シグマ MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMは、手ブレ補正機能(OS)を搭載した中望遠マクロレンズだ。以前の同社の105mmマクロレンズは、フォーカシング時にレンズが繰り出すタイプだったが、本レンズはフローティングインナーフォーカスとなりフォーカシング時に全長が変わらなくなった。もっともワーキングディスタンスが比較的長いレンズであるため、レンズの繰り出しによる影響は少ないものだったが、全長が変わることによる重量バランスの変化がないことは大歓迎である。
最短撮影距離は31.2cm、撮影倍率は1:1を実現している。HSMによる静かなオートフォーカスと、フルタイムマニュアルフォーカス機能がマクロ撮影時に役立つ。マニュアルフォーカスは手に馴染む鏡筒の太さもあり使いやすい印象だ。
また本レンズは同社のアポテレコンバーターを使用して望遠マクロレンズとしても使用できる。テレコンバーターが使えるのも、しっかりした光学設計があってこその機能だ。昆虫などを撮影する場合など、2倍のテレコンバーターを装着してワーキングディスタンスを長くして撮影することができる。
普段見るものも、ぐっと寄ってマクロ撮影をすることで面白い世界を写し出すことができる。
雪が氷のように固まっていた。クローズアップしてみると表面には亀の甲羅のような模様があった。
中望遠レンズと言うこともあり、手前にピントを合わせるてF8まで絞り込んでもこれだけ遠景がぼける。絞り羽根は9枚、F8まで絞っても円に近い形になるように設計されている。
上の写真とは逆に、遠景にピントを合わせて絞りを開けると、中望遠ならではの遠くが浮かび上がったような面白い効果がだせる。
シグマ MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMは、フルサイズ機では105mmの中望遠マクロレンズ、APS-C機では35mm判換算約157.5mm相当(換算1.5倍として)の解放絞りF2.8の望遠マクロレンズとしても使用できる。約4段分と言われる手ブレ補正機能は強力で、ファインダー像がピタッと止まる。近接撮影時には手ブレ補正効果は弱まるが、手持ちでブレの少ない撮影が可能となる。特にライブビュー撮影による自由なアングル・ポジションによる撮影には大きな力を発揮してくれる。
等倍マクロ機能、中望遠レンズならではの点光源の大きな丸ボケなど、このレンズだからこそ得られる世界がある。マクロレンズとして、中望遠レンズとして一本あると便利なレンズだ。手ブレ補正があるのでマクロレンズの入門用としてもオススメしたい。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D700 + SIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM