912:あらゆる瞬間を捉える『SONY α9III』
2024年01月28日
CP+2024SONYSONY E Mount(フルサイズ対応)SONY FE LensYouTubeα9III 120コマ/秒対応動画撮影
歴史に名を刻むカメラが誕生しました。現時点で世界初、グローバルシャッター方式フルサイズイメージセンサー搭載『SONY α9 III』の登場です。全画素を同時に露光させて読み出しを行う事で、高速で動く被写体であっても像が歪むことのないグローバルシャッター。グローバルシャッターという言葉がいつからあったのかもはや覚えていませんが、そんな夢のようなシャッター、いつ実現されるのだろうと思っていましたが「その日」は2024年にやってきました。『α9』はAF/AE追従最高20コマ。『α9 II』はブラックアウトフリー AF/AE追従最高60コマ。そして『α9 III』ではブラックアウトフリーAE/AF追随・最高約120コマ/秒に加えて、半押ししていた最大1秒前までの連写画像を記録できるプリ撮影、シャッタースピード1/80000秒(連続撮影時は1/16000秒)までの全速フラッシュ同調、8段のボディ内手ブレ補正と格段の進化を遂げて登場してきました。Eマウント機のプロフェッショナル向けモデルとして最先端の機能を搭載してきたα9シリーズは『α9 III』にしてまた新たな境地にたどり着きました。基本的に屋外でのスナップ撮影がメインとなりますが、新世代のグローバルシャッターで撮影してまいりました。ぜひフォトプレビューをご覧ください。
『α9III』に搭載されたプリ撮影機能は、なんと半押ししていた間の最大1秒前までさかのぼって写真が保存されます。おかげで白鳥が羽根を広げた瞬間もばっちり撮影できました。動画では他にも超望遠単焦点『FE 600mm F4 GM OSS』を使用したカットや、各機能の使い勝手も合わせて詳しく紹介していますので是非ご覧ください。
ここから一度シーンを切り替えて、スナップ撮影に持ち出してみます。まずは『FE 24-70mm F2.8 GM II』との組み合わせでオフィス街を撮影。カリッと絞って解像感を見てみました。有効約2460万画素と画素数としては控えめですが、十分に解像されておりシャープな写りではないでしょうか。
彩度の高い被写体はどんな感じに写るだろうとほんのテストの気持ちで撮影したのですが、赤のヒストグラムが綺麗な山を描いて色が破綻していなかったことにとても驚いた一枚です。毒味のない鮮やかな色を再現してくれました。
毛づくろいをしているのか、じゃれあっているのか。二頭の鹿が顔を寄せ合っている瞬間を撮影しました。『1.4x Teleconverter』を使用していますが、一本一本の毛の解像感や濡れた鼻の質感など見事な描写力です。
次に『2x Teleconverter』を装着して撮影しました。しっかりと光が当たっていれば非常にクリアな描写になります。
フラミンゴが水浴びをしている様子を連写し繋げてみました。連写をしていてもしっかり羽根のディテールまで解像できているのには驚きです。今回128GBのメモリーカード(CFexpress Type Aも含む)数枚で撮影に臨みましたが、フラミンゴの撮影に夢中になっていたらあっという間にカードが一杯になってしまいました。最終的には512GBのカードでも足りないくらい。本格的にがっつりと撮影をしたい場合は大容量のメディアを用意しておいたほうが良いでしょう。プリ撮影まで使えば、本当にあっという間になくなります。512GBを二枚挿して最初の準備が整ったというところでしょうか。さすがに書き込み速度が遅いメディアではすぐにバッファが溜まってしまいましたが、RAW+JPEGでも連写できたのは良い意味で想定外でした。
猿の額の幅が倍以上に広がるのが面白かったので、連写して最も額が広がった瞬間をピックアップしました。一度マニュアルで柵の向こうの猿にピントを合わせたらAFがガッチリと合わせ続けてくれます。
縦撮りでリスの食事シーンを高速連写。その中からリスが食べようと嚙みちぎって結局口の中に入っていない瞬間を切り取りました。高速連写に加えプリ撮影機能も合わさったことで、今まで取り逃していた表情まで的確に捉えることが出来るようになりました。
食事中の鹿をテレ端400mmで撮影。こちらの視線に気付いたのか食事中の鹿がみんな一斉にこちらを見てきました。背景ボケでもこちらを見ているのが分かるシルエットがじわじわきます。少し陽が落ちてきた時間帯ということで感度を上げてみましたが、毛並みもしっかり表現されておりまだ余裕が感じられます。
このカメラで撮りたいとなると高速で動く被写体がメインになるとは思うのですが、それだけではもったいないので質感描写も見てみます。革、金属の質感や光沢感などもしっかり出る印象です。
最近野鳥撮影にはまっているというスタッフが、プリ撮影機能を使って撮影したカット。飛び立つその瞬間も振り返って記録することが出来ました。
ISO5000での撮影。ノイズが気になってくるかと思っていましたが、その場の光量によってだいぶ結果が変わってくるようです。撮影のシチュエーションを整えることが出来ればネガティブになる必要はないかもしれません。
8段の高性能光学式5軸ボディ内手ブレ補正により、スローシャッターも難なく撮影できます。
あらゆる瞬間を捉える
連写性能に特化したことでベース感度がISO250になり、画質に影響が少なからず出てしまうのではないかという不安があったのですが最初の白鳥のカットから始まり実際に撮影してみてその心配は杞憂に終わりました。スポーツ・野鳥撮影・モータースポーツなどの決定的瞬間を逃したくない方にとって新しい可能性を提示するカメラとなることは間違いありません。オールインワンモデル『α1』ベーシックモデルの『α7』高画素機の『α7R』高感度耐性の『α7S』今回世界初のグローバルシャッターを搭載し、驚くべき連写性能を手に入れた高速連写・プロフェッショナルモデル『α9』。これで各モデルの特性がはっきりと分かれたように思えます。あらゆる瞬間を捉えられる『α9III』。ぜひ新時代のモンスターマシンを体感してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff