【PENTAX】望遠レンズをその手に。~HD DA55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE〜
スポーツ会場やイベント会場でスタッフが使用しているのを見かける望遠レンズ。
大きく太いその容姿から時には「バズーカ」と呼ばれることもあります。
店頭でご案内していても「プロの人が使うんでしょ?」といったお声を頂戴することもあります。
いいえ、そんなことはありません。
今では望遠レンズもバラエティが豊富で、ズームレンズから単焦点レンズ、小さいものから大きいものまで様々なレンズが登場しております。
ぜひ、望遠レンズを手にして、まだ見ぬ世界を覗いてみていただければと思います。
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今回ご紹介するのは、PENTAXのAPS-Cフォーマット用に作られた『 HD DA55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE 』です。
この焦点距離のレンズの系譜は長く、度重なる世代交代を経ての現行モデルとなります。
焦点距離は35mm判換算84.5-460mm相当の中望遠から超望遠域までカバーする望遠ズームレンズ。レンズ名に付くPLMはレンズ内パルスモーター(ステッピングモーター)の意。レンズの小型化に寄与し駆動音が静かなのが特徴です。また、先代レンズに対して広角側で約8.3倍、望遠側で約1.7倍ものAFの高速化が実現しています。
今回はPENTAXのAPS-Cフォーマットのデジタル一眼レフカメラ『K-3 Mark III』と共に撮影してきたデータを振り返ります。
まずは動物園。
全長は縮小時、約89mmと小型なためちょっとしたお出かけでも無理なく持ち出すことが出来ます。動画撮影にも配慮された設計のため、フォーカス駆動音や絞り動作音が入りづらくなっています。周りの方々にも動物にも優しい設計となっています。
動物園は施設、展示方法によって動物の距離感が全く変わります。また動物達も思い思いに過ごしているので近くに来るとは限りません。
可愛いインドサイの赤ちゃん。生後間もないこの子はお母さんにべったり。柵から放飼場までも植垣によって距離があり、決して目の前に、とはいきませんが本レンズならその可愛い姿を余すことなく撮影することが出来ます。顔つきは幼いですが世界の哺乳類の中で最も硬いと言われるような皮膚の風貌はすでにこの頃からあるのだと知りました。スムーズなAFで35mm判換算460mmを手軽に撮れるのはこのレンズならではだと感じました。
※動物を驚かさないよう静かに見守ることはもちろん、同じ場所で長時間撮影するなどの行為は控えましょう。
様々な姿を見せる富士山。つい先日、冠雪の便りがありましたが真っ白な富士山が見られるのはまだもう少し先のようです。そんな富士山も登ったり五合目を訪れたりしたことがある方は見たことがあるかもしれませんが、五合目より上の斜面には拳くらいの大きさの赤いスコリアが広く分布しているので山肌は赤く見えます。しかし離れてみるとそうは見えないのが不思議なところです。
色の表現が豊かで、望遠レンズとしてただ遠くの被写体を大きく写すことを目的に撮るだけでなく風景写真など全体を撮るのにも向いていると感じました。
小型ながら11群14枚のレンズ構成で、特殊低分散(ED)ガラスを1枚使用しており、球面収差や色収差などを効果的に抑える設計となっています。広角側から望遠側まで四隅に渡ってコントラストと解像力を高めた描写を得ることが可能です。また、レンズ名の頭にあるように高性能マルチコーティング“HDコーティング”が施されています。逆光など光線状態の厳しい撮影条件下でゴーストやフレアーの発生を限りなく抑えられていることがよく分かります。
空港が近づき着陸態勢に入った飛行機もこの通り。機体に書かれた機番もはっきりと分かるほど大きく写せます。滑走路の延長線上近くで撮影していると、初めは300mmでも飛行機は小さくしか映らないのですが、見る見るうちに大きく写るようになり、しまいにはあっという間に全体が収まらなくなってしまいます。迫力ある飛行機が撮りたい場合は、どの方向から飛行機が着陸しているのか調べてその下へ向かいましょう。風向きや時間帯でリアルタイムに変化するので情報収集が欠かせません。
