Nikon1シリーズの登場から約1年。待望の明るい単焦点レンズ「1 NIKKOR 18.5mm F1.8」が発売されました。
全長36mm、約70gとコンパクトに収まったそのサイズから大口径レンズとは言いがたいですが、開放F値1.8はどのようなボケ具合なのかとても気になります。
早速開放F1.8で撮影。出た画のシャープさを見て驚きました。一瞬絞り設定を間違えたかと思わせるほどのシャープな描写です。非球面レンズを採用してシャープで高い描写性能を実現したという触れ込みを早々に納得させられてしまいました。
このレンズの特徴で見逃せないのが最短20cmのクローズアップ撮影が可能ということ。
グッと被写体に寄ることでシャープな描写の中に美しいボケを加えることができます。被写体に寄ったおかげで花びらの質感も美しく描写。グラデーションの出方も美しく接写が楽しくなってきます。
磨りガラス向こうから漏れる明かり。年輪の模様が浮き出た木の扉の質感。小さなレンズなのに驚くべき解像力です。
手前に突き出た部屋の窓から奥の庭まで、画面の隅々までバランスの良い描写から50mm相当の画角とはいえども、18.5mmの超広角レンズらしさも感じ取れます。
エレクトロニックシャッター使用時ではシャッタースピード1/16000秒まで設定可能なNikon1 は、日中の明るい場所でも絞り開放の撮影が可能ですが、F1.8の恩恵を感じるのはやはり若干暗めの場所での撮影でしょう。
ISO感度変更のしにくいNikon1の操作系でも、絞りに余裕があるだけでスピーディーな撮影が可能です。手ブレ補正機能が無いことも少し心配でしたが、F1.8の威力は絶大でシャッタースピードに余裕が出来た分で十分カバーできました。
絞り開放からシャープな描写のレンズは被写体との距離でボケをコントロールすることになります。軽くてフットワークの良いレンズなので、いろんなアプローチを試したくなるレンズです。
物撮用レンズとしても面白く、マイクロニッコールの名前が付いていないのが不思議なくらいです。
今まで持ち歩いていた機材に追加しても苦にならないコンパクトな単焦点レンズは、高画質と接写に優れた便利なレンズです。スナップや室内撮影でも強い味方になってくれることでしょう。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon1 V1 +1 NIKKOR 18.5mmF1.8