軽量コンパクトながら高画質を誇るフジフイルムXシリーズの人気機種『X-T30』の後継機が登場しました。その名は『FUJIFILM X-T30II』。使いやすいサイズと操作系はそのままに、心臓部とも言えるCMOSセンサーと画像処理エンジンには『X-T4』と同じものを搭載。Xシリーズの上位機種に引けを取らない撮影がこなせるとても嬉しい1台です。オートフォーカス性能も飛躍的に向上し、さらに魅力に満ちた機種へと生まれ変わった本機、ぜひその描写をお楽しみいただけたらと思います。
今回の撮影ではキットレンズである『フジノン XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ』と最新の標準レンズ『フジノン XF33mm F1.4 R LM WR』の2本持って臨みました。洋風の建物を様々な角度から撮影したのですが、壁や屋根の質感や陰影の表現が見事。このキットレンズは本当に良く写し出してくれます。
室内にて。このしっとりとした質感とグレートーンの美しさ。この小さなボディが生み出す写真には、フルサイズ機をも凌駕する実力が秘められているように感じます。
撮影したのはまだ紅葉の美しい時期。真っ赤に彩度を上げて撮るモミジも素敵ですが、繊細な色の違いを感じられるフジフイルムの色表現は流石だなと感じた一枚です。そして立体感を生み出すボケ味と線の細い解像感など『フジノン XF33mm F1.4 R LM WR』の描写力にも圧巻です。
斜光が強くなるこの季節、露出をどこに合わせるかで写真の印象は大きく変わってきます。青空をバックに鮮やかな紅葉を撮るのも素敵ですが、落ちた葉から感じる季節の余韻や名残など目に見えないものを撮すのも写真の面白さだと思っています。
光と影のコントラスト。ここぞという時にフィルムシミュレーション「CLASSIC Neg.」が使えるのはうれしいポイント。『FUJIFILM X-T30II』のクラシカルな外観も相まって、まるでフィルカメラで撮影しているような感覚になってしまいます。
使い手を選ばない、正当な進化。
本体のほぼ中央に配置してあるファインダーとレンズ。『FUJIFILM X-T30II』は誰しもが想像するカメラらしいスタイリングながら、上位機種と同等の画を写し出す機種です。普段『X-T4』など上位機種を使用している方には、もっとライトに。初めてカメラを手にする方には、使いやすさと写真の楽しさを。そして他マウントを使用している方には、Xシリーズの素晴らしさを体感できる一台だと思います。
誰しもがXシリーズの画作りを楽しめる『FUJIFILM X-T30II』。いつでも傍に置いておきたくなる、そして写真を撮りたくなる、そんなカメラです。
Photo by MAP CAMERA Staff