81-297mm相当の焦点距離をカバーする「1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6」はとてもコンパクト。重さ約180gという軽さにも驚かされましたが、沈胴構造になっているレンズは収納時に高さ約6cmまで小さくなります。今までの一眼レフレンズの感覚だとスナップ撮影に望遠レンズを持ち出すにはその大きさから悩まされる事が多くありましたが、これなら何の迷いもなく持ち出すことができます。
一つ一つが微妙に異なるタイルの質感や雨樋の錆など細部までしっかり確認できます。小さいのによく写るなというのが素直な感想です。
若干周辺光量落ちが見られましたが RAW現像でコントラストを高めに現像したことを考えれば、カメラ側の補正も含めてよく抑えられていると感じます。
手ブレ補正機能もしっかり働くので望遠側でのスローシャッターも安心。元々ミラーショックの無いミラーレス機ですが、さらに画質が安定した感があります。
明暗のコントラストも良好でビルのガラスに反射する細かい模様や、庫内の暗いレールから外部の車両まで自然に描写しています。
最短撮影距離は1m。フットワークの良いコンパクトなシステムなだけに思わず被写体に寄ってしまいピント範囲外になってしまうことが多々あり、もう少し寄れると嬉しかったと感じました。それでも花びら1枚1枚の模様をしっかりとらえる描写力は素晴らしいの一言。望遠レンズならではの美しいボケも楽しめます。
未だレンズバリエーションの少ないNikon 1シリーズにとって「マウントアダプター FT1」を介してFマウントのレンズが利用できるのは大きな魅力的。そう考えるとNikon1シリーズの望遠レンズのバリエーションはとても豊富と言えます。そんな中このレンズの最大の魅力は専用にしかない使い勝手の良さです。ウエイトバランスも良く、ボディとベストマッチの望遠レンズはNikon 1の気軽に楽しめるというコンセプトをしっかり反映していると感じました。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon 1 V1 +1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6