602:『SONY FE 12-24mm F2.8 GM』
2020年08月09日
SONYのG Masterシリーズに超広角が追加されました。『SONY FE 12-24mm F2.8 GM』。12mmスタートで全域開放値F2.8という驚異的なスペックでありながら重量は約847gという軽さ。そして何よりサイズが小さいのが魅力。次世代機も視野に捉えた4基のXDリニアモーターを搭載したAFシステムは、高速かつ静音性に優れています。
12mmという超広角域を活かせば普段とは違うアプローチで撮影することが可能なので、自分だけの撮影表現を見つけることが出来るのが大きな強み。12mmから24mmズームでF2.8通しという世界初のレンズ、早速ご覧ください。
絞った際の解像感、中央部のみならず周辺に至るまで素晴らしいの一言。リサイズした画像でもその解像感を実感していただけると思います。プロフェッショナルな撮影で超広角レンズを探していた方にとって第一候補になること間違いありません。
際立つスペックに目が向いてしまいがちですが、もちろん色ノリや画作りの良さも一級品。赤の深みが素晴らしく再現されており、その場の雰囲気などもまとめて写し出す描写力を持っています。
超広角だからこそのダイナミックな拡がりが面白く、水鏡を使ってリフレクト写真を狙った一枚。少し手を伸ばしながら水面ギリギリで撮影したのですが、レンズが軽いおかげで疲れることなく撮影することが出来ました。
広角側、開放で青空を撮影すると周辺減光なども見受けられますが、中央部の解像はどこまで見ても見事。周辺部の像の流れはほぼ無いと言っていいですし、歪曲も徹底的に抑えられていてG Masterレンズの水準の高さを思い知らされます。
走っている最中のランナーを逆光で捉えた一枚。ちょうど両足が空中に浮かんでいる瞬間を撮影することが出来ました。AFはとても俊敏で、咄嗟に狙った被写体の決定的瞬間も撮り逃がすこともありません。超広角の大迫力なパースを活かした動体撮影にもこのレンズなら挑戦出来ます。
今回もっとも面白いと思った一枚。雨の降った日、最初は水滴を撮ろうとしたのですが、ガラス越しの歩行者にピントが合い水滴が丸ボケになったのでそのまま撮影しました。ガラス越しの開放でも遠景の看板の文字がスッキリ解像されているのも驚きました。しっかりと動きを止めたいと思い、十分なシャッタースピードを確保しましたがF2.8という明るさのおかげで感度を上げすぎることもなく撮影できたのもレンズ性能のおかげです。
今回12mmという超広角を持ち出して気づいたのは、反射を取り入れる面白さ。標準域では収めきれなかったイメージをたっぷりと捉えられるのは超広角レンズだけの特権です。何よりも、どこまでも線を綺麗に描く解像の高さがこの『SONY FE 12-24mm F2.8 GM』の魅力だと思います。
超広角の頂き。
G Masterレンズの写りや性能には毎回驚かされますが、今回はカメラ史上初となる12mmから24mmのF2.8通しのズームレンズということでSONYの勢いを感じる一本となりました。周辺の像の流れや歪みの少なさの優秀さや、AFの速度、静音性。スチールだけでなくムービーにおいてもプロフェッショナルな環境でも通用する性能を持っています。隅まで像が流れることもなく、収差を徹底的に抑えた解像力とF2.8という明るさを持つレンズなので星景写真においても活躍が大いに期待できるところです。解像力、表現力、携帯性などどの角度から見ても隙なく仕上がった『SONY FE 12-24mm F2.8 GM』。現時点で最高の超広角レンズとも言えるこのレンズ、是非レパートリーに加えてほしい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff