FUJIFILMからXマウント待望の大口径・広角レンズが発売となりました!『FUJINON XF23mmF1.4 R』、23mmと珍しい焦点距離ですが、35mm判換算では35mm/f1.4と馴染みのある、魅力的なスペックのレンズになります。特にスナップ等で愛用されるFUJIFILMのXシリーズですから、このスペックのレンズは期待されている方も多いのではないでしょうか。外装の高品位な仕上げと相まって、否応にもその描写に期待が高まるレンズです。
まずは少し絞り込んで、遠景のビルから近景までしっかりとした描写ですね。周辺まで破綻無く、解像感もしっかり。色再現も素直でスッキリとした描写が好印象です。
開放での遠景描写、周辺に若干滲みが見られますが、ピント面はしっかりと立っています。とっさのシャッターでもF1.4まであればシャッタースピードを稼げますから、このスペックはやはり大きい魅力です。
35mm判換算で35mmというと、日常使いにちょうど良い絶妙な焦点距離。レンジファインダーカメラでも重用されるスペックですが、使ってみるとなるほど納得する画角です。50mmほど絞り込ませず、その場の風景をおさめるのにちょうどいい、被写体を限定して写し込みたいなら、そこはF1.4ですから開放付近で描き出す事も出来ます。ボディにつけたままで撮影して歩くのに、スナップからクローズアップまで、使い方次第で大きな可能性を秘めているレンズとも言えるでしょう。
しかしヌケの良い描写です。鮮烈で瑞々しさを感じさせるその色再現は、大口径にしてとても魅力的なものです。
広角でもf1.4ともなればボケを積極的に楽しむ事が出来ます。被写体を浮かび上がらせる効果も期待できますが…これは少し絞り込んだ方が良かったかもしれません。ちょっとボケすぎな位ですね。
もちろん、夜間や暗いシチュエーションではこのレンズは大活躍でしょう!高感度に強い『X-Trans CMOSセンサー』との組み合わせは心強いものです。
マニュアル・フォーカスへの切り替えもワンタッチ、距離指標・被写界深度指標もしっかりとレンズに描かれていますから、ピントを固定してのスナップにも力を発揮してくれます。
少し暗めな被写体も1カット。こうして少しアンダー目に振ると、このレンズの質感描写の良さが一層際立ちます。歴史を感じさせる暖簾の、少しあせた色合い。風雨にさらされた木部の質感等も、その重みを感じさせるかのごとく描くこのレンズ。その素性の良さは一目でお分かり頂けるかと思います。
立派な花形のフードも付属しています。遮光性能はバツグンですが、逆光にはとても強いレンズでしたので、コンパクトに使うのであれば単体での使用で、軽快に撮影するのもおすすめです。レンズ自体は先に発売となっている35mm/f1.4とほぼ同じサイズ感ですが、23mm/f1.4というそのスペックと、その描写性能を考えれば決して大きなものではないでしょう。このレンズ1本と、ボディ1台で、旅行等に行くのもとても楽しそうです。『XF FUJINON LENS』中でも素晴らしい描写を誇るこのレンズ、その汎用性の高さと相まって、Xシリーズを更に魅力的にしてくれる1本の登場と言えるでしょう!
Photo by MAP CAMERA Staff