EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
CANON-EF BODY × CONTAX RTS LENS
Canon EOS 6D × CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
CONTAX RTSレンズには、開放f1.4とf1.7という2種類のPlanar 50mmが存在する。どうしても明るい50mm/1.4のPlanarに目が行きがちではあるが、実はこちらのf1.7も、レンズ構成では1.4と同様に6群7枚の豪華な構成になっている。設計もこちらの方がやや新しく、安定して良い描写を得られるレンズとして好評である。
EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
外装は金属で施され、リングにはラバーが貼られている。見た目からは圧倒的高級感などは伺えないが、素材の恩恵もあってかレンズの質量は190gと非常に軽量だ。 今回のように小型のデジタル一眼に組み合わせるには、なかなか絶妙なバランスではないだろうか。
EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
近接での一枚、最短は0.6mとf1.4のものに比べてやや長いのだが、その分描写の安定性は抜群だ。先に述べた贅沢な構成と相まって、このレンズのアイデンティティを強烈に主張している。開放ながら、金属の質感をたしかに伝えてくれる描写に思わず唸ってしまった。
Canon EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
こちらはf2.8での撮影、多少なりとも絞り込むだけで、非常にシャープな絵を作り出してくれる。また、周辺部にいたるまで画質にも気になる点はほとんど無く、こちらにも無理の無いレンズ設計の恩恵が伺える。また、こちらは実はホワイトバランスをやや任意で変更して撮影している。このレンズが切り出す静かな情景が、やや冷ややかな色温度の世界感に合うと思ったが故の試みだったが、結果は吉と出たのではないだろうか。
EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
光源の亀甲型のボケが特徴的。標準50mmの画角ながら、強いボケの中に見る世界はまた異次元だ。
EOS6D + RAYQUAL-Adapter + CONTAX Planar 50mm/f1.7 MM
正直に言えば当初、1段も変わらない2種類のPlanarに、そこまでの差異があるのかは疑問であった今回の試写。50mm/f1.7の特徴をしっかりとレポートとして届けられるのか、些かの疑問を持ちながらいたのだが、使うほどにその懸念は杞憂だとわかった。それは、 常に安定して良い描写を描くことが、撮影者に与えてくれる恩恵がいかに大きいものかを改めて解らせてくれたからだ。
「明るさを追求する」という個性があるのならば、「安定性を追求する」というのも、また一つの個性ではないだろうか。標準と括ってしまえばそれまでだが、その中にも異なる個性を産み出したこの50mm、廉価版と呼ぶには惜しすぎる銘玉である。