TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD
今回のKasyapaでご紹介するのは、超望遠ズームレンズ『TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD』です。
重量1,115gと、このクラスの超望遠ズームとしては最軽量を誇る本レンズ。今回はD810を使用して撮影に臨んだのですが、ボディとのバランスもとても良く、更に4段分の手振れ補正が搭載されているため望遠側での撮影時も手振れをしっかりと防いでくれる優れものです。
また、このクラスのレンズで開放F4.5(広角側での撮影時)の明るさを持ちながらもお値段は非常にリーズナブル。このレンズを手にした後に、いくらかな…と値段を調べたときの衝撃は忘れられません。超望遠撮影がぐっと身近に感じられるレンズです。
超望遠レンズの実力を確かめるべく、まず向かった先は動物園です。
私自身ここまでの焦点距離を持つレンズはめったに使わないものですから、いったいどんな風景が撮れるのかとファインダーを覗きながら辺りを見渡していたところ、とても可愛いシーンに遭遇しました。かなり遠くにある巣箱だったのですが、望遠側400mmの力をもってすればこの通り。動物の自然な表情を切り取ることが出来るのは超望遠レンズの大きな魅力のうちの1つです。
今度は前ボケを入れて奥行きを演出しました。日の光に照らされた木々の微妙な陰影も見事に描写しています。
使用機材:Nikon D810 + TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD
お休み中のフクロウをそっと離れたところから。なかなか頑丈な金網が周囲に張り巡らされていたのですが、超望遠レンズの手にかかればなんのその。ピントが迷うことも無く、閉じられたフクロウの瞳にスッとピントを合わせてくれました。
本レンズにはフォーカスリミッターが備えられており、別売のTAP-in Consoleを使用することでオートフォーカスの駆動範囲を調整することが出来ます。そのままでもAFの性能は十分良いのですが、より高い精度と速度を求めている方にはぜひおすすめしたいアイテムです。
これほどまでに大胆なボケが味わえるのも超望遠レンズならでは。主役を何倍にも引き立たせ、魅力的に写し出します。
よほど寒かったのか、ぴったりと折り重なって眠っていたフェネックが起きた瞬間を捉えた1枚です。
本レンズには超音波モーター「USD」が搭載されているため、AF駆動時の静粛性も抜群。動物に気づかれないばかりか、高速AFのおかげで一時の自然な表情も逃しません。
最短撮影距離は1.5m。遠くにあるものを引き寄せるだけでなく、近くにあるものも印象的に切り取ってくれます。
使用機材:Nikon D810 + TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD
少し足を延ばし、夕暮れ時の海を撮影するためにお台場へ。
室内から撮影をしたレインボーブリッジは、ガラス越しであることを忘れてしまいそうになるほど隅々まで鮮明に写し出されています。
使用機材:Nikon D810 + TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD
少し赤みを帯びた雲と、夕日が反射して眩しいほどに輝く海がとても美しいです。
水上バス乗り場の上に居るカモメたちも、暖かな日差しを受けて気持ちよさそうに休んでいました。
本レンズにはeBANDコーティングが施されているため、このように夕暮れ時の逆光や強い光源の元での撮影でもゴースト・フレアを徹底的に防いでくれます。
手前のシルエットは、海辺で遊ぶ男子学生たち。圧縮効果のおかげで面白い1枚が撮れました。
使用機材:Nikon D810 + TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD
レンズの随所に防塵・防滴用のシーリング加工が施されているため、海辺での撮影やちょっとした雨天時でも臆することなく撮影を楽しむことが出来ます。
決定的瞬間を逃さない、圧倒的機動力。
『TAMRON 100-400mm F4.5-6.3 Di VC USD』をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
D810と合わせると2kg超えとなかなかの重量になるので1日使用しているとそれなりに疲れますが、それでも感覚的には大口径の中望遠レンズや標準ズームを持って出かけたときの疲労感とほとんど大差がありません。なにより、出てきた画を見ればそんな疲れも吹っ飛んでしまいます。
ズームリングや側面のスイッチの快適な操作感のみならず、マウント部に輝くルミナスゴールドリングも含めトータルのデザインが非常に良いので所有欲も存分に満たしてくれるレンズです。
本レンズには三脚座が付いておりませんが、別売で専用の三脚座として『三脚座 A035TM』が販売されています。4段分の手振れ補正機能が搭載されているとは言え夜間で400mmを手持ちはなかなか骨が折れますので、夜景や夕景をメインで撮影される方はこちらも一緒に揃えることをおすすめいたします。
最初から同梱されていればいいのに…という声も聞こえてきそうですが、撮影スタイルに合わせて三脚座の有無をこちらで選ぶことが出来るのは大きなメリットであると思います。三脚座が必要な場合は一緒に購入することが出来て、不要な場合はリーズナブルな値段でレンズのみを手に入れることが出来る。私は撮影の際はなるべく軽量で荷物は最小限がモットーなので、三脚座はほとんど使用したことがありません。なので、個人的にとても嬉しい仕様だと感じました。
今まで超望遠レンズを使用したことが無い方の入門レンズとしても最適な本レンズ。イベントごとの多いこれからの季節、雪景色や初日の出を思い出に残る印象的な1枚として残すのにぴったりのレンズです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff