SONY-E BODY × PENTAX-K LENS
ボディ:SONY α7II
マウントアダプター:KIPON MountAdapter PENTAX Kレンズ/SONY Eボディ用
レンズ:PENTAX SMC-A 50mm F1.2
今回マウントアダプターで使用したのは『PENTAX SMC-A 50mm F1.2 』。数あるペンタックスKマウントレンズの中で最も明るいレンズです。
日本初の一眼レフを製造したペンタックス(旧・旭光学)はカメラ開発のパイオニアとして革新的な技術とアイデアを取り入れてきたメーカーです。 時代がMFからAFへ、フィルムからデジタルへと変わるカメラ史の中でペンタックス最後のマニュアルフォーカスレンズとして生産されていたのが、この『SMC-A 50mm F1.2 』でした。
ペンタックスファンなら一度はその描写を試したいと思ったであろう本レンズ。最新のデジタル機・SONY α7II へアダプターを装着し、開放絞りでのスナップ撮影を試みました。
柔らかな描写と深いボケ味。今でこそ開放からシャープなレンズが多くありますが、解像力では表現できない独特の世界観が本レンズの写真にはあります。
本レンズはモノクロームとの相性も抜群です。絞り開放ではシビアなピント合わせが求められます。
硬い印象を受ける無機質な被写体でもどこか温かみを感じる描写です。
強い逆光を受け、柔らかいピントがさらにソフトになっています。この曖昧さがなんとも美しい一枚です。
普段目にしている光景も、このレンズを通すと別の景色に見えるかもしれません。
木漏れ日に少しフレアがかかり、まるで美しい星空のようです。
とろけるようなボケの中にある柔らかなピントの山。このレンズは撮る者の写真表現を広げてくれる一本です。
『PENTAX SMC-A 50mm F1.2 』の開放描写は実に美しいものでした。 柔らかさ・解像感・ボケ味が絶妙なバランスで成立しているレンズで、とても味わい深い写真にしてくれます。 柔らかな写りは「描写が甘い」など表現される事もありますが、本レンズは「Loose」ではなく「Sweet」という印象を受けました。
現在ペンタックスレンズをフルサイズデジタルで楽しむにはアダプターを使用するしか方法がありません。今回使用した『SONY α7II』はファインダーがEVFながら大変ピントの山が掴みやすいカメラです。レンズとの相性もよく、小柄なボディは町のスナップに最適でした。
アダプターの世界はレンズから入るか、ボディから入るか分かれる所ではありますが、この『PENTAX SMC-A 50mm F1.2 』はその双方にお勧めしたい銘レンズと思いました。
Photo By MAP CAMERA Staff