今回は隅々まで高い描写力を発揮する大口径広角ズーム『Nikon AF-S 14-24mm F2.8G ED』のレビューをお伝えします。
先に紹介した「AF-S 24-70mm F2.8G ED」と同時に発売され、こちらも少々年期を感じさせるレンズですが、「単焦点レンズを越えた」とも表現される程の圧倒的な高画質で、今もなお人気のレンズです。
本レンズを目の前にして驚くのは、大きく飛び出したドーム型の前玉。この外観を見て、良く写りそうだけど内面反射によるゴースト・フレアも凄そうという印象を持ちましたが、撮影してその心配は露と消えます。これがナノクリスタルコートの実力か。と感動すら覚えるクリアーな描写力です。
雲一つない快晴の冬の日。強烈な太陽光を入れても、フレア・ゴーストがこれしか出ないレンズは他に見た事がありません。
ピント範囲広く、接写にも強い広角ズームレンズですが、F2.8の大口径という事で、周辺部にボケ味も楽しむことができます。
周辺光量落ちも殆ど無く、4隅までシャープな画を見せてくれます。
普段見慣れた風景でも、広角レンズ特有のパースが迫力を増してくれます。
本来なら太陽光に注意しなくてはならない広角レンズですが、これだけ優れた逆光耐性を知ってしまうと逆に逆光で遊びたくなります。
まさにこのレンズでしか撮れない写真と言ったところでしょうか。
広い範囲をダイナミックに切り撮る広角レンズですが、拡大すると見えてくる細部の描写力にも驚きます。
肉眼では認識できなかった観覧車の細い骨組みまで見てしまうと、トリミングすれば望遠レンズ等も必要ないのではとも思わせます。
直線描写の気持ちよさも、広角ズームレンズであることを忘れさせます。
国際宇宙スーテーション内での撮影機材としてしてアメリカのNASAにも納入されたという本レンズ。その実績からも優れた性能を知ることができます
。 フィルターの装着が出来ない事で敬遠する方もいらっしゃると思いますが、一度その描写力を体感して頂けば、その画質を優先したが故の形状に理解いただけると思います。
例えるなら「画質優先主義」という言葉がピッタリなレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff
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