SONY-E BODY × LEICA-R LENS
ボディ:SONY α7II
マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter LEICA Rレンズ/SONY Eボディ用
レンズ:Leica Macro-Elmarit R 60mm/F2.8
偏見かもしれないが、日頃Leicaレンズに慣れ親しんでいる方にとって『マクロレンズ』というのは、やや縁遠いものではないだろうか。
なぜなら、ライカの数多ある機材の中でも特に名の馳せたMマウントのレンジファインダー用レンズ群は、多くが1mに近い最短距離を持ち、近接撮影が物理的に難しいとされているからだ。
もちろんこの課題を克服する為のアクセサリー群は開発されていないわけではない。古くはレンジファインダーを一眼化するものや、近年ではヘリコイド付きアダプターなど、様々な手法で工夫を凝らしているが、どれも“レンズ本来の数値”にて撮影を用いるという観点で見れば、やや異なったものと捉えることが妥当ともいえる。
やや話が脱線してしまったが、今回はそんなLeicaの中にあって一眼レフ用に開発されたマクロレンズ『Macro-Elmarit R 60mm』をご紹介したい。こちらは最短撮影0.27m、「一眼用だから妥当だ」と言ってしまえばそれまでだが、同社のレンズ群の中でも稀有な存在の1本である。
対をなすボディには、この「Map×Mountadapter」でもお馴染みとなった、『SONY α7II』を選んだ。すでに多くの方に賞賛を浴びる本機だが、35mm判フルサイズセンサー搭載ながら5軸の手ブレ補正機能を兼ね合わせ、その恩恵はアダプターでの撮影においても有効だ。
近接での撮影をじっくり楽しむ上で、頼もしいことこの上ない相棒である。
流石は最短撮影距離0.27m。一眼レフ全盛の今の世の中では、その数値はありふれたものとなっているが、ライカレンズで撮影している点を鑑みれば賞賛に値する数値と言って良いのではないだろうか。勿論、その描写力も素晴らしいの一言に尽きる。開放から花弁の持つしっとりとした質感を見事に描き出してくれた。
1段絞り、さらにボディの設定をモノクロにして撮影した1枚。シャープネスが上がり、コントラストも高い為、被写体の印象をより強いものにしてくれる。実際にはかなり小さな被写体だが、端から端が収まりきらないその被写界深度にも驚きだ。
ボケは癖も少なく素直で扱いやすい印象を持った。
今回は鮮やかな華に重点を置いての撮影だったが、これなら多様な用途に用いることが出来そうだ。
RマウントのレンズはMマウントレンズと比較して、かなり値頃感が強い。
ライカというだけで高価なものを想像しがちだが、こちらは中古で10万円台前半で手に入るのだ。
「ライカレンズを使ってみたいが、なかなか手が出ない。」そう思っている方がいたら是非ご検討いただければと思う。
ライカには珍しいマクロレンズ、その写りは名前に恥じない、洗練されたものであった。
Photo By MAP CAMERA Staff