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SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:159mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:800 / 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS

SONY (ソニー) α9  ILCE-9

『α9』海外発表は衝撃的でした。以前よりα7系の最上位機種はネット上の噂として存在していましたが、電撃発表された機種はα7シリーズではなく『α9』という全く新しいカメラだということ。そしてフルサイズRAW書き出しで秒間20コマ連写という今までの常識では考えられない技術が投入されていること。さらに付け加えるなら、EVFなのに連写時のブラックアウトは無しで全て無音シャッターで切れるというのだから、もう大変です。完全に未来から来たようなこのカメラが「いつか市販化したいコンセプトモデル」ならわかりますが、この2017年5月という早い段階で発売されるとは思いませんでした。今回のKasyapaはそのソニーαの最新機種『α9』をご紹介いたします。

なぜこのカメラだけ超高速連写が可能なのか、その秘密は撮影したデータを高速処理できる“メモリー内蔵35mmフルサイズ積層型CMOSセンサー”にあります。 実はこの積層型CMOSは1インチサイズの物がRX100M4から搭載されており、その恩恵としてRX系では高感度性能の向上やスーパースローモーションが可能になりました。そして今回、そのセンサー技術を発展させフルサイズ化させたものが『α9』に搭載されているのです。さらに『α9』ではAFシステムも大幅に進化、ついに位相差AF測距が693点という目を疑うような数になっています。そんなカメラの最先端技術を惜しげも無く注ぎ込んだ『α9』、今回は少し気合の入る撮影になりそうです。では、いってみましょう。

まずは1カット目のパワースライドさせてタイヤから白煙を上げるモトクロスバイク(CRF450でしょうか)から。フルサイズの高速連写機で2400万画素は最上位のスペックということもあり、緻密に描写する解像感が素晴らしいです。また、今回は『α9』の撮影性能を100%出せるようにと、24-70と70-200の2本のGMレンズを使用したのですが、凄まじくよく写るレンズだということも再認識することもできました。

SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:70mm / 絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α9 + FE 24-70mm F2.8 GM


動体撮影に特化した『α9』ですが、それは後からのお楽しみに取っておいて、港町のスナップからスタートです。訪れた時はちょうど大型客船が停泊しており、みなさんカメラやスマホを片手に眺めていました。ピントを奥の客船に合わせたのですが、距離があるにもかかわらずその解像感に驚きます。解像感はレンズ・センサー・画像処理エンジンの全てで担っているので、『α9』に搭載されている新型の積層型CMOSが優れた性能だとも言えます。手前と奥で明暗差が出るシーンだったのですが、シャドウは潰れず、ハイライトも白飛びしない、粘りのある表現です。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:69mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α9 + FE 24-70mm F2.8 GM


客船を眺める女性をスナップした一枚。少しハイキーで撮影したのですが、非常にいい感じです。この階調表現、個人的にとても好みです。センサーのポテンシャルが低いと、ただの白っぽい写真になってしまうのですが、2枚目の写真でも書いたように『α9』の写りには粘りがあります。この階調の“感じ”は以前中判デジタル機で撮影したものと非常に似ているなと思いました。優れたダイナミックレンジを持つ機種にしか出せない表現です。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:70mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:使用機材:SONY α9 + FE 24-70mm F2.8 GM


白いラインを強調したいと思い、すこしコントラストを上げたモノクロームに。ちょうど3人の少女が駆け下りてきたタイミングでシャッターを切りました。もうちょっと左前から降りてくれれば、と思ったのですが、そこがスナップの難しいところであり、面白いところです。『α9』はほぼα7IIシリーズと変わらないサイズですから、スナップ撮影にも◎。また、無音シャッターで連写ができるのもスナップには強い味方です。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:189mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS


SONY (ソニー) α9  ILCE-9

初めて『α9』で無音の連写撮影をした時は驚きました。「え?これで撮れてるの??」という不思議な感覚なのです。例えば写真を撮るシーンをマンガで書いた場合、「カシャ!」とか「パシャ!」という音で表現すると思います。それはシャッターが動いた時の駆動音、また一眼レフのミラーがパタンと上り下りした音が混じり合って生まれた音なのですが、この『α9』のシャッターは音も振動も何もない。その理由として『α9』の秒間20コマという高速連写を実現させるために電子シャッターを使用しているからなのですが、正直、今までのカメラの電子シャッターは歪んで動体撮影には向かないというのが通説でした。その歪みはローリングシャッター現象と呼ばれているもので、例えば、書類をコピー中にその原稿を動かすと出力された画がグニャリと歪むと思いますが、それと似た現象が写真でも起こるのです。その欠点を『α9』は積層型CMOSによる高速処理能力を使って解決しました。
そうなると連写性能は、機械的な駆動速度の限界ではなく、画像処理速度の限界に考えが変わります。今まで機械的な仕組みで実現してきた他フラッグシップ機の連写速度を、ミラーレス機である『α9』は完全なデジタル技術で超えてきたのです。また、高速処理が出来るがゆえにシャッター時のブラックアウトもなくなり、「無音・無振動・ブラックアウトフリー」という異次元の性能を手に入れました。これはお世辞ではなく、本当に「カメラの歴史が変わる瞬間」だと私は感じました。
(※電子シャッターの話をメインにしましたが、α9は機械式シャッターの使用もできます)


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:46mm / 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:320/ 使用機材:SONY α9 + FE 24-70mm F2.8 GM


