SONYα6100
α6000ユーザーにとって待望のタッチ操作やサイレントシャッター、そしてリアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングAFなど大幅に強化されたAF性能。さらに4K動画撮影機能を搭載し、JPEGのエクストラファインや14bitRAWにも対応するなど、より上の画質を求めるユーザーの期待に応えつつ、より多くの方に購入しやすい価格帯に抑えた『SONY α6100』。非常にハイレベルな新世代エントリーモデルのベーシック機であり、この登場の仕方はフルサイズミラーレス市場を震撼させたあのα7IIIと同様に、APS-Cのベーシック機といえども基本性能に手を抜く気が全くないソニーのカメラに対する想いが伝わってきます。その新世代のAPS-Cベーシック機を手に撮影を行いました。
1枚目の写真は、自宅ですやすやと眠っている娘です。安心しきって眠っている時は、小さな指やふんわりとした頬を触ったりして遊びます。今だけの可愛らしい姿を写真に残せるのは、今だけと思うとついつい沢山写真を撮ってしまいます。雨の日だったため、室内に入ってくる光が少なくISO2000と高感度での撮影となりましたが、ピント面や肌の色合いなど美しく描いてくれました。この悪条件でもこれだけ写してくれたのなら、数年後この写真を見ても間近で見つめていた娘のふんわりとした頬を思い出すことが出来ると思えます。
誕生日プレゼントが遅れてしまい、妻に「ごめんなさい」をするために購入したバラです。そういったハプニングも夫婦の記念です。妻からの「写真なんか撮っていないで早く食べなさい」という視線を感じていた為、暗がりの中、サッと片手で構えてシャッターを押すようなラフな撮影を行いましたが、思いのほか良く撮れています。
陶器の販売ギャラリーに来ました。 動きの予想できない1歳の娘は、外で遊びたいのか窓に触れて外を眺めていました。雨に濡れた硝子の固い質感と、それに触れるやわらかく小さな手を写真に残したいと思いカメラを構えました。質感の違いをしっかりと表現する描写力もさながら、左手を娘に添えつつ簡単にその瞬間を写真に収めることが出来たのは、高速なAFとタッチフォーカスのおかげです。 スマートフォンしか使った事のない方でも自然に扱うことができ、それ以上にAFの早さ、優れた質感描写に驚かれるでしょう。指で触れるだけでピント面が浮かび上がる快感は、それだけでこのカメラを持つ気にさせてくれます。
慣れないハンモックでうまくバランスが取れずグラグラと揺れている息子、体勢も表情も常に変わります。 真剣な顔、嬉しそうな顔、ヒヤッとする顔、全てがめまぐるしく動く為ピントを合わせるのもなかなか一筋縄ではいきませんが、落下しないように注意しながら撮影する方も一筋縄とはいきません。 そんな中でも強化されたAFのおかげで、子供の動きに気を使いつつ簡単に撮影することが出来ました。強化されたAFは、こういった場面で本当に助かります。
子供を連れて実家に帰るとちょうど夕日が玄関脇の花を美しく照らしていました。玄関の扉を開けると「いらっしゃい」と挨拶が始まり、孫がくるのを待ちわびていた祖父母と孫の忙しないやりとりが始まると、撮影どころではなくなります。子供たちを先に家へ入れると想定通りの忙しない時間が始まりましたが、少しだけ遅れて入るようにしたことで撮影する時間を作れました。 花の撮影なのでマクロレンズに交換して撮影したいところですが、レンズ交換をしている時間がありません。そのため、望遠端50mmで絞りを開放にして近接撮影をしたところ、思いのほか優しい描写をしてくれました。こういった特徴をつかんで楽しむというのは、まるでオールドレンズのようでキットレンズながら使いこなす楽しみがあります。
牧場に付くと大抵の羊は、草を食べるのに夢中です。それでも息子は、大きな羊が怖かったのか近づいては逃げるの繰り返しで、なかなか触る事ができません。そんな無害な息子をよそに黙々と草を食べる羊が面白くて撮らせて頂きました。 優しそうな表情とともに、柔らかそうに見えて以外と硬い体毛、すっと伸びたまつ毛、艶やかな瞳の質感まで驚くほど良く描き分けています。E 35mm F1.8 OSSとの組み合わせは、子供と一緒に遊んでいても軽快に動き回る事ができるサイズです。この組み合わせは、子供と過ごす時間の中でも画質を諦める必要がほとんど無いのだなと感じさせてくれました。
牧場に着いて車を降りると子供は牧場入口に向けてまっしぐら。駐車場は、子供にとって非常に危険な場所の為、はやる気持ちを落ち着かせつつ安全に移動する為に肩車をして向かいます。その間、雲をまとっていた雄大な富士山の山頂が見えました。ちょうどE 18-135mm F3.5-5.6 OSSを装着していたので、その迫力を引き出したくて望遠端で撮影。アンチダスト機能が搭載されていないため、レンズ交換をあまりしたくない場合やさまざまな状況に対応するには、このコンパクトな高倍率ズームが活躍してくれます。重量も325gと軽くα6100の機動力をぞんぶんに活かすことができる組み合わせです。
カメラに対するソニーの想いが詰まったベーシック機
とにかく軽快に疲れ知らずで一日中撮影が出来たα6100、コンパクトカメラより高画質、フルサイズカメラより軽量コンパクト。趣味の時間、ひとりの時間、家族との時間などを大切にしつつ、記録や作品を残したいという方には、非常に有力な選択肢となるのではないでしょうか。
APS-C Exmor CMOSセンサーと新世代の画像処理エンジンBIONZ X、それをサポートするフロントLSIを搭載し、画像の処理速度、解像感、色の再現性の向上に留まらず、14bit出力など撮影後も写真を高画質のままデータ化することが出来るようになっています。その高画質を後押しするAF性能は人物だけではない、愛すべき家族にまで対象を広げています。それをこのベーシック機に搭載したことこそ、ソニーが求めるカメラのブレない姿を教えてくれているように思えてなりません。
現代に求められる高画質高機能を、日頃から持ち歩ける軽さとサイズ感に凝縮したことは、遠くNEX-5から続くソニーのAPS-C機に対する想いを十分に感じさせてくれました。さらに機能が充実したα6400やα6600もありますが、気軽に扱える新世代APS-Cのベーシック機α6100を積極的に手にして、積み重ねる日々の写真を残すというのも佳い選択です。
Photo by MAP CAMERA Staff