725: キリリと高コントラスト『Voigtlander COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL II S』
2021年10月20日
カメラが高嶺の花で、所有することが憧れであった時代。そんな時代をオマージュした金属製外装デザインのフォクトレンダーSLIIsシリーズ初の広角レンズが登場しました。『COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL II S』は周辺までシャープな画質で好評を博した『COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SLII N』のレンズ構成を受け継ぎつつ、フォーカシングユニットが一新されています。今回は一眼レフ機『Nikon D780』に合わせて撮影してきました。その写りをどうぞご覧ください。
ショーウィンドーに工芸茶が飾られていました。工芸茶は中国のお茶で香りが高く、お湯を注ぐとパッと花が咲くように開きます。お湯を繰り返し注ぐことで何度か飲めますし、そのあともこうして飾ることで目でも楽しめるのです。
言わずと知れた東京駅舎の天井。何度も撮ったにもかかわらず、ここを通るとどうしてもまた写真に収めたくなってしまうのです。28mmの画角にきっちりフレーミングします。繊細な黄色が美しく描写されて、白い細工も精細に描写されています。
誰もいないエレベーター。乗った瞬間にこの素敵な空間を写したくなり、鏡越しにマニュアルフォーカスでピントを合わせます。極わずかな時間で撮影を済ませ、扉が開いたらすまし顔で降りました。ピントの山が見やすいレンズのなせる業です。
電動自転車が止まっていました。かつては機能かルックスのどちらかを選ばざるを得ませんでしたが、いまは進化しており両立できる時代になりました。太いタイヤがおしゃれですし乗りやすそうです。
この時期はカボチャの装飾が増えます。簡易的なものから本格的なものまで差があり、ある程度重厚感のあるものはカメラを向けても絵になると感じます。こちらはいかにも重そうなカボチャで本物かと思ったのですが、よく見たところリアルな作り物でした。オレンジのカボチャを主役にピントを合わせます。
キリリと高コントラスト
カラー・スコパーが発表されたのは1949年のこと。現代のカラー・スコパーはかつてのニコンレンズのようなオールドスクールなルックスをオマージュしており、それが今の時代には逆に新しく感じ、レンズを手にする喜びを掻き立ててくれます。中身は最新のテクノロジーが詰まっているので、周辺部まで精細な描写が可能です。キリリとした高コントラストで立体的な表現を得意とする魅惑的なこの一本。ぜひお手にとってお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff