SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
最近はフルサイズ機の話題ばかりが目立ったソニーでしたが、久々に注目度の高いAPS-C用Eマウントレンズが発売されました。今回のKasyapaは『SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS』をご紹介致します。
光学7.5倍の高倍率ズームに分類される本レンズ。初めて手に取った時は「軽くてコンパクト」というありきたりな感想でした。同じEマウントレンズには『Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS』がありますが、それよりもほんの少しだけ長いサイズ感、レンズの明るさはF3.5−5.6という一般的なズームレンズのスペックです。しかし撮影を初めてすぐ、その“ありきたりな感想”は間違いだと気付かされました。どこまで写るものかとF11まで絞った写真なのですが、遠くに見えるタワーマンションの細い柵まで写し出す ものすごい解像力なのがお分かりいただけるはずです。APS-C用の高倍率ズームでここまで写るとは、最新の『SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS』は今までの常識を覆す実力を持った高倍率ズームだと認識した一枚です。
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
続いては街中でのスナップ。望遠域に余裕がある分、カメラの存在に気づかれない距離を保ったまま撮影できるのはスナップ撮影で大きなメリットと言えます。また、換算150mmの焦点距離でありながら1/30秒でもブレない手ぶれ補正は非常に優秀です。
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
焦点距離:83mm(換算124.5mm) /絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:250
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
今回は手がかじかむ寒い日の撮影でした。そんな中、茂る緑にピタリと張り付くように凍った氷を撮った一枚です。 最短撮影距離は0.45m、最大撮影倍率は0.29倍ですから、マクロ撮影とまでは言えないものの近接撮影もこなせるレンズです。実際に撮影中「寄れない」と感じるシーンは一度もなく、クローズアップしても解像力が高いのも魅力です。
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
手すりに並ぶユリカモメたち。実は写真には写っていない右側のベンチでおじさんが食べているお弁当を虎視眈々と狙っている状況です。
人に慣れているのか、なかなか逃げないこの鳥たちをテレ端135mmで撮影しました。羽毛の柔らかさが伝わって来る立体感のある描写力。背景ボケに少し硬さは感じられますが、F5.6でも望遠側を使えばボケ味を生かした撮り方も可能です。
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
使用機材:使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
便利を超えた、ハイレベルな描写力。
高倍率ズームは1本で広角から望遠までカバーしており、「便利だから」「この1本で済むから」という理由で選ばれる方が多いレンズだと思います。その反面、単焦点やF値通しレンズのような描写力を高倍率ズームには期待していなかった面もありました。しかし『SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS』は先に話した解像力の高さだけでなく、周辺の像の流れ、周辺光量落ち、歪み、色収差、階調表現などあらゆる点が既存の高倍率ズームの認識を覆すものであり、それを凌駕しています。使用しながら本レンズはフルサイズ用Eマウントレンズである『SONY FE 24-105mm F4 G OSS』のAPS-C版のようだと感じました。高倍率ズームをより高次元な基準で作り上げた一本、それが『SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS』です。
使用機材:使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
焦点距離:18mm(換算27mm) /絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:200
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
橋の下からワイド端である18mmで撮影した一枚。高い解像力と豊かな階調表現が生み出す立体感はセンサーサイズを忘れさせてくれる見事な描写力です。ここまで写れば文句のつけようがありません。
焦点距離:93mm(換算139.5mm) /絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:400
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
今回ボディは『α6500』を選び、撮影に出かけました。本レンズとベストマッチと言えるほどサイズと重量のバランスがよく、高い描写力と使いやすい焦点域に加え、瞬時に反応するAFや連写機能など、スナップ撮影に最高の組み合わせでした。
焦点距離:135mm(換算202.5mm) /絞り:F8 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
焦点距離:18mm(換算27mm) /絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:100
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
使用機材:SONY α6500 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
斜光が強い冬の晴天下での撮影でしたが、顕著にフレア・ゴーストが発生することは一度もありませんでした。とても逆光耐性に優れたレンズです。
散歩撮りも、本気撮りも、全てこの1本で。
私自身、高倍率ズームに偏見とまでは言いませんが、「描写にこだわりたいから」という理由で敬遠していた一人でした。しかし本レンズは描写と利便性の両方を兼ね備えており、「クッキリ写したい写真であれば、ほとんどのシーンはこの1本で撮れる」と思える素晴らしい描写のレンズでした。これほど撮影前と撮影後の印象が変わるレンズはなかなか無いかもしれません。『SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS』を軸に、よりボケ味を楽しめる単焦点レンズや、より広角、より望遠など自分のスタイルに合わせたレンズシステムを拡張すれば撮りたい写真が必ず撮れるはずです。
そして本レンズを使用して何より感じたのが「撮りたい」と思った時、瞬時に対応できる事です。特にスナップや、子供の表情、愛くるしいペットの姿など、距離を測る時間やレンズ交換をする時間のがないシャッターチャンスでも、広いズーム域のおかげで思い通りの写真にする事ができます。これが本レンズの一番の魅力と言っていいかもしれません。
カメラが好きになってくると、機材に対する趣味の偏りも生まれ、自分が撮る、撮らないを無意識に決めがちになると思います。しかし本レンズを使用していると写真を始めた頃のような「撮りたいと思ったから撮る」という気持ちを再び呼び起こしてくれました。便利という理由だけでなく『SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS』は写真を撮る事が好きな全ての方にオススメしたい1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff