【マップカメラ情報】Nikon D3S 試写レポート
D3Sの誕生までの2年の間に高精細化を図ったD3Xの登場があり、フラッグシップの座を明け渡したかと思われたD3でしたが、高速連写と高感度を売りにするD3(D3S)と高精細を売りにするD3Xはそれぞれの特徴を活かし、共にフラッグシップとして販売されています。
今回D3がD3Sへ進化するにあたって改良された部分はその特徴がさらに強化され、ユーザーはどちらを選ぶか苦渋の選択を迫られることになるでしょう。
■低光量下でも高速撮影が可能な常用感度 ISO 12800
D3からD3Sへの進化で、一番大きいのはやはり更なる高感度への対応でしょう。
D3時に200~6400だった常用ISO感度がD3Sで200~12800まで拡張されました。さらに未知の102400までの増感も可能で、低光量下での撮影がより便利になりました。
筆者が撮影に出掛けた日は生憎の雨模様。手持ち撮影に不安を覚える光量でしたが、未体験の常用ISO12800への挑戦にはちょうどよかったかもしれません。
傘をさしながらの不安定なホールディングでも、普段よりシャッター速度を3~4段速く設定できたことで、撮影の失敗が格段に少なくなった気がします。最新の手ぶれ補正レンズと組み合わせればまさに鬼に金棒です。
■高感度での撮影もカバーした動画撮影、Dムービー
上記の高感度を設定した動画の撮影も可能になりました。動画撮影機能だけで比較するとフルHD未対応やフレームコマ数などで他社製品に見劣りするものの、肉眼を越えたと言われる高感度撮影との組み合わせは、夜間などの撮影に威力を発揮します。
■念願のイメージセンサークリーニング機能搭載
ようやく念願のイメージセンサークリーニング機能が搭載されました。光学ローパスフィルターを4種類の共振周波数で振動させローパスフィルターに付着したゴミやホコリをふるい落とすというもの。
筆者も経験があるのですが、センサー上のゴミは本当に厄介で、旅先などで一度気になったらもうどうしようもありません。実際、今までセンサークリーニング機能が無かったために、センサークリーニング機能があるD700を購入したという方もいらっしゃったとか。これからは安心してレンズ交換ができます。
■LVボタンとinfoボタンによって操作性が向上
スムーズにライブビュー撮影に移行できるライブビューボタンと情報確認と設定変更が容易にできるinfoボタンが追加されました。
難しい体勢での撮影を容易にするライブビューは水準器表示機能も重宝し、多くの方が使い込まれている機能。動画撮影時にも重要な役割をするライブビューが専用ボタンの搭載でより使い易くなりました。
またinfoボタンでスムーズに設定変更画面へジャンプ。ピクチャーコントロールやアクティブD-ライティングの設定変更が容易になり、イメージ表現の幅がより広がることでしょう。
■ FXフォーマットで約9コマ/秒、DXフォーマットで約11コマの高速連続撮影
この連写速度はD3時と同じスペックなのですが、シャッター速度が1/250秒以上に設定されている事が条件とされていました。今回D3Sへの進化で常用感度が大幅に向上されたことによって、シャッター速度を稼ぐことが可能になり、屋内スポーツなどではその威力を十分に感じることができます。また、バッファメモリー容量が2倍になったことで、連続撮影可能枚数も大幅に増加しました。
■作例
(元画像を50%に縮小)
絞り:F8
シャッタースピード:1/250
ISO感度:12800
■ISO12800で撮影。拡大してもノイズは気にならず、まさに常用に相応しい描写。
絞り:F3
シャッタースピード:1/200
ISO感度:3200
露出補正:-0.33
■D3シリーズの特徴でもある明るくクリアーなファインダーは薄暗い水中の様子もはっきり確認できます。
■作例動画
SIGMA APO150-500mmF5-6.3DG OS HSMで撮影 640×424/24fpt
(絞り:F6.3 / シャッタースピード1/80秒:ISO感度:1600)
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