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『FUJIFILM X-Pro3』で撮る現代のバブルボケレンズ『Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM』

『FUJIFILM X-Pro3』で撮る現代のバブルボケレンズ『Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM』

2022年08月25日

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

今回使用したレンズは、フォクトレンダー史上最高性能の標準レンズと謳われた『APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical』の対極にある製品というコンセプトで生み出された『HELIAR classic 50mm F1.5 VM』。その意味は、あえて収差を残し現代レンズにはないボケとフレアが出るように設計されたということ。

味わいを楽しめるオールドレンズにリスペクトした一本『HELIAR classic 50mm F1.5 VM』と『FUJIFILM X-Pro3』で撮り歩きをして参りました。ぜひご覧ください。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

夏も終わりを感じられるはずの8月半ば、連日の猛暑に少々参っていたので撮影の日は少しばかり暑さが和らいでくれればと淡い期待をしていましたが、この日の気温も30度超え。暑さ対策をしっかりとしながら、木陰の多い目的地に赴きました。

『HELIAR classic 50mm F1.5 VM』は設計がクラシカルということでノスタルジックな風景を撮ろうと思い立ち、和の夏をテーマにイベントを行っていたフラワーパークを訪れました。到着するやいなや、風鈴の涼し気な音が聞こえて吸い寄せられるように足を向けます。暑さと空模様に不安のある日だったせいか、先客はまばらです。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

園内にある池をのぞき込むと、沢山の鯉が見えました。池の縁に立っただけで、寄ってくる様子にいささか圧倒されつつもシャッターを切ります。F1.5の世界はふんわりと、ノスタルジックな空気感を表すような描写で被写体を描きます。この少し懐かしいような雰囲気を醸し出す「現代のオールドレンズ」と言っても過言ではありません。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

このフラワーパークには、手水舎があり龍神の周りが季節ごとに違う花で飾り付けられます。この時期はオレンジ色と黄色のひまわりで手水が埋め尽くされて、快活な龍神様になっていました。『HELIAR classic 50mm F1.5 VM』のボケ味はしっかりと被写体の芯があるので、ピントがはずれボケの描写になっている部分も被写体のシルエットが分かります。色乗りはVoigtlanderらしく、厚みを感じるようなこってりとした発色なのもあってFUJIFILM フィルムシミュレーションのクラシックネガととても相性がいいように感じました。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

可愛い小鳥を見つけてシャッターを切ってみると、取り込まれた光がグリッターのようにキラキラと描写されました。先ほどこのレンズのボケの話を少し書きましたが、もう1つボケの話をしておくとしたら輪郭のある綺麗な玉ボケが出るということ。こういった背景の光でさえ、ふわふわとした所謂「バブルボケ」っぽくなるのは個人的には非常に好みです。撮影を進めるにつれて、なんだかとても今日はオールドレンズを使っていたっけ?と錯覚するような感覚すらありました。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

遠目から見るとハイビスカスに見えたこのお花は「芙蓉(フヨウ)」という低木の花。ハイビスカスとは異なり、耐寒性があるお花だそうで日本でも外で育つそうです。まるで南国の花のように真っ赤な「芙蓉(フヨウ)」の花を撮影すると、残る収差が周りをぼかしピントが合った被写体を引き立てます。花の縁には程よい色収差が出て、写りをノスタルジックに演出する色滲みを感じます。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:ACROS
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

FUJIFILMフィルムシミュレーションをACROSにしてレトロな雰囲気の橋をモノクロで撮影してみました。

いつもどおり通り過ぎようとしてしまったバロック建築式の橋灯がある大きな橋。バロック建築は、デザインが作る光と影が素晴らしく芸術と建築が融合した時代の建築物を差します。前期であるルネサンス様式と比べると直線が少なく、曲線を中心にデザインされているのが特徴です。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:250 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200 / フィルムシミュレーション:クラシックネガ
使用機材:FUJIFILM X-Pro3 + HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

暑い夏の日の池は、涼んでいるのか鳥が沢山きていました。ピントが合っている部分は比較的クリアな描写になるので、ぼけているグリーンが被写体の鳥を引き立て気持ち良く柔らかで絨毯のようなボケ味。『FUJIFILM X-Pro3』の色再現とフィルムシミュレーション、『Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM』のクラシックな写りがあるからこその、コントラストがしっかりとしながらも過度ではない明瞭度をもった1枚が撮れます。

 


 

他のスタッフと相談して、このカメラに合うレンズは何かという話からレンズ選びが始まりました。『FUJIFILM X-Pro3』を使うということで、クラシックな見た目のレンズのなかから『Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM』を選んでつけてみると何ともかっこいい姿。私の持論ですが、カメラは持ち歩くものだから見た目も気に入ったものを持ち歩きたい。このカメラとレンズの組み合わせの見た目にすっかり気に入ってしまったこともあり、楽しんで撮影することができました。

写りも見た目も丁度良いクラシック。収差残りが暴れすぎず、絶妙なバランスのF1.5「現代に生まれたオールドレンズ」です。そのクラシックレンズとFUJIFILMのフィルムシミュレーションの組み合わせができると想像しただけで楽しいと思いませんか。ぜひ、みなさまも、体験してみてください。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

 

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