SONY-E BODY × Canon-FD LENS
ボディ:SONY α7II
マウントアダプター:KIPON MountAdapter Canon FDレンズ/SONY Eボディ用
レンズ:Canon FD300mm F2.8 S.S.C. フローライト
今回マウントアダプターで使用するレンズは1975年10月に発売された『Canon FD300mm F2.8 S.S.C. フローライト』です。
その名に記されたとおり、蛍石レンズとS.S.C.(スーパー・スペクトラ・コーティング)というマルチコーティングの採用で、高解像でハイコントラストを実現した銘レンズです。
先日SONYより発売された「α7II」はボディ内に手ブレ補正機能が搭載されたことで、古いレンズでも手振れを気にせず安定した撮影を楽しむことができるようになりました。
レンズの描写力を最大限に引き出す高精細なフルサイズ機に手ブレ補正機能とくれば、これを使わない手はありません。早速撮影に出掛けてきました。
報道関係をはじめ多くの写真家から高い評価を得ているサンニッパ。その広い用途に合わせてまずは鉄道写真から。
久しぶりのマニュアルピント合わせに苦労するかと思いきや、カメラ側の拡大機能で細部まで確認できるので比較的容易にピントを合わせることができました。 定番の置きピン撮影とは言え、高速で移動する車両をこれほでまでにシャープに捉えるとは。期待以上の描写力に大満足です。
続いては航空写真です。
マルチコートの恩恵がしっかり確認できるコントラストの高い描写は、空の青さと日差しの具合いを綺麗に再現しています。
羽の裏側の細部までしっかり確認できる解像力からは、本レンズが約40年前のレンズとは想像つきません。
カメラ内の水準器のおかげで、動体を追いながらでもしっかり水平を意識しながらシャッターを切る事ができます。
重いイメージのサンニッパレンズですが、モーターユニット等を持たない本レンズは最新レンズと比べ約2割程軽量で、ピント合わせに慣れてしまえば、使い勝手の良さすら感じます。
望遠レンズならではの圧縮効果と大きなボケ味で、立体感の高い描写を楽しむことができます。
透明感ある描写は、冬の冷たい水温と日差しの暖かさをバランスよく伝えてくれます。
遥か頭上の木の葉も葉脈までしっかり確認できます。
今にも落ちそうな薄い枯れ葉の脇に、次の新芽が早くも膨らみ始めています。
続いてはスポーツ写真として、競馬場でのカットを。
強烈な冬の西日が馬体を艶やかに演出する様子が伝わります。馬の蹴り上げる砂粒が日の光を反射している様子もしっかり見てとれます。
カメラ側の強力な手ブレ補正機能と耐高感度のおかげで、ナイターでの撮影でも安定した手持ち撮影が可能に。
イルミネーションもご覧のとおりです。
スナップ撮影には不向きな大きさと重さですが、さすがサンニッパという描写を見せつけられると、苦労したかいがあったというものです。
しっかりとした造りの金属鏡筒のレンズは、約40年経った今でもその堅牢性を維持しています。
蛍石レンズやマルチコートなど、今でも十分通用する贅沢な光学設計はまさにLuxuryレンズと呼ぶに相応しいレンズ。
大口径望遠Lレンズの元祖とも言うべきレンズが、マウントアダプターのおかげで今も尚、便利に使えるとは嬉しい限りです。
Photo By MAP CAMERA Staff