CANON-EF BODY × CONTAX RTS LENS
ボディ:Canon EOS 6D
マウントアダプター:Rayqual Adapter
レンズ:CONTAX Sonnar 135mm F2.8 MM
筆者の偏見かもしれないが、135mmの単焦点レンズは万人に受け入れられる画角ではないかもしれない。当然、35mmや50mmのレンズに比べれば出番は少なく、被写体も限られてくる。ましてやMFレンズでは尚更ではないだろうか。
しかし、日頃使わない組み合わせで撮影を楽しめるのがアダプターの醍醐味だとすれば、なかなか陽の目を見ない135mmにも無限の可能性があるように感じられる。 今回は、そんなマウントアダプターならではの楽しみを求めて、望遠レンズでの撮影を試みた。
対をなすボディは世界最小クラスのフルサイズ一眼レフ、「Canon EOS 6D」。このボディでフルサイズセンサーデビュー、という方も多いのではないだろうか。高画質と大きなボケ味を、従来より一層手軽に楽しめる銘機だ。
小気味良い鮮やかな発色は、浪間の穏やかな海の情緒をより一層引き立ててくれる。開放での撮影だったが描写は中々にシャープな印象を受けた。
焦点距離故の被写界深度、フルサイズセンサーの恩恵などを生かせる被写体を求めた1枚。奥行きを感じさせてくれるので、非常に気持ちがいい。今回は撮影機会が無かったが、ポートレイトなどのあまりマウントアダプター撮影で用いない被写体でも効果的かもしれない。
撮影を進めるうえで、強く印象に残ったのが立体感の表現性の高さだった。大きい木片から風になびくか細い植物まで、こちらが望むものに見事に応えてくれる。被写体の大小を問わず鋭い切れ味で切り取ることが出来るのは、単焦点レンズならではの恩恵だろう。
逆光に近いシーンでも、皆様お馴染みのT*コーティングが無類の強さを発揮してくれる。この特性とEOSならではの色味とが相まって、秋から冬にかけての季節の移り変わりを鮮明に描くことが出来た。
これは撮影の帰路にふと思ったのだが、このレンズは驚くほど値頃感が強い。鋭い描写と優れたコーティング、これぞSonnarという感覚を気軽に楽しめるのだから嬉しい限りだ。
撮影に臨むうえで試験な要素が強かった今回の組み合わせ。結果的には自らの予想を遥かに上回る収穫があったように思う。普段の撮影において選択肢に入りにくいレンズの真価を再認識できる、マウントアダプター撮影の楽しさが、またひとつ見つかった1日となった。
Photo By MAP CAMERA Staff