FUJIFILM Xシリーズ。フジフィルムのハイエンド・ラインとしてすっかり定着したブランドですが、今回そのラインを率いるフラッグシップ・モデルが発表されました。『FUJIFILM X-Pro1』。まずはその描写、ぜひご覧いただければと思います。
『X100』で話題をさらった光学と電子のハイブリッドファインダー。透視式の光学ファインダーに様々な情報が刻々と映し出される様は、何度見ても驚くべき映像体験です。本機は更に、交換レンズに対応した変倍機能をプラス。 広角レンズでは自動的にファインダー倍率を下げ、視野の確保をしやすくしています。
では、肝心のその描写はどうなのか。『XF35mmF1.4 R』、ご覧ください。 フワリと背景に溶けるようなボケ、被写体の立ち上がり。描写力には定評のあるFUJINON-Lensですが、さすがの描写です。
広角35mm版換算で27mmの広角ながら、開放F2を実現した大口径広角レンズ『XF18mmF2 R』。描写は破綻無く、力強さを感じさせる描写。使用時のボディバランスも良く、焦点距離ともあいまって日常スナップに重宝するレンズとなっています。
大口径のレンズラインナップを生かした、前ボケを意識した撮影ではEVFが活躍します。一眼レフの精緻さと、レンジファインダーの軽快さを併せ持つ『X-Pro1』だからこそ味わえる撮影のリズムです。
『XF60mmF2.4 R Macro』、35mm版換算91mmの焦点距離の中望遠レンズですが、このレンズは抜群の切味!合焦面のシャープさが抜群に良いレンズの為、前ボケ、後ろボケがとても美しく再現されます。
暗部描写もコントラストが柔らかいおかげで、美しく再現されています。メタルの質感、ペイントの手触りまでも再現されているようです。
35mmは絞り開放でもこの解像感。質感描写も素晴らしく、開放から十分に使用できます。
開放が明るいレンズの恩恵は、暗い中でこそ発揮されます!更に高感度に強いFUJIFILMのセンサーと相まって、夜間の手持ち撮影でも自由度が格段にアップ。被写界深度の浅い独特の描写も魅力です。
近接撮影はEVFで。X-Pro1の3本の交換レンズはどれも非常にピントがつかみやすく、拡大せずとも液晶上でかなりの確立でピントをつかむ事が出来ました。マニュアルフォーカスで追い込んでいくのも、これはなかなかオススメです。
ローパスフィルターが無い高解像感は素晴らしいものですが、モアレの発生も今回の撮影では皆無でした。意地悪く金網、ヘアライン加工された金属板、その他を撮影しましたがどれも大丈夫。ただ背面液晶で見ていると、縮小表示でモアレに見える事がありました。拡大すれば問題無し。これは液晶解像度との関係なので、しっかり見てあげてください。
マニュアル操作の分かりやすさ、使いこなしやすさを取り入れつつ、内部機構に斬新な最新技術を投入した『X-Pro1』。決して懐古趣味とは言えないその完成度、抜群の描写を誇るFUJINONレンズ群、ぜひ実際に使っていただきたいと思います。
Photo by MAP CAMERA Staff