMマウントの35mmフォーマット用のレンズながら、より大きいフォーマットであるラージフォーマット『GFX 50S II』に装着してもクロップせずにそのまま使用ができてしまうのです。
『GFX 50S II』はボディ内で「35mmフォーマットモード」というものが存在しており、マウントアダプターで35mm判センサー用レンズを使用する時に中央部36.0mm×24.0mm(30.5M)のみをトリミング、記録できるモードがあります。
しかし、今回は「35mmフォーマットモード」を使用せずに、約5,140万画素のラージフォーマットセンサーをフルに使用しています。
ラージフォーマットセンサーよりも小さいセンサーサイズ向けに作られたレンズですが、驚くことに装着しても周辺が真っ暗になる「ケラレ」が生じずそのまま使用することができるのです。
絞り羽根の枚数が従来の9枚から11枚に増えたことで、美しい円形ボケが表現できるようになりました。
多くの写真を開放F値のF1.4で撮影しましたが、シャッタースピードが電子シャッター時1/16000秒、メカニカルシャッター時1/4000秒の『GFX 50S II』であればNDフィルターを使わずに白飛びしないで撮影を楽しむことができます。
ライカMマウントのレンズの組み合わせはレンジファインダーボディが主なので、構造上最短撮影距離が0.7m~1mのものが多いです。
しかし、現代のデジタル化によりレンジファインダーだけでなくライブビュー機能が搭載されたことでその制限もなくなりつつあります。
ライカの技術者が新たに開発したダブルカムユニットにより、本レンズは最短撮影距離が従来の0.7mから0.45mへと短くなりました。
優しいボケでありながら、ピント面はスッと芯が通るようにクリアな味わい。この雰囲気を出せるのはさすがズミルックスといったところでしょうか。
多少なりとも周辺は減光してしまいますが、それでもどれも実用範囲では問題ありません。
ラージフォーマットに装着した時、35mm判換算で約40mmとなる本レンズ。
最短撮影距離がグッと近くなったのでテーブルフォトも座ったまま撮影をすることが出来ました。
そしてお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、レンズとボディの一体感、デザインの良さがぴったりなのです。
スっと伸びた鏡筒は手に収まりが良いサイズ感で野暮ったい感じがありません。
洗練されたものだからこそお互いの親和性が高いのだと思います。
35mm判センサーの1.7倍のセンサーを有しながら、その価格は35mm判センサーの高画素機と変わらないほどのFUJIFILM『GFX 50S II』。
画素数だけを見れば上回っている他の35mm判センサー搭載カメラもありますが、画素のピッチ数が異なるせいかやはり『GFX 50S II』には余裕がいつも見られました。
そのようなカメラボディに純正レンズももちろん良いのですが、あえてマウントアダプターを付けて様々なレンズをつけてみるのも楽しいかもしれません。
今回はその中から、Leicaの『ズミルックス M50mm F1.4 ASPH.』をご紹介いたしました。
ご参考にいただけますと幸いです。
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