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291:『PENTAX K-3II』

2015年05月22日

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

PENTAX K-3II

高い基本性能と独自の技術が魅力であるペンタックスK-3の発売から約1年半、そのK−3がさらに進化したカメラへと生まれ変わりました。今回は最新のAPS-C一眼レフ『PENTAX K-3II』のご紹介です。

100%の視野率と約0.95倍のファインダー倍率のプリズムファインダーにタフな防塵防滴仕様、高感度に強い2435万画素センサーはローパスフィルターレスという贅沢な仕様のカメラだった先代から、今回の『K-3II』では約4.5段分の手ブレ補正、ポップアップストロボの代わりに天体追尾撮影もできるGPSを内蔵、そしてセンサーをずらしながら撮影することで超高解像を実現した『リアル・レゾリューション・システム』を搭載という 「これでもか!」と言わんばかりの技術を投入したカメラとなっています。筆者は過去に『K20D』『K-7』を使っていた事があり、ペンタックスの堅実な物作りと“技術を出し惜しみしない感”がとても好きでした。

それでは最新のKシリーズである『K-3II』はいかなる進化を遂げたのか、早速写真を見て行きましょう。

まず1枚目の観覧車のカットから。とてもクリアでローパスフィルターレスという事もありシャキッとした印象の描写です。天気は晴れていたのですが雲は多め、しかしながら色の出し方はさすがペンタックス。彩度は少し落ちていながらも色の深さを感じる発色は実に見事です。

PENTAX K-3II

絞り:F2/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

早くも紫陽花が咲いていました。花弁の一つ一つが浮かび上がるように感じます。使用したレンズ『DA*55mm F1.4SDM』も良い描写をしますね、初めて使用したのですが、絞りで変化するピント面とボケ味が絶妙なバランスのレンズです。そしてこのレンズの光を受け止め写真にするK-3IIがあってこそ、この美しさが表現できるというものです。

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR

先鋭な印象を受けるビルの写真。こちらはキットレンズである『DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR』で撮影しました。しかも望遠端で絞り開放の描写です。

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR

K-3IIは鮮やかな色だけでなくモノクロームも得意なカメラです。雲の微妙なグレートーンも表現してくれました。

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR

宇宙船のような水上バスを撮影。シャープで立体感のある描写です。金属や窓の質感もよく写し出しています。

K-3IIを使用して感じたのがファインダーの見やすさ。視界が広くて被写体がクリアに見えることは、撮影していてとても気持ち良かったです。そして深いグリップはしっかりとカメラを握って固定する事ができ、高性能な手ブレ補正も相まって望遠撮影でも安定した撮影が可能です。

PENTAX K-3II 絞り:F8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR

歩道に敷き詰められたタイル。K-3IIの持つ高解像力が一目で分かる一枚です。

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA 18-135mm F3.5-5.6ED AL(IF)DC WR

PENTAX K-3II 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:200 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

シャドウ部のトーンも豊かで、一見すると黒に見える被写体の中に細かなディティールや色がしっかりと記録されているのが分かります。

PENTAX K-3II 絞り:F1.4/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:400 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

しっとりとした雰囲気が伝わる一枚。フォーカス部のすぐ隣にくる滲むような曖昧なボケ味、これがモノクロームにした時、何とも言えない美しさに変わります。

PENTAX K-3II 絞り:F2/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:800 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

さすがはKシリーズ、ISO800くらいではノイズをほとんど感じる事なく撮れるので十分作品撮りに使用できる感度です。

PENTAX K-3II

PENTAX K-3II リアル・レゾリューション・システム撮影   絞り:/ F11/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

追加された新機能の中でやはり注目なのは『リアル・レゾリューション・システム』ではないでしょうか。その仕組みはセンサーを1画素づつずらしながら4枚撮影し1枚の画像に合成、3層センサーのように1画素で1つの色を再現することによって超高画質を作り出すというもの。これは手ブレ補正機構やローパスセレクターというセンサー自体を動かすペンタックス技術の応用が生み出した最新機能です。

撮影方法はカメラが4枚連続撮影を行うため三脚が必要不可欠。今回レリーズケーブルを持っていなかったため、2秒のセルフタイマーに設定。ミラーショックでブレないようにミラーアップの設定も必要です。

そして撮影したのがコチラの写真。一見すると何となくシャープかなといった印象ですが、拡大して吊り橋の一番太いワイヤー部分をご覧になってください。

一つ一つの部材までも写すもの凄い解像力!被写体や撮影シーンを選ぶ機能ではありますが、この表現力はAPS-Cサイズのベイヤーセンサーの域を超えている画質と言っていいでしょう。

PENTAX K-3II

PENTAX K-3II 絞り:/ F6.3/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:3200 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

Kシリーズは高感度撮影にも強い機種です。今回のK-3IIではどの位の感度まで実用が可能なのか、ISO3200とISO6400でテストしてみました。

まずはISO3200の写真から。拡大すれば確かにノイズはありますが、まだまだディティールもしっかりとしているのが分かります。プリントを考えればISO3200も許容範囲と言えると思います。

PENTAX K-3II 絞り:/ F2/ シャッタースピード:1/80秒 / ISO:6400 / 使用機材:PENTAX K-3II + DA*55mm F1.4SDM

続いてはISO6400。拡大するとさすがにノイズは分かります。

しかし色やディティールの潰れもそこまで目立つ印象はなく、引きで写真全体で見るととてもISO6400で撮影したとは思えない仕上がり。さすが最新のKシリーズ、高画質と高感度を両立させたK-3IIは撮影状況を選ばずに使用できるオールラウンダーな一台です。

PENTAX K-3II

『PENTAX K-3II』はフィールドカメラに求められる全てが揃ったカメラと言っても過言ではない、とても完成度の高い一台でした。カメラに求める画質に関してはセンサーサイズを超えた高画質を実現し、高感度も優秀。水滴や低温にも耐えうるタフなボディと全てのレンズで動作するボディ内手ブレ補正。また今回ご紹介できなかったGPSとセンサーシフトを使ったアストロトレーサー機能は、星の動きに合わせてセンサーを動かす事により長時間露光の天体撮影でもキレイな点像を撮影できます。

フルサイズ機の登場がささやかれている今、*ist Dより始まったペンタックスの小型で高性能なAPS-Cデジタル一眼レフはこの『PENTAX K-3II』が理想の完成形と言ってもいいかもしれません。写真を撮る全ての人にこの性能を手に取って体感していただきたい一台です。

Photo by MAP CAMERA Staff

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