
SONY-E BODY × CONTAX RTS LENS
ボディ:SONY α7II
マウントアダプター:KIPON C/Y / SONY Eボディ用
レンズ:CONTAX Planar T*100mm F2 MM
言わずと知れた名玉揃いのCONTAX RTSレンズ。代表される50mmや85mmのPlanarは発売から40年経つ今も多くのカメラファンから絶大な支持を得ているレンズであり、他にMacro Planarという近接撮影用レンズも濃厚な色味とボケ味から非常に人気が高い。そんなCONTAX・Planarの中でも少しマイナーなレンズが存在する。それが今回ご紹介する『CONTAX Planar T*100mm F2 MM』だ。 中望遠域にPlanar 85mm F1.4というポートレートレンズの帝王が存在し、100mmにはMacro Planar 100mm F2.8というCONTAXファンなら必ず抑えておきたいレンズがある。そのため、『CONTAX Planar T*100mm F2 MM』はあまり大きく注目される事がなかったレンズだ。しかしPlanarという主役級の看板を背負っているレンズであることに間違いはない。流通量も少なく、なかなかその描写を見る機会もないレンズだが、今回はその希少な1本をマウントアダプターを介してSONY α7IIでの撮影を試みた。果たしてその描写性はいかがなものだろうか。

少し柔らかさを感じる描写性。しかし85m F1.4のようなフワリとした印象はなく開放からピント面に芯がある。それはファインダーを覗いた時にも感じることで、ピントの山が分かりやすくマニュアルフォーカスがしやすい。


さすがは100mm F2のボケ味。ピント面はしっかり解像し、アウトフォーカスに向かって滑らかなボケ味が楽しめる。優秀な写り味ながらクセは強くないため使いやすい印象だ。

2段絞っただけで驚くほどシャープな描写を見せてくれる。Planarの名は伊達ではない。



他のCONTAXレンズにも言える事だが、本レンズも光の拾い方が絶妙なのだ。当時は最先端の技術であったT*コーテングも、おそらく現代のレンズコーテング技術には敵わないだろう。しかし、CONTAXレンズが生み出す柔らかなフレアはネガティブな要素ではなく、写真として見た時に美しいと感じる事が出来る。 写真とは面白いもので数値を突き詰めるように設計された完全主義のCarl Zeissレンズでもウィークポイントのような弱い部分が存在する。しかしその弱い部分が写真として出た時、想像外の効果として人の美意識を刺激するのだ。


本レンズを一言で例えるなら『質実剛健』。美しい描写とボケ味の中に確かな安定感がある。クセ玉を例える「じゃじゃ馬」の様な要素は感じられず、ドッシリと構えた余裕のあるレンズという印象を受けた。85mmと比べても本レンズの方が優等生といった所だろうか、予想外より確実な仕事をしてくれるレンズである。しかしその描写はCONTAXレンズらしく繊細な美しさの中に奥深い味わいがある。『CONTAX Planar T*100mm F2 MM』間違えなくPlanarの名を引き継ぐ銘玉の1本であった。
Photo By MAP CAMERA Staff
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