高台から花火を狙ってみました。花火撮影というと広角レンズをイメージされる方も多いとは思いますが、周りの景色も収めようと俯瞰で撮影すると自ずと望遠レンズになりがちです。マップなどで周辺の土地を見て狙った場所から綺麗に撮れた時はたまりません。距離が離れていると露出やシャッターを切るタイミングが難しいですが、白飛びしないぎりぎりの設定で長時間露光をすると比較的一枚撮りでも綺麗に収まってくれます。撮影地によって打ち上げ場所との距離感が異なるので、焦点距離のレンジの広さはやはり便利です。
※私有地や立ち入り禁止区域等への侵入はやめましょう。
本レンズは『K-3 Mark III』や『K-1 Mark II』 に搭載されたアストロトレーサーType3 に対応したレンズ。地球の自転で動いているように見える星々を自動で補正して点像として記録してくれます。アストロトレーサーType3 は通常、ズームレンズはワイド端とテレ端のみ使用可能ですが、本レンズ『HD DA55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE』、『HD DA★ 11-18mm F2.8 ED DC AW』、『HD DA★ 16-50mm F2.8 ED PLM AW』の3本はズームポジションに関係なく使用することが可能です。上がアストロトレーサーType3 未使用、下がアストロトレーサーType3 を使用した写真です。25秒間露光し続けると星は動き、線のようになってしまいます。しかし、アストロトレーサーType3を使用すると星の動きを計算して点像に留めてくれるのです。本来「赤道儀」という三脚に取り付けるアクセサリーを用いて撮影していたものが簡単に撮れてしまうのは驚きです。さらにそれまでのアストロトレーサーは別途GPSユニットが必要でしたので、カメラとレンズだけで完結するこのアストロトレーサーType3のシステムは素晴らしいです。
冬の代表的な星座である「オリオン座」。オリオン座というと三ツ星やベテルギウス等が有名ですが三ツ星の下には、「オリオン座大星雲」という星雲があります。オリオン座を雅楽に用いられる鼓に見立てるなら下側の胴の中心あたりでしょうか。空気の澄んだ場所に行くと、オリオン座の枠の中に点ではなく何やらぼわっとしている箇所が見えます。そこを望遠レンズで撮影すると星雲の姿を見ることが出来ます。オリオン座大星雲は比較的見かけの大きさが大きく見えるので、300mm(35mm判換算460mm)で充分撮影をすることが可能です。上は撮影した元のデータ。下がAdobe Lightroomでレタッチをした写真です。一枚撮りでも破綻することなくその様子を記録することが可能でした。
「わざわざ重いレンズを持っていきたくない」そんな時に大活躍な一本。望遠レンズとしての幅の広さを感じました。近日点を越えて彗星が姿を現したのは日没後のわずかな時間。その時間は薄明に包まれており、他の星々はまだ見えてきません。そのため、残念ながらアストロトレーサーType3は使用できませんでしたが、使わずとも見事な彗星の姿を収めることが出来ました。そして沈んだ後に背後から現れた闇夜に浮かぶお月様。遠く離れた地の凹凸が分かるほど鮮明に撮影することができました。
沈胴構造の採用により全長89mmを実現した『HD DA55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE』。焦点距離のレンジの広い小型望遠レンズは旅行やイベント等にアクティブに持ち出しやすく、さらに35mm判換算460mmまで撮れてしまうので動物や乗り物等にも対応することが可能です。また、防滴構造にもなっているので屋外のアウトドアシーンにぴったりです。使い勝手の良さにPENTAXのレンズテクノロジーが詰め込まれた一本です。
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普段届かない距離をもグッと引き寄せる望遠レンズ。
遠くの被写体も写真内に大きく撮影することが可能です。
普段使い、とはなかなか難しいですが、何も特別では無い望遠レンズ。
ぜひ貴方の手にも、望遠レンズが届きますように。
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