ソニー「NEX-6」は、モードダイヤルとEVFを搭載した完成度の高いミラーレス一眼だ。フラグシップ機となる「NEX-7」はTri-Dial NAVI(トライ ダイヤ ルナビ)のような独自のインターフェイスや、「NEX-5R」のようなタッチパネル操作は持たないものの、P/A/S/Mといった撮影モードをダイレクトに選べるモードダイヤルと、設定変更に便利なコマンドダイヤルを装備したことで、カメラとしては王道とも言える操作ができるようになった点が特徴と言える。
NEX-6は、デジタル一眼レフカメラのような操作系を得たことで、絞りやシャッタースピードを積極的に変えて撮影したくなる。そうなると明るい単焦点レンズが欲しくなる。NEX用の明るいEマウントレンズとして現在は、今回試用した「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」と「E 50mm F1.8 OSS」がラインナップされているが、12月には標準レンズとも言える焦点距離の「E 35mm F1.8 OSS」も発売されるので、NEX-6による撮影が今以上に楽しめるのではないだろうか。
絞り優先やプログラムオート、おまかせオートなどを簡単に切り替えられるようになったので、Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAのような大口径レンズを活かせる機会が増えた。時には高画質な絞り開放で、時にはプレミアムオートで各種デジタル補正を効かせた気軽な撮影が楽しめる。
また、NEXならではのチルト式可動液晶モニターを使用すれば、アングルの自由さを得ることも可能だ。デジタル一眼レフカメラよりも遙かにコンパクトなコンパクトなボディーと軽くて持ちやすいグリップのおかげで、ローポジションでの撮影も安定する。
NEX-6には電動式のズームレンズ「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」をセットにしたパワーズームレンズキットも用意されており、自然で滑らかなズーム操作による動画撮影や24mmからの広角撮影を楽しみたいのであれば、こちらのキットもオススメだ。レンズは沈胴式となっているため、コンパクトに持ち歩く事ができる点もオススメポイントとなる。このコンパクトさはストリートスナップでも軽快な撮影が出来るだろう。
像面位相差AFセンサーを内蔵した新しい有効約1610万画素“Exmor(エクスモア)”APS HD CMOSセンサーとZAレンズとの組み合わせは、細部の描写も驚くほど良い。
ISO3200での撮影でもこの仕上がりだ。総じてシャープネスや輪郭線はしっかりと整えたノイズ補正で、夜景等でも安心して使用できる。
手持ちでの夜景撮影や望遠レンズ使用時に重宝するのが、有機ELディスプレイによる、「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」だ。有機ELはカラー液晶と違い、自然に発光するため発色が良く、黒は発光しないためファインダー内の映像は自然な見え方をする。もちろん視野率は100%を確保しているので、しっかりと構図を決めることが可能だ。
グリップが大きく、要所要所を使い易いサイズに拡大したデザインは取り回しも良く使い心地も良好。2軸になったモードダイヤルも操作し易く、マットブラックの上品な仕上げと相まって実に魅力的な仕上がりだ。男性ユーザーにもこのサイジングは歓迎されるのではないだろうか。NEXの新ライン『NEX-6』、画質、サイズ、そのバランスの良さが光る1台だ。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:SONY NEX-6 +E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS +Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA