トキナーからフジフイルムXマウント用のAPS-C用大口径レンズ『Tokina atx-m 23mm F1.4』『Tokina atx-m 33mm F1.4』の2本が発売されました。23mmは先日Kasyapaでご紹介しましたので、今回は『Tokina atx-m 33mm F1.4』をご紹介します。33mmは35mm換算で50mm相当という、いわゆるど真ん中の焦点距離の標準レンズです。焦点距離以外の特長は23mmとほぼ同じ。「ユーザーが創作行為を掻き立てられる」をコンセプトに、300gを切る小型軽量で、動画撮影に対応したクリックのない絞りを有し、AFは静かで速いです。レンズ構成は23mmが10群11枚なのに対し、33mmは9群10枚という違いがあります。さっそくどんな写真が撮れるかご覧ください。
いざ左ハンドルのベンツで撮影旅行へ出発です!といきたいところですが、近所の展示場に飾られていた高級車の内装を撮らせてもらいました。ガラス越しを感じさせない解像感です。何に使うのかわからないボタンなどがいくつもあってワクワクします。
誰もいない浜に出ました。海を覗くと太陽を受けて海底には水面の影ができ美しいです。箱が沈んでいるのを見つけました。宝箱だったらよかったのですが、大きな石がひとつ、その箱を沈めるためのおもりかのように入っていました。一体なんのためでしょう。
壁も床も屋根もすべてが白いカフェに入ります。見上げると天窓からは自然光が入り、おしゃれなライトが白熱灯で照らします。ミックス光ですが自然光が強く、色温度で迷うことなく見たままに撮れました。
サンドウィッチを好きになったのは大人になってからでした。料理をするようになったからかもしれません。サンドウィッチには複数のフィリングが挟まれていて色々な味がします。それもフレッシュな具が多いと気づいたからです。フィリングを何種類も準備しなければならないのに、食べるときにはまとめてガブリですから、意外と贅沢な食べ物だと思うのです。
枯れ草と観覧車という組み合わせはなかなか珍しいのではないでしょうか。観覧車のまわりは整備されていることが多いと思います。昔は空き地に移動型遊園地がやってきたそうですが、そんなノスタルジックな風景を想起させられました。
夕陽を受け、穂が輝いていました。F1.4の開放でどこまでも続く道の奥行きを写します。景色は美しく溶け、色のグラデーションとなりました。
半乾きの干潟に刺さった棒が影を伸ばしています。土の表面には細かな水の跡がシワのように現れ、そのひとつひとつにさえも影ができました。うっとりするようなオレンジと黒の世界にしばし時を忘れます。
夕陽が綺麗な時間はあっという間で、すぐに夜になります。日が落ちてそう時間が経っていないので、見上げると明るさが残った空に大きな葉が個性的なシルエットとなり浮かび上がっていました。葉も月もしっかり写るよう絞ります。
創作のための明るい標準レンズ
23mmもそうでしたが、フジフイルムのカメラとの相性の良さを感じました。芯がありつつもその表現は柔軟で高画質。まさに作品制作の相棒となってくれるでしょう。絞りは開放とオートを多用したので、端から端までぐるっと回していましたが、軽すぎたり重すぎたりすることなくスムーズでした。撮影には23mmと33mmを同時に持ち出したのですが、33mmの使用頻度がやや高かったように思います。しかし23mmを選びたくなるシーンももちろん多く、両方バッグに入れても600g未満ですから2本持ちをおすすめしたいです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff