■キヤノンの最新技術が結集したEOS一桁の登場

2009年10月2日に発売になったEOS 7Dは、同クラス最高峰の約1800万画素を実現するとともに、秒間約8コマの連写性能を実現し、高画質と速写性が非常に高いレベルで結晶しています。また、視野率約100%、倍率約1.0倍の光学ファインダーや、動画撮影機能などの最新技術を惜しみなく投入するとともに、各所で貪欲に使い勝手の向上が図られています。最新技術が結集したこのカメラからは本物の「進化」ともいうべきものを感じさせてくれます。

まずそれは、最初に触れた持ちごたえから、今までの中級機との「違い」として感じられました。握った時の手から伝わる剛性感と構えた時の安定感からはEOS -1D系のプロ機にもまったく引けをとらない道具としての安心感が伝わってきます。また外観は一つの塊のように曲線で構成され、往年の名機T90を彷彿とさせます。このいわば超流体デザインとEOS-1Dシリーズと同じ梨地の塗装からは、EOSの流れを受け継ぎつつもEOS一桁としての確固とした存在感が放たれています。

■冴え渡る画質と速写性の両立

「連写は速いに越したことは無い。」そんなことを感じさせるのがEOS 7Dの秒間8コマの連写性能。動く物やブラケットを使って撮影する際、この速さは十二分に重宝します。ミラーショックも少なく、1コマ1コマの間にほとんどブレの無い精度の高い連続写真を撮ることが可能です。

また、進化したAIサーボAEIIにより、花などのわずかな動きにも細やかにAFが追従してくれます。明るいF値を持った単焦点レンズの浅い被写界深度を生かした撮影も強力にサポートしてくれました。

画質面においても、抜けの良い立体感のある絵作りは絶妙です。肉眼では捉えられない遠方の被写体の細部まで、かっちりと写し出す高い解像力も相まって、目の前の風景が見た目以上のダイナミズムをたたえた印象の写真となって写し出されてくるのです。

■視野率100％ファインダーと卓越したAFシステム

EOS 7Dで一番良くなったと言っても過言ではないのが視野率約100%、倍率約1.0倍のファインダーです。肉眼で見ていた光景がそのまま眼前に広がる心地良さがあり、自然に目の前の風景を切り取り撮影することができました。また、EOS 7Dでは19点のAFポイントが全てクロスセンサーとなり、どのポイントを使用しても同じように精度の高い快適なAFが行えます。さらに特筆すべきは、そのAFポイントがファインダー内に広範囲に配置してあるので、自由な構図決めがより快適になっていることです。ピント合わせの方法も、多彩なAFエリアの選択方法から選ぶことができ、撮影状況に合わせた柔軟性も向上しています。

また、ファインダー内にはスクリーンを交換することなくグリッドラインを表示することができる他、電子水準器を表示させることも可能。水平とあおりに対応したこの水準器表示機能のおかげで、撮影の流れを妨げることもなく、ワンアクションで簡単に水平の精度を上げることができました。この水準器表示はシャッターボタンの隣にある「M-Fn（マルチファンクション）」ボタンで必要な時だけ呼び出すことができます。ファインダーをのぞきながら、水平が気になる時だけワンタッチで表示させることができ、とても気の利いた機能に仕上がっていました。

■自由度が広がった動画撮影機能

EOS 7Dは新たに設置されたカメラ背面の専用ボタン（ライブビュー切り替え併用）で動画撮影も簡単にスタンバイに移ることができます。フルHD画質の設定ではフレームレートを30pの他、映画と同じ24ｐの設定も新たに可能です。さらに、HD画質では60pの設定がされていて動体も滑らかに写し出すことができます。マニュアル露出やステレオミニジャックの装備など、動画クリエイターの要望に応えられるよう、さらに動画撮影の自由度が広がりました。

■作例

(元画像を50%に縮小）

使用レンズ:EF 50mm F1.4 USM / SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO

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Canon EF-S18-200mm F3.5-5.6 ISで撮影したキヤノン EOS 7D ファーストインプレッションも併せてご覧ください。