【SONY】ライブ撮影とミラーレス機の付き合い方
マップカメラではこの夏「夢中」をテーマに、
今回の「夢中」はライブアイドルの写真です。
筆者自身がライブアイドルに夢中になっているというわけではなく、今回はこの活動に身をささげている友人の「夢中」をカメラスタッフとして撮影させて頂いた時のお話をさせていただこうと思います。
今回は特別に掲載許可も頂いております。
使用した機材は「SONY α7IV」と「SONY α7CII」
レンズは「SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」「TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD」
機材選びの際に意識していることは『感度をある程度高くしてもノイズが少ない事』『フリッカー対策が出来るようにメカシャッターを搭載している事』『瞳AFや動体認識の精度が高い事』『レンズが高速モーターを搭載している事』です。
激しい動きが伴うライブではありますが、連写は1秒間に10コマから11コマ撮影ができればシャッターチャンスは逃す事は無いと考えており、連写性能には特別こだわりはもっていません。
連写の性能にこだわってしまうとボディだけでなくレンズも高速連写に対応したレンズを選ばなくてはいけません。
サードパーティー製のレンズではSONY α1の最高約30コマ/秒やSONY α9IIの最高約20コマ/秒に対応が出来ない事が概ねですが、初めて行くライブハウスや、動員数が全く読めない時は「TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD」を使用しています。
写りも良く、リニアモーターが搭載されているのでAFの反応も速いです。
絞りもF2-2.8なので、暗いステージでもシャッタースピードを速めに設定でき、被写体のブレや手振れも抑えられます。
なにより35mmから150mmという高倍率!様々な撮影が出来るので、グループ全体を1枚収めたり、あおり構図で臨場感を演出することも可能です。
今回のようなステージ上にいる人物の撮影では、データ量を気にせず撮影できる方が良いと私は考えています。なので連写で撮影をし続けるよりも、ここぞという見せ場でシャッターを押す方が容量も抑えられるのでオススメです。
さらに連写にこだわってしまうとシャッター方式も縛りが出てしまうのでこのような照明が多い室内では電子シャッターは向きません。
実は私が初めてライブアイドルの現場に足を踏み入れたのも、この友人の応援カメラマンとして参加させていただいた時になります。
周りの迷惑になってはいけないと思い、音を消すため電子シャッターを使い、フリッカー対策はシャッタースピードで補おうと考えていました。
しかし、様々な種類の照明が交互に点灯しているので、なかなか防げるものではなく、せっかくいい写真であってもお蔵入りとなってしまうことも・・・。
さらに、想像した以上にライブの熱気がすごい!メカシャッターの音なんて全く気にならないぐらいの爆音と声援で全くもって不要な気遣いだったと感じました。
もう一つ、電子シャッターを使うデメリットとしては「ローリングシャッター現象」が起きてしまう可能性が高いという事です。「こんにゃく現象」とも呼ばれています。腕を上げたり下げたり横に跳ねたり回転したり、様々な動きが伴うパフォーマンスでは電子シャッターを使うと被写体が歪んでしまいます。
上記の写真は、縦位置で撮影したもので、フリッカーとローリングシャッター現象が両方出てしまっています。せっかく躍動感の伝わる写真でも台無しです。
「SONY α9III」はグローバルシャッター方式が採用されているため全画素で同時露光が可能です。そのためローリングシャッター現象を防ぐことが出来ますが、他の機種で完全に無くすためにはメカシャッターで対策をするしかありません。
シャッター方式などでしっかり対策すれば、思いっ切り手を振り上げた場面でも問題ありません。楽しく動き回るパフォーマーを歪みなく撮影できます。
スタッフとしてライブハウスに立たせていただいているので、観客の邪魔にならないように場所を決めてほとんど定点で撮影させていただきました。
自由に動き回ることは難しかったのですがα7IVもα7CIIも画素数は約3300万画素です。APS‐Cクロップしても約1400万画素ですので、画質に大きな影響はないように感じました。
撮って出しということもあり、ノイズがのってしまっているのが分かりますが、むしろ薄暗いライブハウスでよく耐えてくれているなという印象です。
お酒を飲んで盛り上がっている方がいました。ライブ中にお酒を飲めるのもライブハウスの醍醐味です。
この日は3時間ほど腕を持ち上げて撮影していました。「SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」は望遠レンズF2.8通しでありながら、約1045gです。以前のモデル「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」では前側に重心が傾いてしまっていたため、新型モデルは持った時のバランスが改善されており腕への負荷をだいぶ軽減できました。
出演メンバーも他のグループが歌っている時はフロアに立ち、観客と共に歓声を送っていました。
パフォーマーのこのような姿が見られるのもライブアイドルの素晴らしい所です。
今回は特別に撮影と掲載許可を頂いています。
グループやスタジオによっても撮影には細かなルールが設けられていることが多いので、参加されるライブのルールをしっかりご確認ください。
撮影協力:「sommeil sommeil」
夢中になることは人それぞれ、スタッフの”夢中”をご紹介するブログシリーズ、次回もぜひお楽しみに。