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SONY α7II × Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8

2015年03月31日

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

SONY-E BODY × M42 LENS

ボディ:SONY α7II

マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm/F2.8

カール・フリードリッヒ・ツァイスが顕微鏡の工房を現在のドイツ連邦チューリンゲン州イエナに開設しておよそ170年。いまやカメラを扱う多くの人々の憧れのブランドとしてその名を馳せる光学メーカー「Carl Zeiss」。 彼らは20世紀の前半から、光学製品のメーカーとして世界中にその活況ぶりを知らしめたが、第二次世界大戦によって状況は一変する。 祖国の敗戦と東西分断によりツァイスもまた「2つ」に分かれ、西側の「カール・ツァイス・オプトン」、東側の「カール・ツァイス・イエナ」としてそれぞれの道を辿ることとなる。 今回ご紹介する「Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8」は、その名の通り、「東」のツァイスで作られた銘玉のひとつだ。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8

ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

広角レンズを、スペック上の画角で使いたいこともあり、今回の撮影は「SONY α7II」で臨んだ。35mmフルサイズのセンサーもさることながら、ボディ内手ブレ補正の効きが素晴らしいことは周知の事実であろう。こうした「かつての財産」を有効に活用できるカメラシステムだからこそ、多くの人々から重宝されているのも頷ける。

冒頭の続きとなるが、戦後の「2つ」のツァイスもまた、「かつての財産」を有効に活用していた。戦後彼らは大戦からの復興とともに、それぞれ復活を遂げるが、大戦前の商標をどちらが使うかで争いとなっていった。双方での協議の結果、西側では西の「ツァイス・オプトン」が、また東側では「カール・ツァイス・イエナ」がそれぞれ「カール・ツァイス」を名乗ること、さらに、西側では東側のツァイスを「カールツァイス・イエナ」と、逆に東側では西側のツァイスを「ツァイス・オプトン」と呼び区別することを決定した。こうして彼らは、互いに過去の商標を使うことに合意したのだ。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

開放での撮影は、やや柔らかさと粗さがあるように思えたが、製造時期や技術力を考えれば十分とも捉えられる。ましてやオールドレンズとしてマウントアダプターで使うのなら、これはレンズの持つ「特徴」として好意的にとらえることが出来ると言えるのではないだろうか。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

今回の撮影では、冒頭のような広角も然ることながら、その最短距離にも重点をおいて撮影に臨んだ。「Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8」の最短撮影距離は19cmと、マクロレンズの如く近接撮影が楽しめる。画角も相まってその描写は非常にダイナミックなため、撮影していても飽きがこない。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

設計の上で非球面のガラスは使われていないのだが、広角レンズとしては歪みが少なく、直線をきちんと直線で表現してくれる。

今回の試写では「広角らしい風景」より、「街の中にある風景」を被写体として選んだのだが、現実の姿をそのまま残してくれるので非常に小気味良い撮影となった。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

20mmという広角レンズでありながら、持ち合わせた明るさはF2.8。 「α7II」のフルサイズセンサー恩恵との相乗効果で、なかなかの大きなボケが堪能できる。やや特徴的なボケ方だが、中心に被写体を置いたり、いかにも広角らしい構図を選べばよいアクセントとなるのではないだろうか。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8ボディ : SONY α7II / レンズ:Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8 / マウントアダプター:RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用

最後の1枚は2段絞ってF5.6での一枚。

諸収差がほとんど見られず、非常に素直な描写となった。これぞ広角、という被写体を撮影するのであれば、開放と多少絞った状態とを比較するのもまた、面白いかもしれない。

1990年のドイツ再統一により、東西に分かれたカール・ツァイスも統合の道を歩むことになる。経済システムの行き詰まりもあった東側の「カール・ツァイス・イエナ」は西側に吸収される形で消滅、創業地のイエナを離れ「カール・ツァイス・オプトン」が居を構えていた「オーバーコッヘン」へ移り住むこととなった。そして当然の如く“Jena”という名称も過去のものとなった。

しかしながら、M42のスクリューマウントを採用しており、様々なボディで描写が楽しめること、“ツァイス”と名の付くレンズの中では比較的安価で手にしやすい品であることなど、マウントアダプターで使うには格好のレンズだ。

今はなき「カール・ツァイス・イエナ」の技術者たちが丹精を込めたこの銘玉は、今も人々を楽しませてくれている。

SONY α7II+RAYQUAL MountAdapter M42レンズ/SONY Eボディ用+Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F2.8

Photo By MAP CAMERA Staff

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