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【タイムズフォト】フォマパン400とケントメア400 ダークレスで試す従来型モノクロフィルム

「写真好き」なつもりの私ですが、
あらためて「写真好き」なのか「カメラ好き」なのかと問われるとちょっとわからなくなってきます。

写真を撮るのは何よりも楽しく、最近では現像という新たな楽しみも見つけたわけですが、
カメラやレンズを見るのもやはり楽しいのです。

念願のレンズを入手し、「よーしこれからは(カメラやレンズのことなんか考えないで)撮りまくるぞ」と思っても、
心のどこかで次に買うべきカメラやレンズに思いをはせている自分に気付いたりします。
うーむ「沼」とはよく言ったものです。

さて私のダークレス熱ですが、まだまだ冷めてはおりません!
1本撮ってその夜にささっと現像、余裕があればそのままスキャンというサイクルが
日常生活にピタッとフィットしてちょっと止めるきっかけを作れません。

おかげでダークレスの現像手順も(私なりに)洗練されてきて、だいたいミスなくできるようになってきました。

さて今回はまた新たなフィルムにチャレンジ。
「ヨーロッパ発トラディショナルタイプフィルム、フォマパン400actionとケントメア400」です。


Kentmere400(上)とFOMAPAN400action(下)

前回、前々回と試してみたコダックT-MAX、イルフォードDELTAは「微粒子」と「高感度」を両立した新世代高性能フィルム。
たしかに使いやすい高感度でありながら微粒子でシャープ。とても気持ちのよいフィルムでした。

しかしシャープで滑らかであれば良い写真というわけではないのだ、
という事に気づいてしまった私としては湧き上がる好奇心を抑えることは出来ません。
「トラディショナルタイプ」のモノクロフィルムの描写をみるべく、いろいろ試してみました。

まずは東欧はチェコ製のモノクロフィルム フォマパン400action
ブルーとグレーのなかなかかっこいいパッケージ。
撮影地はいつもの新宿ではなく、新幹線が真下を貫通する神社のある東京都北区赤羽。
まだ陽の高い日中です。

ダークレス現像時間は3分45秒。これはネオパンプレスト400が3分45秒くらいでちょうど良かったので、
トラディショナルタイプはそれに合わせて3分45秒にしています。
(新世代微粒子系はT-MAX400の5分を基準にしています。)

現像は滞りなく終了。早速スキャンしてみると・・


Canon IIs改 / SERENAR 35mmf3.2 フォマパン400action
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon IIs改 / SERENAR 35mmf3.2 フォマパン400action
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon IIs改 / SERENAR 35mmf3.2 フォマパン400action
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon IIs改 / SERENAR 35mmf3.2 フォマパン400action
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon IIs改 / Ultron 28mmf1.9 フォマパン400action
ダークレス現像(3分30秒) EPSON GT-X770でスキャン

おおっと、なんだかコントラストが高いです。
これはこれで悪くはないけど、現像時間長すぎたかな?そう思って2本目は3分30秒で。
やっぱりコントラストが高いです。しかし力強くてシャープではあります。
使ったことはありませんが、赤外フィルムってこんな感じでしょうか?
ポートレイトやお花の写真には向かないかもしれませんが
建築物のような被写体には良いかもしれません。

お次は英国製ケントメア400。
ずいぶんとあっさりしたパッケージ。

撮影地は久々に新宿御苑へ。
空が高く秋めいた午後です。少しひんやりとした空気が気持ちいい。


Canon 7s / Canon 50mmf1.4 ケントメア400
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon 7s / Canon 50mmf1.4 ケントメア400
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon 7s / Canon 50mmf1.4 ケントメア400
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon 7s / Canon 50mmf1.4 ケントメア400
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン

こちらはダークレス現像時間4分30秒で。
あれっ?結構いいぞ。少し柔らかい感じでラチチュードが広い。
なんだか「トラディショナルタイプ」というよりも「新世代微粒子系」的なシャープさです。そうDELTA400のような。

遠景の葉っぱの先端までシャープに描写していて、
しかしながらよく見ると空の部分など適度な粒状感もあってとてもいい感じです。
これは気に入りました。

ほかにもトラディショナルタイプと言うことでアグファのAPX100とイルフォードのHP5PLUS400も試してみました。


Canon VIL / Canon 50mmf1.4 AGFA APX100
ダークレス現像(5分30秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon VIL / Canon 50mmf1.4 イルフォードHP5PLUS 400
ダークレス現像(4分20秒) EPSON GT-X770でスキャン

共にザラッとした風合いでいかにも「トラディショナルタイプ」と言う感じ。

やはり印象に残ったのはケントメア400のシャープさと適度な粒状感、
フォマパン400actionのコントラストが高く力強い描写。

モノクロフィルムは奥が深い!
フィルムの銘柄によってこれだけの違いがあるとは思ってもみませんでした。
自分で現像するようになったからこその楽しみです。(まあ、あくまでも「ダークレス」との組み合わせにおいて、ですが。)

いろいろやってみて、私なりに身に着けた
「ダークレス現像、上手にやるためのポイント」を掲載させていただきます。
(あくまでも「私の場合」です)

基本的には説明書通りでOKなのですが、

・タンクは必ず二つ用意!現像液用と定着液用を分けて、現像→定着の切替えをすばやく作業しましょう。(A)
・ベロは3mmくらい出して山折りし固定。このほうが巻き締め緩めとも確実に出来ます。(B~G)
(フジ以外の場合。フジはそのままで大丈夫なようです。)
ただしこれをやるとスプールにかかる負担は確実に増大するので回転には細心のご注意を!
・現像、定着中の巻き締め、緩めは最大の集中力を持って作業しましょう。
ちょっとでも重みを感じたら無理に回さないで巻き締め中なら緩め、緩め中なら巻き締めへ。
・現像中も定着中も1分半に1回くらい、さかさまにして液をゆきわたらせる。
液が漏れると手がすべるので漏らさないようふたを強くおさえましょう。(H)
・現像タンクからのフィルム抜きとりは焦りポイント。抜きとり用ペンチを用意しましょう。(I)
・水洗い用バットはなるべく大きな物を。バットが小さいとフィルムに傷をつける可能性大。
・水滴とり用スポンジは2つ用意を。一つだと余計な力が入ってフィルムに傷をつけやすい気がします。

慣れさえすれば手軽でカンタン、成功率も高いダークレス現像。
モノクロの入り口としてはとても良いと思います。(廃液も微量しか出ませんし。)
「現像やってみたいな」と思われた方はぜひチャレンジを。ホントにオススメです。

お気に入りのカメラでじっくり撮った写真、
手をかけ、ゆっくりと愛でながら自分なりの「絵」に仕上げる。
これぞスローフォト。
フィルム写真は死なず、未だ消え去りもしない です!

・・実は新しいカメラ手に入れまして・・
試し撮りしてダークレスで現像するぞっ!と思っていたら36枚撮れてしまいました。
装填する時に24枚相当に短くするのを忘れていたようです。

というわけで!次回は「ダークレスで36枚撮りの現像に挑戦」です。

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[ Category:etc. | 掲載日時:11年10月07日 10時54分 ]

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