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WITHIN120K -ライカ旅行記 M6 10557編-

WITHIN120K -ライカ旅行記 M6 10557編-

25年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは12周年を迎えます。
今年の連載はテーマ『Journey』と『“12”周年』にちなみ、マップカメラのある新宿から半径120キロ圏内での撮影旅行をスタッフが計画。旅の供にカメラが選ばれるようになってから100年となる今年、「旅」を通してカメラの楽しさ、ライカの面白さをお伝えするべく、マップカメラスタッフ12名が旅に出ました。その名も「WITHIN 120K」

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今回は「WITHIN 120K」企画の第二回です。撮影地は三浦市の城ケ島公園、新宿駅から約62kmの距離です。120kmには遠く及びませんが、この小島は三浦半島と陸地を繋ぐ最南端でもあります。当日の天気は曇り時々晴れ、1日で異なる光の中で楽しめる天気でした。

私はレトロなものが好きなので、カメラもフィルムカメラが好きです。今回は「旅」がテーマという事でしたが、機材選びに関してはあまり迷うことはありませんでした。
なぜならば、ライカからは往年のクラシックカメラやクラシックレンズを復刻したシリーズがラインナップされているからです。そこで私が選んだのは「ライカM6 10557」と、「ズミルックスM35mm F1.4 11301」を選んでいます。
どちらも往年のクラシックライカを復刻した機種となっていて、オリジナルのライカM6は1984年発売、ズミルックスM35mm F1.4 1stは1961年発売です。
オリジナル品はもちろん現在でも中古品として流通していますが、復刻版については新品で購入できる事がひとつの魅力かもしれません。
また、今回使用したフィルムはFUJIFILM 400となっています。それでは参りましょう。

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電車を乗り継ぎつつ、バスで現地へ向かいますが、城ヶ島バス停に到着したのは新宿出発から2時間以上経っての事。この間で興味深かったのは、品川で京急本線に乗り換えた時、車両の切り離しと連結を目の当たりにしたことです。
私は前の車両に移動させられ、後ろの車両は反対方向に戻っていきました。

歩いて城ヶ島公園に向かいましたが、この日はあまり人が多くなく、散歩する地元の人々と思われる数人だけでした。


公園の中を進むと、目に飛び込んできたのは、木々が少し傾いて陸地側に向かっている光景でしたが、海にほど近い場所である事を思い出しました。
おそらく南側から吹く海風が北の陸地に向かって吹き込み、その影響を受けながら成長したのでしょう。そのため木々は一方向に倒れています。

公園の端には、真っ白な欧風の灯台があります。後に再建された安房崎灯台です。
人工のアスファルト道路がいくつかの植生を切り開き、灯台に向かって延びています。人工物と自然がうまく融合しています。

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木造の階段を下りて、ゆっくりと海側に近づきます。振り返ると、先程立っていた二階建ての小さな展望台が意外にも遠く感じられます。この高低差には少し緊張感を覚えました。

ついに海が全体像を見せてくれました。
南の方向を見渡すと、遠くにぼんやりと島が見えますが、恐らく大島でしょう。険しい岩壁に立ち、海岸線を見下ろします。空にはぼんやりと雲が立ち込め、荒々とした冬の海や枯草の物悲しさが相まって、私はここが世界の果てのように感じました。
実は今回、初めてFUJIFILM 400を試しました。このフィルムは、Kodak UltraMAX 400に似ていると聞いたことがありますが、このフィルムは意外にも緑色の表現が強いと感じました。
もちろん、スキャンと自分の調整にも影響されるとは思いますが、筆者が使っているスキャナーのEPSON GT-X980ではその様に感じています。また余談ではありますがこのスキャナーは大変重宝しており35mm判、120mm判、さらには4×5の大判フィルムもスキャンでき、家庭用スキャナーとしては非常に高機能です。

旅行をするなら荷物は軽い方が良い、というのが旅へ赴く時にいつも考える事です。荷物が重くては体力を取られてしまいますから、負担を軽くして、旅行そのものを心から楽しみます。
今回使ったLeica M6 10557とズミルックスM35mm F1.4 11301は、日常旅行で最も頻繁に登場する組み合わせですが、これが今回「WITHIN 120K」旅行の全荷物です。

復刻版M6は、ライカがフィルム時代から現代の技術を集約したものと言えます。1984年に発表されたオリジナルのM6と同じ精緻な外観、ファインダー部についてもオリジナルと同様に露出計が内蔵。全速で機械式のシャッター、そしてカメラ前面の目立つライカの赤いロゴが依然として非常にクラシックな印象を放っています。全体的に復刻版M6は、オリジナルのM6より若干背が高く、最も重要な点は採光窓から取り込まれた光がハレーションを起こしづらくなっています。
以前、ハレーションが原因で多くの人が機械式シャッターを搭載したM6を諦め、電子シャッターを搭載したライカM7を選んでいたと聞いた事があります。しかしながら、復刻版のM6ではその点を気にする必要がなくなりました。


実は筆者もオリジナルのM6を諦めライカM7を使っていましたが、復刻版のM6が発売された事で念願のM6を使うことが出来ています。


昼の時間帯、太陽が雲の間から光を差し込みました。

曇り空の下、雲から降り注ぐ太陽の光は柔らかいですが、あっという間に過ぎ去ってしまいました。
そして今回使用したショルダーストラップは、この瞬間を捉える事をより素早くサポートしてくれました。


肩から斜め掛けする長いストラップよりも、筆者は短めのタイプを好みます。それはカメラがちょうど胸にぴったりと収まり、すぐに目の位置に持ち上げる事ができるからです。素早く構える事が出来るので、捉えたい一瞬にすぐフォーカスしてシャッターを切る事が出来ます。また、腰のベルトに露出している金属がカメラを傷つけることもありません。

また、今日持ってきた全ての物は、WANDRDのショルダーバッグにちょうどよく収まりました。このスリングバッグは6Lの容量で、タブレットやパソコンなど入りませんが、撮影に最低限必要なカメラやレンズ、フィルムなどを入れるにはとてもちょうど良いです。


島の東側に位置する城ヶ島公園から撮影をスタートしましたが、島の西側へと向かいます。

程なくして西崎の磯へ到着しましたが、洗濯板状の岩が連なっていて、足元に気を付けながら歩く必要があります。
岩が一層一層重なる事で複雑な磯を構成していて、普段の砂浜とは大きく異なり、大自然の力に驚かされました。


この復刻版のズミルックスは、ズミルックスM35mm F1.4 1stをベースに設計されています。
1961年にライカがズミルックスM35mm F1.4 1stを発売してから、2ndと合わせて約35年間ほぼ途切れることなく製造され続けました。
初めから高い人気を誇る大口径のレンズで、レンズ先端の金属製ステンレススチールが特徴的で「スチールリム」という愛称で呼ばれています。開放絞りで撮影した写真は柔らかいボケを持ち、癖のあるレンズの中でも特別な存在です。

復刻版ズミルックスは、絞り開放で美しいボケを持ち、現代技術により絞りを絞ると素晴らしい描写力を発揮します。

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120kmの約半分となる62kmの旅路でしたがいかがでしたでしょうか。都心部から60km離れるだけでガラリと違う景色の中で撮影が出来ました。

日頃雑踏の中で生活していると、都会の喧騒を忘れて撮影に集中したくなる事があります。今回城ケ島へ訪れた事で、とてもリフレッシュできました。
皆さんも気分転換にカメラを持ってちょっと遠くへ旅に出てみてはいかがでしょうか。思わぬ被写体や風景との出会いが待っているかもしれません。

現在マップカメラでは「Leica Boutique MAPCAMERA Shinjuku」12周年を記念してフォトコンテストを実施しています。
ライカ製品以外のカメラで撮影した写真でも参加可能!ぜひみなさまの「旅」の写真をお待ちしております。




 


 


[ Category:etc. Leica | 掲載日時:25年02月06日 14時00分 ]

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