
自然や景色を楽しむ場所へ行くなら、普通は標準ズームを選びたくなります。山も川も森もある場所だからこそ、焦点距離を変えられる安心感は大きいものです。それでも今回は、あえて標準ズームを置いて、SONY α7VにSONY FE 35mm F1.4 GMを組み合わせて歩いてみました。

夏の暑さを少しでも和らげたくて向かったのは、長野県の上高地。上高地をしっかり堪能するために、朝5時に現地へ到着するように出発しました。朝の上高地は気温19度。夏とは思えないほど涼しく、少し肌寒さを感じるほどでした。
今回は大正池から河童橋までのルートを歩きました。大正池に着くと、水面にはうっすらと霧がかかり、山の姿が静かに映り込んでいました。山と川と霧が合わさった景色は、現実の場所にいるのに少し非現実的にも感じられて、早朝に来てよかったです。


朝7時ごろになると太陽の光が差し込んできました。葉っぱに陽が当たって少し幻想的な雰囲気になりました。



35mmで撮ってみると、景色を大きく誇張するというより、自分がその場で見ていた感覚に近い距離感で残せるのが印象的でした。スマートフォンで景色を撮る感覚にも少し近く、きれいだと思った瞬間にさっと構えて、そのまま一枚にできる。山や川を前にしても構えすぎることなく、歩きながら自然にシャッターを切れる画角だと思いました。

もちろん、35mm一本で歩いていると、もう少し望遠で切り取りたいと思う場面もありました。森の中で、木に垂れ下がる糸のような植物を見つけたときは、その繊細な質感をもっと大きく写したいと思いました。標準ズームを持っていれば、きっと迷わず寄って切り取っていたと思います。

それでも、35mmは風景をしっかり収めることもできれば、歩いている途中で見つけた小石や苔のついた木など、旅の途中にある小さな発見にも自然とカメラを向けられます。広く撮るだけでも、寄って撮るだけでもなく、その場で気になったものを気軽に切り取れるところに、このレンズの使い勝手の良さを感じました。



途中、なんと野生のお猿さんに遭遇しました。人だかりにも慣れているのか、全然気にする様子がなく堂々としたものです。
シャッターチャンスはほんの一瞬でしたが、7VとGMの強力なAFのおかげでバッチリ顔にピントが合いました。


今回使ってみて感じたのは、FE 35mm F1.4 GMはただ画角が使いやすいだけのレンズではないということです。風景を撮ったときには山や木々の細かな質感までしっかり写り、近くの小さな被写体に寄ったときには背景がやわらかくほどけていく。標準ズームの便利さとはまた違う、単焦点らしい描写の気持ちよさがありました。



上高地の川の水は透き通っていて、冷たくて、とても気持ちの良いところでした。


標準ズームだけが正解ではない。今回の撮影で改めて、35mmの良さとあえて単焦点を選ぶ楽しさを感じました。
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