新発売のこちらのレンズ。
「この箱、あのレンズの箱に似ている……?」
そう思った方もいるかもしれません。
こちらは中国・深セン市のメーカー「BRIGHTIN STAR(ブライトイン・スター)」のレンズの箱です。
最近で言えば、魅力のあるレンズを短期間にいくつも発売したことで注目を集めているメーカーのものです。
コストパフォーマンスの高さが話題になることがありますが、メーカーとしてはそれよりもやりたいことをやっていることが大事であると語っています。
今回はその中から「MF 55mm F1.8」をご紹介します。
ソニーEマウント用、フルサイズ対応の大口径単焦点レンズです。
描写が美しいのはもちろんのこと、外装は航空用の高品位なアルミ素材を削り出しで作られているので堅牢制が高く、そのルックスは高級感があり所有欲が満たされます。
それではさっそく「MF 55mm F1.8」の写りをご覧ください。
組み合わせたボディは「SONY α7RIV」です。
同じ日に撮影した2枚の写真。
あえて2枚載せるのは描写の違いを見ていただきたいと思ったからです。
どちらも雨で濡れた葉が奥にボケて写っていますが、1枚目は丸ボケの外周ラインが硬く写っている一方で、2枚目は抽象画の筆遣いを想起させる柔らかさ。
2つは全く異なるボケ味をしています。
このボケ味のふり幅が本レンズの魅力のひとつと言えます。
どの方向に個性を活かすか、撮影者の手に委ねられているのです。
たった今まで雨が降っていたことを濡れたデッキが教えてくれます。
こんな場所では、海のそばというだけで風が違って感じられるから不思議なものです。
気持ちのいい海風が吹く中を、人々がのんびりしているのを撮りました。
55mmという焦点距離のこのレンズは、標準レンズの50mmよりわずかに5mm望遠側になりますが、使ってみてその5mmを感じられました。
普段から50mmを持ち歩き、50mmの画角の感覚を意識しているせいもあるかもしれませんが、わずかながら大きく写せるのは微妙に作品が変わって面白かったです。
浮き輪が海を見つめています。
いざというときのために見守ってくれています。
太陽の光を受けて水面がきらめいています。
大口径ならではの大きなボケが美しく主役である浮き輪を引き立ててくれます。
すぐ上にある夕刻の写真は、クリエイティブスタイルをビビッドに設定して絞り開放で撮影しました。
本レンズのように開放F値が小さいと値が張ることが多いですが、本レンズはコストパフォーマンスに優れると感じます。
はじめての大口径レンズとしてもおすすめです。
波が岩に当たって跳ねる様子をシャッタースピードを速くして撮りました。
わかりにくいかもしれませんが跳ねたしずくのひとつひとつが鮮明に写っています。。
またそのしずくが水面に落ちて広がる波紋や、水の中にできた泡などが実に精細に描写されているのです。
ボケ味だけでなく合焦点がシャープであることも本レンズの魅力です。
駐車場の写真は露出補正でアンダーにして撮影しました。
普通の明るさだとわかりにくいのですが、暗くすることで床にできた一筋の反射が際立ってきます。
矢印の先にその光があり、まるで矢印から光線が出ているかのよう。
公衆電話の”ポートレート”。
顔に順光を受けて遠くを見つめる横顔を写したイメージです。
今となっては公衆電話自体がレアですが、中でもあまりみたことがない水色の公衆電話。
哀愁を感じるその黄昏た表情を、奥の光と一緒に写しました。
最後はテーブルフォトです。
テーブル全体をとはいきませんが、最短撮影距離が50cmと短いので座ったまま料理を撮影することができます。
F1.8の明るさがあれば、暗い室内でも頼りになります。
いかがでしたでしょうか。
街などの風景を印象的に写すのに、小さくて明るい標準レンズというのは最適です。
絞ってノーファインダー撮影などの技法もありますが、明るいレンズは絞ることができます。
一方、暗いレンズは絞りを開けるのに限界がありますから、やはり明るいレンズが使い勝手がいいのです。
本レンズは使いやすい焦点距離に加え、絞りの明るさ、コンパクトさ、価格のバランスがとてもよく、幅広い方におすすめできます。
ぜひお試しください。