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モノクロで対決!アクロス VS プロビア、T-MAX VS BW400CN



最近しばらくモノクロでばかり撮っていたのですが、ひさびさにカラーで撮ると驚く事が多いです。
「あれっ!このカラーネガフィルムこんなにシャープだったっけ?」とか。
「どういう色調にしたらいいのかわからない・・・。モノクロはその点楽だなあ」など。

フィルムで撮るようになってから、主にカラーネガフィルム、時々リバーサルフィルムを使ってきた私。
モノクロ画像にしたいな、という時はスキャンしたフィルムの画像をGEKKO DIなどの変換ソフトでモノクロに変換したり、
またはC-41(カラーネガ現像)処理のモノクロネガフィルムKodak BW400CNやILFORD XP2superを使ったりしていました。

最近はほぼモノクロネガ一辺倒なわけですが、いろいろなモノクロフィルムの描写の違いを楽しんでいると
「そういえばカラーフィルムからのモノクロ変換やC-41処理モノクロもそれぞれ違いがあってなかなか面白かったよな」と思い出したりします。

そこで今回はモノクロ画像のベースとしての、カラーフィルムと純粋モノクロフィルムとの描写比較をしてみようと思います。

対決その1 フジフイルム シャープネス対決!
ネオパンアクロス VS プロビア100F


フィルムで撮り始めた頃、私のお気に入りだったのが、ネガなら「コダック エクター100」リバーサルなら「フジ トレビ100C」。
ともに粒状性にすぐれたシャープなフィルムです。
その精緻な描写で写真がうまくなったようないい気分にさせてくれたものでした。
モノクロに変換してもそのシャープさはかわらず、その美しさで当時の私にとっては「これぞ写真の醍醐味」ともいうべき存在でした。

残念ながら「トレビ100C」はなくなってしまったのですが、その兄貴分であるプロビア100F 通称「RDPIII」は今もフジリバーサルフィルムのエースとして君臨しています。
このプロビア100Fとモノクロネガフィルムで同じ被写体を撮って、
リバーサルフィルム→モノクロ変換と純粋モノクロフィルムとでは出てくる画像にどのような違いがあるのか比較してみようと思います。

LEICA M5 / SERENER35mmf3.2にリバーサルのプロビア100Fを、
Canon 7s / Canon35mmf2.8にモノクロのネオパンアクロス100を装填。
今回の撮影地は東京都北区王子駅周辺。
新幹線・埼京線・宇都宮線・高崎線のガードを都電荒川線がくぐるというシチュエーションです。


左 Canon 7s / Canon 35mmf2.8 ネオパンACROS100
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン

右 LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 フジクロームPROVIA100F
EPSON GT-X770でスキャン ピクトリコ GEKKO DIでモノクロ変換

都電の走る明治通り沿いに再現された渓谷「音無親水公園」の木造橋。
同一メーカーのガウス型35mm同士とはいえ完全に同じレンズというわけではないので
厳密な比較にはならないかもしれませんが、ラチチュードはアクロスのほうが広いようです。
見た感じのシャープさもアクロスのほうが上。
ただメリハリがあるのはプロビアのほう。
「立体的」なプロビアに対して、細密ではありますが平坦な印象のアクロスは、細かく描きこまれた「スケッチ」のようです。


Canon 7s / Canon 35mmf2.8 ネオパンACROS100
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 フジクロームPROVIA100F
EPSON GT-X770でスキャン ピクトリコ GEKKO DIでモノクロ変換

王子駅のガードをくぐる都電荒川線。
ドーンと落ち込んだシャドウと白とび寸前のハイライト、ある意味ドラマチックなハイコントラストのプロビア100Fに対して、
レンズで拾ったすべてをきちんと表現するかのようなアクロスの描写。
そして大きく違うのが全体の「粒状感」。
空の部分などアクロスのほうは「細かい粒子の集合体である」ことを感じさせるザラつき感があるのに対し、
プロビアにそれはなく、つるんとして一種の光沢感すら感じさせます。
ともにシャープなフィルムですがシャープさの方向が違う感じ。

そして現像の上りを見てまっさきに感じたのが、露出に対する許容量の違い。
プロビアが特にオーバー露出に対して厳しくダメ出しをしてくるのに対し、
アクロスのほうはやさしくどこまでもつきあってくれる感じ。リバーサルの露出はやはり難しい。


Canon 7s / Canon 35mmf2.8 ネオパンACROS100
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 フジクロームPROVIA100F
EPSON GT-X770でスキャン ピクトリコ GEKKO DIでモノクロ変換

王子駅プラットホームから見える建物。
シャープさ、精密感はアクロスですが立体感は完全にプロビアです。

写真らしいメリハリと立体感のあるプロビアのモノクロ画像と、レンズに入る光を平均化して再構築したかのような絵画的なアクロスのモノクロ画像。
どちらが良い悪いではなく、表現したいモチーフによって使い分けるべき違いのように感じました。
たとえば風景などを目に見える以上にドラマチックに立体的に表現するならプロビアからのモノクロ変換、
目前のモチーフを余すところなく正確に記録、描写したいならアクロスなど。


対決その2 コダック常用モノクロフィルム対決!T-MAX400 VS BW400CN

ちょうど去年の今頃、モノクロで撮らなければならない機会があり、たまたま自宅に転がっていたのを何の気なしに使ってみて、
そのシャープさ緻密さに驚いたコダックのC-41(カラーネガ)処理モノクロフィルム、BW400CN。
思えばこの「フィルム写真は・・」シリーズをはじめるきっかけとなったフィルムでした。

そして今年の夏、おぼえたてのダークレスで失敗しそうになりながら現像し、その写りの良さに衝撃を受け、モノクロ自家現像のモチベーションとなったフィルムT-MAX400。
私に強い印象を残したこのコダックの2種類のモノクロフィルムも同一の被写体で比較してみようと思います。

M5にNikkor H.C5cmf2を装着。同一のボディ、レンズを使って、2日にわけての撮影です。撮影地は新宿駅の周辺と地下道。


LEICA M5 /Nikkor H.C5cmf2 Kodak T-MAX400
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 /Nikkor H.C5cmf2 Kodak BW400CN
C-41現像 EPSON GT-X770でスキャン

花屋さんの店先に並ぶハロウィンの置物。
絞り値など完全には一緒ではないのですが、コントラストにプロビアとアクロスの時のような大きな差はないようです。
幾分BW400CNのほうがラチチュードが広いかもしれません。そしてどちらもピントの来ている部分は素晴らしいシャープネス。


LEICA M5 /Nikkor H.C5cmf2 Kodak T-MAX400
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 /Nikkor H.C5cmf2 Kodak BW400CN
C-41現像 EPSON GT-X770でスキャン

2つのフィルムの最大の違いはやはり粒状感。
銀塩写真が粒子のかたまりであるということを明快に示すT-MAX400のモノクロ画像。
その粒状感がシャープで現実的な印象をさらに強いものにしています。
それに対し、粒状感を感じさせないBW400CNのモノクロ画像はシャープでクリアでありながらどこかつるりとしています。
ラチチュードも広く、とても美しいのですがとらえどころのない、ちょっと夢のような感じ。
夢の世界を描くならBW400CN、現実を暴くならT-MAX400といったところでしょうか?


左 LEICA M5 /Nikkor H.C5cmf2 Kodak BW400CN
C-41現像 EPSON GT-X770でスキャン

右 LEICA M5 /Nikkor H.C5cmf2 Kodak T-MAX400
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン


ダークレス現像をはじめて、様々なモノクロフィルムを使用してみては
「あちらはコントラストが高すぎ」とか、「こちらは粒状感が強い」などと比較してきたわけですが
「フィルムでモノクロ画像を作る」ということが目的なのであれば、選択肢は一気に広がります。
カラーフィルムからのモノクロ変換もまたモノクロ表現の一つとして楽しめそう。


左 LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 フジクロームPROVIA100F
EPSON GT-X770でスキャン

右 Canon 7s / Canon 35mmf2.8 ネオパンACROS100
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


Canon 7s / Canon 35mmf2.8 ネオパンACROS100
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 フジクロームPROVIA100F
EPSON GT-X770でスキャン ピクトリコ GEKKO DIでモノクロ変換

長い年月を経たカメラ・レンズの魅力を引き出してくれる最新のフィルムたち。
レンズグルメならぬフィルムグルメとでも言えそうな楽しみもそこにはあるようです。

銀塩写真の世界にはまだまだ多くの未知の領域がありそう。
フィルム写真は死なず、未だ消え去りもしない です!

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written by パウセカムイ
この記事のカテゴリーは『文と写真』です | この記事は2011年11月11日現在の情報です。


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