TAMRON 70-210mm F4 Di VC USD
タムロンからまた新しい望遠ズームレンズが登場しました。100-400mmに続く新しいレンズは「70-210mm F4 Di VC USD」。70mmスタートのF4通しの3倍ズームレンズです。
望遠側が210mmと一見中途半端に思えますが、昔はよく見られた焦点距離で、フィルムカメラ時代からカメラに触れていた筆者にとっては、少し懐かしい感じもします。歴史ある焦点距離の望遠ズームが最新技術で再登場!期待を胸に早速撮影に出掛けてきました。
桜が満開の上野公園。見事な桜もそうですが人の多さに圧倒されます。人混みではカバンから出すのもためらう望遠レンズですが、本レンズはとにかくコンパクト。重さこそ850gありますが、その外観はほぼ500mlの飲料水ボトルサイズで、携帯性も良く扱いやすい1本です。
不忍の池の畔、人の波が途切れた瞬間にシャッターを切りました。超音波モーターの素速いAFが一瞬のタイミングを逃しません。そしてこの高い解像力です。水面に浮かぶ花びらはもちろん、細い枝の1本1本までしっかり捉えているのが分かります。今回はニコンの最高画質機であるD850を使用。カメラの性能を存分に引き出す高性能を体感することができました。
人の波に流されながらライブビューで1枚。小型軽量の本レンズでないと撮れないカットです。広角端でも隅々まで綺麗な描写も流石です。少し霞のかかる中を舞う花びらの様子もしっかり捉えてくれました。
最短撮影距離は0.95m。頭上の花も容易に引き寄せることができます。
70-200mmクラスと言えばF2.8のズームレンズも含めボケの綺麗なレンズが多く存在しますが、本レンズもそれらに負けない綺麗なボケ味を楽しむことができます。
最大撮影倍率は0.32倍。クラス最大の倍率を誇り、マクロレンズ的な使い方も楽しめるレンズです。
広場では様々な大道芸が行われていました。動物園の目と鼻の先での猿回し芸。普段猿山で見るのんびりとした猿とは違った気迫のようなものが伝わります。
数メートル先からジャンプして着地した瞬間を捉えました。とても素早い動きでしたが、軽量レンズは動体の動きに合わせやすく、スムーズに追いかけることができました。
水族館の水槽前ではガラスの存在を感じさせない透明感高い描写を見ることができました。またズーム域に関わらず全長の変わらないインナーズーム機構は、ガラスや金網などに張り付いて撮影する際にも重宝します。
暗い室内でもペンギンの肌の様子をしっかり捉えています。カメラの高感度性能が向上しているおかげで、F4でも暗いと感じることが少なくなりました。
素速いAFに、迫る列車を放さない追従性。優れたAF性能を再確認です。スポーツや乗り物など動体の被写体に重宝される望遠ズームだけに重要視したいポイントです。
タムロンと言えば独自の強力な手ぶれ補正機構を忘れてはいけません。本レンズも4段分の補正効果を有しており、本来なら光量不足で撮影を諦めるシーンでも十分撮影を楽しむことができます。
次々と登場する高性能レンズ。特に70-200mmという焦点距離は各メーカー共、特に力が入った高性能レンズが揃っています。そんなライバルがひしめく中でも、軽量&近接撮影という2つの武器は大きな魅力です。画質も高いレベルで安定しており、これからの旅行シーズンに活躍すること間違いありません。
Photo by MAP CAMERA Staff