さぁ、『α9』の真の実力を確かめるべく、電子シャッターによる超高速連写で動体を追従撮影です。
まずはBMXのバックフリップ!しかも2人のライダーが左右からです。BMXを含めXスポーツと呼ばれているジャンルの競技は動きがダイナミックでしかも速く動くものばかり。『α9』はフルサイズEマウント機初となる“4Dフォーカス”を採用し、被写体の素早い動きにも693点の位相差AFが点ではなく面で追うように追従していくのが特徴です。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:70mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:400/ 使用機材:SONY α9 + FE 24-70mm F2.8 GM


ハーフパイプを使ったインラインスケートのジャンプ!タイミングを合わせた2人のプレーヤーが交差する超難度の技。『α9』のAFは画面上の様々な被写体の中から撮りたいプレーヤーの動きだけを迷わず追従していき、その間もずっと被写体の細かな動きに反応してAFを合わせ続けます。『α9』は、秒間で最大60回のAF/AEの演算処理を行っていますから、ちょっとやそっとでピントが抜けることはありません。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:108mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:320/ 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS


スケートボードによるオーリー。『α9』の階調表現力を生かしたモノクロームがばっちりハマった画です…カッコイイ。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:86mm / 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100/ 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS





SONY (ソニー) α9  ILCE-9


FMX(フリースタイルモトクロス)のジャンプを『α9』で連続撮影し、その画像を繋いでみました。ここまでコマ数を刻んでいると、まるで動画を見ているようです。コマ数だと、秒間30コマの動画形式データから写真を選んで静止画に書き出す手法のカメラもありますが、『α9』は一枚一枚の画像データとして連続撮影するので保存形式は従来のスチルカメラの連写と同じ、しかもフルサイズです。しかし被写体をファインダー内におさめながらシャッターを切っても、無音(設定で音も出せます)、無振動、ファインダーのブラックアウトフリーは全く今までにないカメラの感覚です。『α9』の持つそれらの機能は、今までコマ間にあったであろう瞬間を鮮明に刻み、シャッター音があるが故に撮影できなかった野生動物や、ドキュメンタリーで取材している被写体の素の表情を捉えるなど、そのメリットは計り知れません。『α9』は今後のカメラの指標だけでなく、撮影する写真までも変える可能性のある一台です。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:70mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:250/ 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS


2台のバイクが同時にジャンプし、空中でトリック。私自身、モトクロスバイクで少し遊んでいた経験があるのですが、ジャンプ中にこんな事が出来るなんて信じられないです。このジャンプでは70mmのワイド端ギリギリで2台ともフレームインしたのでそのまま追従連写しました。像面位相差AFが画面全体の93%をカバーしていることもあって、画面端でも被写体を逃すことはありません。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:77mm / 絞り:F8/ シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:320/ 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS


空中で倒立するような形になるハートアタックというトリック。写真をパートカラーのような印象的な仕上げにしました。『α9』はジャンプの最初から最後まで被写体に食らいつき、ひたすらにその瞬間を刻んでいきます。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:142mm / 絞り:F8/ シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:400/ 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS


華麗に空中で舞うベテランFMXライダー。今回の撮影でのお気に入りの一枚です。 YZ250からせり出すチャンバーの感じもカッコイイです。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9 焦点距離:200mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:1000/ 使用機材:SONY α9 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS


熱い歓声にウィーリーで応えるライダー。今回のような動きの速いスポーツでも『α9』のAF/AEは被写体を捉え続け、高速連写で撮影する事ができました。この性能を持ちながらボディサイズは他フラッグシップ機とは比べ物にならないくらいコンパクトなのも素晴らしいです。個人的な感想になりますが、現在趣味で使う撮影機材としては完璧なパッケージではないかと思います。


SONY (ソニー) α9  ILCE-9

SONY (ソニー) α9  ILCE-9

『α9』は発表で驚き、使って驚いた一台でした。これほどインパクトのある機種は今後しばらく出ないのではないかと思います。そのくらい強烈な印象のカメラでした。今までの常識とは別の尺度で作られた、全く新しいカメラです。
連写性能とAF/AE性能は本文で述べた通り素晴らしい性能で、撮れた画の解像感もダイナミックレンジも文句の付けようがありません。それに加え高感度耐性も非常に優秀です。高感度については別企画で撮影した『3大メーカー頂上対決』に比較作例を載せていますので是非チェックしてみてください。

『α9』を使用している時、なぜか初めてハイブリッドカーを運転した時のことを思い出しました。その時は「うわっ!なんだコレ!?」と思ったと同時に、「図鑑で見た未来の車だ」と感じたことを覚えています。なんというか、『α9』はその感覚に非常によく似ているのです。
将来は更にカメラのミラーレス化が進み、動画と静止画の垣根もだんだん無くなっていくだろうと言われていますが、『α9』はそんな未来にいち早く到達したカメラかもしれません。電気自動車やハイブリッドカーが当たり前のように走る現代のように、今後カメラという道具も大きく変わっていくことでしょう。

今回のフォトプレビューで、デジタル技術の塊であるミラーレス機が一眼レフを超えた瞬間を体感することができました。大げさではなく、『α9』は今後のカメラ史に名を残す一台となるはずです。是非、Kasyapaを読まれているカメラファンの方達には『α9』の凄さを体感して欲しいですね。今後の写真人生が変わる一台になるかもしれない、そのくらいの衝撃を感じるカメラです。


Photo by MAP CAMERA Staff





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