Nikonのフラッグシップモデルが待望のモデルチェンジを果たしました。今年1月の「D4」の発表以降、翌月にはさらに高画素に特化した「D800」の発表があり、少し陰の薄くなった感もありましたが、実際に手にしてみると「やっぱりD一桁機種は良くできているな…」と素直に感じさせる完成度の高さです。
シャッターを切って驚いたのが背面液晶に映し出された綺麗な画像です。内面反射を抑えるべくガラスとパネルを一体構造化した液晶モニターは、コントラストが高くとてもクリアーで、今までのモデルとは明らかに違うと感じました。目にも鮮やかな赤を見たときは、ピクチャーコントロール設定を変更したのかと感じたほどです。一見、3.0型から3.2型へのサイズアップだけかと思われがちですが、色再現性が向上した液晶モニターの進化は見逃せません。
D3譲りの高感度域での安定した画質も健在です。ノイズの混入がよく抑えられており、ISO 3200位までであれば全く気になりません。12800でも十分な画質で、シャッタースピードを稼ぎたい時には安心して使用できます。また低感度側で100が使えるようになったのも嬉しい進化です。肉眼では画質の差は感じられませんでしたが、使えるシャッタースピードの選択範囲が広がることは、とても大きなメリットです。
高精細ながら大きすぎず編集しやすい画像サイズ、驚愕の高速性能と使いやすい操作性はとてもバランスが良く、その堅牢性も相まって安心して使えるカメラです。「報道のニコン」と呼ばれた所以がよみがえってくる感じがしました。他にも動画機能の強化など幅広い魅力を備えています。使って感じる「さすがフラッグシップ機」という感触がこのモデルの最大の魅力だと感じました。刷新が進む豊富なニッコールレンズ群と併せて、ぜひその魅力を感じてください。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D4 + AF-S 24-70mm F2.8G ED