先日ニコンより発売されたF1.8の単焦点レンズ「AF-S 20mm F1.8G ED」。実際に撮影をし、F1.8レンズの小型軽量による使いやすさと描写の良さを改めて感じました。
そこで今回はもう一度F1.8シリーズのレンズを見直してみようと、レンズを2本チョイスして旅に出る事にしました。
1本目は単焦点の定番レンズ「AF-S 50mm F1.8G」です。
他社からも評判の良い互換レンズがラインナップされる50mmレンズは、価格差はあるもののそれぞれに特徴があり、どれを購入するか頭を悩ませます。
「Nikon AF-S 50mm F1.8G」はとにかく軽くとコストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
コストパフォーマンスが優れているというのは、単に価格が安いと言うのではなく性能も高いというのがポイントです。
自然な遠近感が得られる描写で大きなボケも楽しめます。
カメラは最高画質機の「Nikon D810」を使用しました。カメラの機能を最大限に引き出した見事な描写力です。
以前「D800E」が発売された時、D800Eの画質性能を存分に引き出すための推奨レンズいうものがあり、本レンズがその推奨からもれていたのが不思議なくらいです。
最短撮影距離は約45cm。もう一歩寄れるとさらに嬉しく感じる距離感ですが、非球面レンズを使用した歪みの無い自然な描写から、その分アングルを工夫してみようと思わせる写欲を刺激するレンズです。
コントラストの再現性も素晴らしく、すだれ越しの涼しげな様子もしっかり伝えています。
メインの被写体はとてもシャープに。背景のボケも絞り1段毎にいろんな変化を見せてくれる楽しさがあります。
まさにスナップの王道として楽しめるレンズです。
続く2本目のレンズは「Nikon AF-S 35mm F1.8G ED」。2014年2月に発売されたF1.8シリーズでは新しい部類のレンズです。
さすが最新レンズと思わせる透明感の高い描写に目を奪われます。
すでに本サイト「Kasyapa」で紹介済みのレンズですが、カメラの画素数に比例してより鮮鋭感が増した印象を受けます。
50mmと同じ感覚で被写体に寄ってのスナップショット。画角が少し広がるだけでも印象が大きく変わります。
拡大してより見えてくる草花の瑞々しさに改めて高い描写性能を感じます。
センサーにゴミが乗るのを恐れ、ズームレンズを付けっぱなしにする事が多い筆者ですが、単焦点レンズをこまめに取り替えるスナップ撮影も結構楽しいものです。
軒下に置かれた睡蓮鉢。少し暗めのシーンでしたが大口径F1.8のおかげで、ISO感度を上げることなく被写体の質感優先で撮影できました。
開放による大きなボケと僅かに周辺光量を落とす事で、白い花の印象がより強調さた写真になりました。
本レンズは優れた描写力に加え、約25cmまで寄ることが出来る接写力の高さも忘れてはいけません。
35mmとは思えない迫力ある接写撮影が楽しめます。
35mmではスナップ撮影に最適の開放感が得られます。メインの被写体と背景のバランスがとりやすく、筆者もお気に入りの焦点距離です。
秋の草花1本1本の様子がしっかり伝わる高い解像力は、パソコン上で必要以上に拡大したくなる不思議な魅力があります。
期日気にせず自分のペースで撮影した単焦点レンズでの旅先スナップ。ゆったりとした気分で撮影できたのは、機材の軽量さによる部分が大きかったと感じます。
確かにズームレンズの快適さも捨てがたいのですが、被写体に合わせて自身の足で微妙な距離感を詰めていく楽しさも感じました。
今回使用した2本の合計の重さは約490g。軽量なズームレンズ「AF-S 24-85mmF3.5-4.5G ED VR」と比較してもさほど変わらない重さです。
それでいてF1.8の大口径のボケ味が楽しめるというのはなんとも贅沢な限りです。
Photo by MAP CAMERA Staff