ニコンから超望遠ズームレンズ『AF-S 200-500mm F5.6E ED VR』が発売されました。
数々の魅力ある望遠レンズをリリースするニコンですが、軽量で手持ち撮影できる超望遠ズームに限れば、シグマやタムロンなどのレンズメーカーのレンズに分がありました。数少ないラインアップの穴を埋める様に登場した超望遠ズームレンズ。ズーム全域で開放F値5.6という利便性と、メーカー純正という安心感を引き下げての登場に気になるのはその写り。さっそく新レンズの実力をご覧いただきましょう。
まずは、手持ち撮影が容易になった超望遠の恩恵を感じるべく航空写真に挑戦です。
空の青さや機体の鮮やかさを気持ち良く伝えてくれるクリアーな描写は、超望遠の迫力をダイレクトに感じることができます。
超望遠で気になる手ブレ補正もニッコールレンズ最高クラスの4.5段分の補正機能がしっかりサポートしてくれます。
望遠撮影を楽しみたいけど三脚は持ちたくないとわがままな筆者ですが、まさにその願いを叶えてくれた理想のレンズです。
狙った構図にスムーズにシフトできるフットワークの軽さは動く被写体を追うのに最適。鉄道やモータスポーツなど趣味の撮影がさらに楽しくなることでしょう。
成田空港4000m滑走路の先端。500mmでも少し迫力不足に見えるかもしれませんが、望遠ならではの圧縮効果で様々な機体が行き交う空港の賑やかな雰囲気がよく伝わります。周辺減光等も目立たず、隅々までよく描写しているのが分かります。
離陸後、夕日を横切る飛行機を追随しました。カメラ泣かせのシチュエーションですが、暗部もしっかり捉えているのがわかります。
昔からの超望遠ズームレンズの印象を打ち砕くコントラストの高いシャープな描写に驚きました。輪郭が際立ち花びらの薄さもしっかり伝わる一方で、柔らかなボケ味も楽しめる両得なレンズです。
ニコンレンズでは珍しい少し派手目な発色からは、色乗りの良さも感じます。
重さ2.3Kg、カメラボディと合わせると約3Kgと、決して軽いとは言えませんが、ふと見つけたシャッターチャンスを逃さないフットワークの良さがあります。
短時間の代名詞でもあるカラスの行水。高速シャッターの併用で飛び交う水しぶきも綺麗に捉えることができました。水浴びをしたくなる少し暖かな空気感も見てとれます。
動物園での撮影にも重宝する超望遠ズーム。警戒心を刺激することなくグッと近寄ることができます。
思わず触りたくなるような柔らかな毛並みなど、距離感を感じさせない高い解像力です。
カメラの高感度性能が上がったことで、夜間でも気軽に超望遠撮影が可能になりました。ナイター競馬でも日中と変わらない迫力ある写真が楽しめます。
メーカー純正の組み合わせでは、多彩なアクセサリーとの相性の良さも見逃せません。
より迫力ある画像を求めて、テレコンバーターを装着してみました。「TC-17E II」との組み合わせでは開放F値が8を超えてしまうため動体へのAFの合焦に少し戸惑いいましたが、線路上にピントを置いておくことでスムーズに車両側にシフト。レンズの癖を掴んでしまえば、さらにいろんなシーンに挑戦できそうです。
秋の訪れを感じさせる茜色の夕日。ファインダーを直視できない強烈な日差しでしたが、夕日のグラデーションを綺麗に表現してくれました。
小さなフレアが生じましたが、「ナノクリスタルコート」でなくても、遠く離れた新宿の街並みやその奥の山々まで描写するクリアーな写りに驚きます。逆に上品に収まったフレアがシャープな描写の中に柔らかな雰囲気を演出し、良いアクセントになりました。
気軽に楽しめると言っても1日持ち歩くとさすがに疲れましたが、その疲労感に見合った超望遠ならではの楽しい撮影が体感できました。
「スポーツ観戦に最適なレンズ」でスポーツしたかのような感覚は、爽快感も得られるクリアーな描写のおかげかもしれません。
充実感にも満たされるスポーティーな超望遠レンズを是非お試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff
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