高倍率ズームレンズと言えばレンズメーカー製レンズの独壇場と思っていたのはもう過去の話。ニコンから世界最高ズーム倍率となる約16.7倍の「AF-S DX18-300mm F3.5-5.6G ED VR」が発売されました。デジタルカメラの高画素化に合わせて続々と新製品を送り出すニコン。より高画質化が求められる中でこれ以上の軽量・高倍率化は難しいのではという思い込みを見事に払拭してくれました。
驚くのは望遠側300mm(35mm換算で450mm)で開放F値5.6をキープしたこと。「カメラ側のAFセンサーの性能を十二分に引き出すためには絶対に譲れない」そんなメーカーの意地のようなものが感じられます。
その分レンズ自体は、本当にAPS-S用のレンズなのかと思わせる迫力ある大きさに仕上がっています。全長12cmの鏡筒もズームすると約21cmと倍近くまで大きくなる如意棒レンズですが、レンジ自体に重さを感じるため安定感を持って撮影できました。さらにシャッター速度4段分の補正を行う手ブレ補正もあって、望遠側での手持ち撮影でも何の不便も感じません。
シャッターチャンスは突然にやってくるもの。今までならこんな光景を見つけたら望遠レンズに交換している間に逃げられてしまいそうですが、常に着けっぱなしですむ高倍率ズームは、一瞬のタイミングでも自由な画角で撮影出来る大きなメリットをもっています。
望遠300mmでも最短45cmまで寄れるのでマクロレンズ的な使い方も可能。まさにこれ1本で何でも撮れるオールマイティーなレンズです。
気になる描写も、さすが最新レンズと思わせるクリアーで立体感のある画を見せてくれます。
日没後のわずかな光でも、AF性能との相性の良さから迷い無く被写体を捉えてくれます。手ブレ補正の効いた明るいファインダーは非常に使いやすく感じました。
重さ830gは少し重く感じますが、優れた画質とコレ1本で何でも撮れるという利便性を考慮すればプラスアルファのレンズが必要ない分、フットワークのよい撮影が可能です。荷物を増やしたくないけどシャッターチャンスも諦めたくない。そんな方にオススメなレンズです。
旅のお供にいかがでしょうか。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D300 +AF-S DX 18-300mmF3.5-5.6G ED VR