午前中の小雨が止んだ後、柔らかな光に包まれている僅かな時間に、急いでLeica M10-PとLeica Summicron M35mm F2.0 ASPH.を持って海に向かいました。
1月下旬の東京は例年よりずっと暖かいです。特に海辺では、想像していたほど冷たい風はなく、夕日が沈む時間帯の陽光がとても心地よかったです。
Leica M10-Pは、筆者が一番好きなLeicaのデジタルM型カメラです。外観や質感が完璧ですし、何より細やかな色味が気に入っています。
1954年に出た初代M型カメラのM3から、60年以上が経って登場したM10-P。M10の後に出た「P(プロフェッショナル)」モデルです。
筆者は、赤いロゴではなく、トップカバーに筆記体の「Leica」が刻まれている控えめなデザインが好みです。
M10-Pは相変わらず金属製のボディで、Leica M9より3.5mmほど薄いです。
Leica M10シリーズの外観デザインは、LeicaのフィルムM型カメラに非常に似ています。
操作面では、Leica M10シリーズはLeica M(Typ240)シリーズの一部にあった録画機能がなくなりました。
また、メニュー操作のタッチパネル式の液晶モニターが搭載されたのも、多くの人が望んでいた機能です。
フィルム時代にはメニューを頻繁に操作することもなく、パラメーターの調整や液晶モニターで写真を再生することもありませんでした。
個人的にはデジタル時代になり、写真の敷居が低くなった分、カメラの操作もシンプルにする必要があると思っています。
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Leica M10シリーズの色味は、筆者がこのカメラを手放せない最大の理由です。Leicaのデジタルカメラはどれも特徴的な色を持っていますが、M10シリーズは一番バランスが取れていると思います。
例えば、M9のCCDセンサーは青や緑の独特な表現を持っていたり、M(Typ240)は高いコントラストと高い彩度で濃厚なフィルム感を再現していたり、最新のM11シリーズは高解像度で色を非常に忠実に再現したりします。
それぞれの世代に魅力があり、それぞれが一つの伝説と言っても過言ではないでしょう。
M10シリーズは、先代機の濃い色味とフィルムっぽい質感を残しつつ、ちょうど良いコントラストと色の再現性に高い魅力があります。
特に、陽光の下ではとても柔らかい金色や淡い緑色が浮かび上がって、まるでフィルムKodak Gold 200みたいな色だと思っています。
Leica M10-P、自分の作品に繊細な質感が与えられ、どうしても手放せないカメラです。
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そして、Leica Summicron M35mm F2.0 ASPH.レンズを組み合わせることで、まさに虎に翼を授けたようなものです。
小型で精巧、そして美しく、優れた光学性能を持つ35mmのLeica Mマウントレンズは、一日中撮影していて非常に快適でした。
個人的な感覚では、中心部のシャープネスは歴代ズミクロン35mmの中でも最高峰、絞り開放からコントラストとシャープネスが高く、万能型のレンズだと思います。
ボケ味も非常に柔らかく、バランスが良く取れています。
35mmのレンズで迷う時、このLeica Summicron M35mm F2.0 ASPH.を選べば間違いないでしょう。
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筆者にとって、この組み合わせにはたくさんの思い出があります。
学生時代、自力でLeicaのボディからレンズを全て揃えるのは難しかったため、友人にLeicaのカメラやレンズを借りて使うことが多かったです。
1人では難しくても、みんなで集めて一式揃えることはできました。
最初に揃っていたのがLeica M10-PとLeica Summicron M35mm F2.0 ASPH.でした。
その後、少しずつ買い揃えて、やっと一式揃えましたが、当時の友人たちはそれぞれ別々の道を歩んでいきました。