使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
2024年9月19日にニコンZマウント用の超望遠ズームレンズ「TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD」が発売されました。先だってソニーEマウント用が発売され好評を博していましたので、ニコンZユーザーにとっては待望の発売と言えるでしょう。
タムロンといえば高倍率ズームレンズという分野において抜きん出た存在です。この50mmスタートのレンズも8倍ズームです。大きく重くなってもやむを得ないとも思われる中、長さ185.8mm、重さ1180gとこのクラスとしては画期的な小型・軽量を実現しています。そして表現にも妥協はなく、特殊硝材を効果的に配置したことで、描写力においてもその実力を大いに見せつけます。タムロンが本レンズを「高倍率ズームレンズ」ではなく「超望遠ズームレンズ」にカテゴライズしているのは、超望遠域へのこだわりと妥協のなさの表れです。
最新のレンズには最新のボディがいいと確信し、2か月前に発売されたばかりの「Nikon Z6III」と組み合わせて撮影してきました。その写りをどうぞご覧ください。
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
スケートボードは被写体としてよく選ぶので、見ているとトライしたくなります。次こそやってみよう!と毎回思うのですが、撮ってお終いでそれ以上進まないのがお決まりです。
プッシュするところからオーリーをメイクするところまで、しっかりとAFが被写体に食らいつき続けてくれました。今回使用して最も印象的だったもののひとつがこのAFで、素早く合焦してしっかり追い続けてくれました。
本レンズのF値は大きめですが、今回のような室内での動きものの撮影であっても見事にこなせるのです。
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
逆光で輝く葉に虫食いの穴がありワンポイントになっています。合焦点のシャープな写りと奥にある花が大きく溶けているボケ味が特徴的です。
本レンズの最短撮影距離は広角端の25cmとなり、ハーフマクロとして大きく写すことができます。こちらは望遠端で1:4倍での撮影です。
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
高い場所から下界の景色を撮影。かなり離れた場所から、その特徴的なテント群を引き寄せて捉えることができました。テントのシワまで解像しており、本レンズの描写性能の高さが伺えます。
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
白枠の窓ガラスに空と雲が映っているのに惹かれて撮った一枚。最初は雲にピントを合わせて、続いては白枠に合わせてまた一枚。前者もよかったのですが、壁の木目が実にカッチリと写っているのが気に入ったのでこちらを採用しました。
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
陽が落ちてきました。空が得も言われぬ色に染まる中、遠景を撮りました。色づいた雲を主役にしたつもりが、後で見てみるとクレーンにかかる極めて細いワイヤーまで見事に解像していて驚きました。ビルのシルエットも微妙な陰影がついていて、質感が伝わってきます。
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
使用機材:Nikon Z6III + TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
歩道橋から手持ちで撮った一枚。カメラを置ける手すりでもあったらよかったのですが、なかったとしてもタムロン独自開発の強力な手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)が搭載されているので、問題なく撮影することができます。見たままの景色を写し取ることができました。
機動力までも享有したオールマイティーレンズ
いわゆるフルサイズと言われるFXフォーマットで「標準域から超望遠域まで」「身軽に」「スムーズに」撮ることができるというのは唯一無二の存在です。括弧をつけたポイントすべてを満たすことが、本レンズのアイデンティティです。焦点距離が注目されがちですが、それは他の要素があってさらに活きるもの。その総合力の高さが本レンズの最大の魅力なのです。まさにオールマイティーなレンズと言えるでしょう。新しい撮影スタイルを見出せる、世界が広がるレンズです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff