【タイムズフォト】レンジでも寄りたい!「キヤノンオートアップI」
銀塩派の皆さんこんにちは!
いかに世の中が便利になろうとも、そしていかにマイクロフォーサーズ一眼でのオールドレンズ撮影が楽しくとも物事には替え難いものもあるような気がします。
銀塩カメラでの撮影もその一つ。とくに自分で露出を測って、絞り・シャッター速度を決めて撮るのは、やはりデジタルでAEで撮るのとは何か違う気がします。
ひんやりとした金属の感触、巻き上げレバーの操作感、構えるとかすかに香るフィルムの匂い。五感を刺激してくるカメラで撮影した画像はそれらから何らかの影響を受けているような気がします。(妄想?いやいやそうとは言い切れません!)
銀塩で一枚一枚丁寧に撮って、現像に出し、手間をかけてスキャンした写真はデジタルでの撮影と比較して明らかに「触れる時間」が長く、うまく撮れたりした場合には言い知れない愛着を感じます。
レンジファインダーの利点はすばやいピント合わせ。街頭でのスナップ撮影はその特製を発揮できる得意分野です。ただ、レンジファインダーは近距離撮影が弱点。街中で撮っていて「もっと寄りたい」というときには悔しい思いをする事も。
そこで登場するのが「接写装置」Leicaにはいろいろあるようですがキヤノンにもこの「Auto-Up」があります。
Canon VL2+Auto-UpI
Canon VIL+Auto-UpI
ごらんの通り、その構造はクローズアップレンズにレンジファインダー用のむしめがねをくっつけました!といったもの。しかも固定方法はレンズの先端にかぶせて締め上げるのみ!結構アバウトです。
しかしその構造が幸いしてだいたい径が同じくらいのレンズなら装着可能です。
基線長の関係でキヤノンレンジファインダーシリーズの中でもV、VI、Pには使用可能ですが7、7Sには使えないようです。
Canon VL2 Canon LENS 50mm f1.8 AUTO-UP1使用
CENTURIA200
Canon VIL Summitar 5cm f2 AUTO-UP1使用
TREBI100
撮った感じはご覧の通り。この「Auto-UPI」の場合撮影可能範囲は56cm~1m。通常の最短撮影距離がだいたい1mだから、ほんの少し寄れるにすぎません。
要はムシメガネのようなものなので、描写性能・解像度的にはあまり褒められたものではないようですが、なかなかよいボケ方をしてくれるので、個人的にはお気に入りです。
デジタルの手軽さに触れるとどうしても手が伸びにくくなる銀塩レンジファインダー機ですが、使えばやはり「・・良いな・・」と思います。
レンジファインダーと言えば高価な「Leica」を思い浮かべられる方が多いと思いますが、国産のキヤノンも一眼レフ前夜、最後までLマウントのレンジファインダーを製造していたメーカー。作りもなかなか良く、比較的安価な上に変倍式ファインダーなどLeicaにもない独自の機能もあり使い勝手もなかなか。レンジファインダー入門機としてはおすすめです。
気候のよくなるこれからの季節、お散歩のお供にレンジファインダー機はいかがでしょうか?