936:あの銘玉がフルサイズに『SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN E-Mount』
2024年06月04日
APS-C用レンズとして登場し、レンズ界隈を賑わせた「Art 18-35mm F1.8 DC HSM」のフルサイズ版とも言えるレンズ。世界初のフルサイズ用、ズーム全域 開放値 F1.8通しの『SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN』が登場しました。「Art 18-35mm F1.8 DC HSM」はスチールはもちろん映像用のレンズとして多くのユーザーに重宝されたレンズでした。このレンズもインナーズーム機構を採用し、フォーカスブリージングを抑えた設計や繊細なフォーカス操作を行えるマニュアルフォーカスなど多岐にわたる撮影ジャンルに対応した造りになっています。それでいて重量は1kg以下と、利便性にも優れた一本。単焦点画質のズームレンズはフルサイズ用になって、どのように進化したのか。早速撮影に行ってまいりました。ぜひご覧ください。
歩いている人たちが陽だまりに入ったタイミングを見計らって、シャッターを切りました。オートフォーカスのレスポンスもとても良好です。そしてさすがは開放値F1.8。広角端の28mmでもしっかりとした立体感を感じることができます。
平面のようですが、実際には左端のほうが奥まっています。それでもF8まで絞ることで四隅の隅までしっかり解像してくれました。こちらはクリックすると等倍サイズで確認することが出来ます。
葉先で今にも落ちそうな水滴。オートフォーカスが水滴にしっかりピントを合わせてくれました。立体感がよく出ていて素晴らしい描写です。
少し早朝に時間を戻します。陽が射さない状況下で朝露のついた葉を撮影してみたところ、幻想的なシーンを撮影することができました。光の乏しいシチュエーションでも葉脈や毛までしっかり写してくれています。※クリックで等倍サイズでご確認いただけます。
ズーム中間域かつ開放絞りで撮影。どの焦点距離でも単焦点レンズに匹敵する描写を見せてくれます。
ズーム全域で最短撮影距離30cmまで寄ることが出来ます。つまり45mmテレ端では最大撮影倍率:1:4となります。最短撮影距離でも非常にクリアで滲みのない写りを見せてくれました。
少し遅れてのカフェでの一休み、ハチミツがかかって艶のあるトーストは見た目通りの美味しさでした。この日は曇り空に雨がぱらつく一日で窓からの外光もあまり期待の出来ないシチュエーションでしたが、明るいレンズのおかげで感度を上げずに撮影できました。その場で俯瞰で撮影できる画角の広さが選べるのはやはり便利です。
かなり寄った状態でテレ端での撮影です。少し絞ったおかげでマスコット人形をしっかり解像することが出来ました。背景の椅子の輪郭が分からなくなるほどのボケ感は予想外。最短撮影距離が短いおかげで、開放絞りにこだわらずともボケを活かした撮影も出来ます。
撮影前にモニターを見た時はフリンジが出てくる兆候が現れたのですが、いざ撮影してみると嘘のように消えます。拡大して確認してもほぼほぼ見受けられません。結果今回ゴーストは一切確認出来ませんでした。陽射しの強い時期や朝焼け夕暮れの時間帯だとまだ分かりませんが、高い逆光耐性をもっていることは間違いありません。
あの銘玉がフルサイズに。
今も昔もチャレンジングな企画でユーザーの子供心をくすぐってくれるシグマですが「Art 18-35mm F1.8 DC HSM」が発売された当時も、それはそれは「シグマがまたすごいレンズを出した!」と騒いだものです。今回このレンズが登場すると分かったときも「やっぱり出た!」と一人心弾んでおりました。フルサイズ用を待ち望みつつ「そうなってもやっぱりサイズ感や重さがネックになるかも」と思っていたので、1kg以下の重さと聞いてまたしてもニヤリ。実際カメラに装着して撮影してみても標準ズームレンズと変わらない扱い方が出来ました。28mmから45mmまでの単焦点を一本にまとめたスーパーなズームレンズ。ぜひ体験していただきたい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff