Panasonic LUMIX G9 PRO
with
OLYMPUS F1.2 PRO Lens series
2018年1月25日に満を持して登場した、パナソニックの “ 静止画のフラッグシップ機 ” 『Panasonic LUMIX G9 PRO』。
今回はG9 PROのKasyapa第2弾ということで、同じマイクロフォーサーズ規格であるオリンパスのレンズを使用したフォトプレビューをお届けしたいと思います。
使用するレンズは、オリンパスのF1.2 PROレンズシリーズ3本。準広角域の17mm、標準域の25mm、中望遠域の45mmです。「にじむボケ」が特徴である人気のレンズシリーズですが、パナソニック機で使用するといったいどんな画を見せてくれるのでしょうか。期待に胸を膨らませつつ、早速撮影へと向かいました。
冒頭の写真は『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO』で池に滴る水を捉えた1枚です。F1.2の浅い被写界深度の中でも的確にピントを合わせてくれるG9 PROの実力と、F1.2 PROレンズシリーズの柔らかなボケ味のおかげで印象的な1枚に仕上がりました。また、滴り落ちる水滴の一粒一粒をAFが絶え間なく追いかけていたことも強く印象に残っています。
パナソニック機でオリンパスのレンズを使用したのはこれが初めてでしたが、手ブレ補正も問題なく作動しており、スムーズに撮影を行うことが出来ました。
with M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
大きく見やすいファインダーのおかげで、細かなピント合わせも思いのまま。ファインダーが違うだけでこんなに変わるのかと驚きました。MF使用時のピント拡大もとても使いやすいです。開発の際にこだわりにこだわり抜いたというファインダーはぜひ一度、覗いていただきたいです。
この日の最低気温は氷点下を下回っていたからか、あまりの寒さに池の半分が凍り付いていました。ちょうど氷が張っていないところだけ風景が写りこんでいて、いつもとは少し違った庭園の様子を捉えることができました。
with M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
店内に降り注ぐ柔らかな光によって出来た絶妙な陰影をしっかりと写し出してくれました。G9 PROのインタビュー記事の中で「今回は絵作りに力を入れている」と開発者の方が仰っていたことを思い出します。ただシャッターを切るだけでも洗練された1枚が撮れるので、G9 PROに慣れてしまったらもう他のカメラには戻れない気さえしてきます。
本レンズの最短撮影距離は30cm。換算で50mm相当のレンズであることを考えると、かなり寄れるレンズであると言えるでしょう。このようにテーブルフォトもばっちりこなしてくれます。
この日、何度か「かっこいいカメラですね」と道行く人や立ち寄ったお店の店員さんに声をかけられました。ダイヤル部のレッドラインやペンタ部の形状など、随所にデザインへのこだわりが見られるG9 PROだからこそ道行く人の目にも留まったのでしょうか。私が開発したカメラではありませんが、なんだか誇らしげな気持ちになりました。持つ悦びも充分に味わえるのもG9 PROの大きなポイントなのではないでしょうか。
with M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
準広角域である17mmでは、絞った写真をメインにご紹介いたします。
柔らかなにじむボケが特徴のオリンパスF1.2 PROレンズシリーズ。絞るとたちまちキリリとシャープな印象になり、G9 PROで撮影することで、よりその深みを増します。やはりG9 PROは陰影の描写が秀逸であると使うたびに実感します。
海の前にそびえ立つオブジェ。ファインダーを覗かずに、腰の位置くらいから撮影を行いましたが、新搭載されたステータスLCDのおかげで快適に撮影を行うことができました。
夕日が沈む数分前に撮影をした1枚です。太陽の周りのなだらかなグラデーションがとても美しく、そこから伸びる光芒がビルを優しく照らし出します。
空は一番身近な被写体ですが、それと同時に意外と撮るのが難しい被写体でもあります。思ったより空の色が出なかったり、コントラストが高すぎてしまったりと失敗することも多々あるのですが、G9 PROはまさに「風景を切り取る」という言葉がふさわしく、見たままを丸ごと写し出してくれました。
『Panasonic LUMIX G9 PRO』のKasyapa第2弾をお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
実は1日で3本すべての撮影を行ったのですが、3本もレンズを持って行って体力が持つかどうか少し心配でした。ですが、ボディはもちろんそれぞれのレンズも小型・軽量のため想像以上に撮影は快適でした。きっと、フルサイズ機やAPS-C機ではこうは行かないでしょう。コンパクトなシステムは、マイクロフォーサーズ機の最大の強みです。
最新レンズである『LEICA DG ELMARIT 200mm F2.8 POWER O.I.S.』をはじめとするライカレンズシリーズなど、パナソニックにも高性能なレンズはたくさんありますが、そこにオリンパスのレンズが選択肢として加わるとさらに撮影の幅が広がります。いろいろなレンズを試して、ぜひお気に入りの1本を見つけてください。
Photo by MAP CAMERA Staff