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945:想像を超えた表現を『Nikon Z6III』

945:想像を超えた表現を『Nikon Z6III』

2024年07月12日

 

「Z6/Z7」から始まったニコンのZシリーズ。ここから「Z9」「Z8」などのフラッグシップモデルや「Z30」や「Z5」といったV-log、エントリ-モデルへと派生していくわけですが、Zシリーズの始祖とも言える「Z6/Z7」の新型が出るというのは、やはり胸高鳴るものがあるわけです。というわけで『Z6III』がついに登場しました。今回進化した中でも最も注目したい点は読み出し速度がZ6IIの約3.5倍、最大約120コマ/秒の静止画撮影や、フルHD240pの動画撮影、さらに6K60pのN-RAW動画のカメラ内記録を実現した「世界初の部分積層型CMOSセンサー」とZ6IIの約4倍、Z9をもしのぐ4000cd/m2の明るさ、ミラーレスカメラで初めて「576万ドットDCI-P3相当の広い色域をカバーしたEVF」でしょう。特にAFは条件によっては-10EVと暗いシーンで「Z9」や「Z8」さえしのぐ高い性能を誇っているといるとのこと。他にも「8段」の手振れ補正機構や、個性的な画づくりを追求できる「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」など「Z6II」と比べるとあらゆる面での進化を果たしています。多少横幅が増えましたが「Z6/Z7」と変わらぬ握り心地。どんな写りを見せてくれるのか撮影してまいりましたのでぜひご覧ください。

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/13000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

『Z6III』は電子シャッター時にはシャッタースピードを1/16000秒まで設定することが出来るので、明るい時間帯でもF1.2の開放絞りで撮れます。少し曇っていたというのも幸いしました。条件にもよりますが-10EVでもオートフォーカスが効くので、昼夜を問わずポートレートや人物撮影、スナップでは「Z9、Z8」以上の性能が期待できます。
 

焦点距離:400mm / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:320 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S

 

世界初の撮像部の上下に高速処理回路を積層配置した部分積層型CMOSセンサーを搭載した『Z6III』は最大で読み出し速度がZ6IIの約3.5倍、約20%速い合焦速度による高速連続撮影が可能です。波に飛び込んだ瞬間の飛沫を躍動感たっぷりに捉えてくれました。こういう飛沫を撮影した際は連写中に予期せぬ位置にオートフォーカスが引っ張られてしまうことがあるのですが、しっかりと被写体に食らいついてくれました。

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

もともとファインダーの見やすさには定評があるニコンですが、『Z6III』の576万ドットEVFは「NIKKOR Z 50mm F1.2 S」などの被写界深度の浅いレンズを使ったときにも真価を発揮します。こんな風に線の細い被写体などどこに合っているのか分かりにくいときがありますが、マニュアルフォーカスでピントを合わせていくときも合わせたい位置が非常にわかりやすかったです。そして『Z6III』も「NIKKOR Z 50mm F1.2 S」の描写をしっかりと引き出してくれました。画素数をおさえたベーシックモデルとは思えないほどよく写ります。

 

焦点距離:120mm / 絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:400 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 24-120mm F4 S

 

 

焦点距離:24mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 24-120mm F4 S

 

今回『Z6III』のキットレンズになっている「NIKKOR Z 24-120mm F4 S」。もはや言うべきことなどない、ユーザーから厚い信頼と高い評価を得ているズームレンズです。広角端での岩肌のディテールの細かさも素晴らしく、一つ前のカットではテレ端でヤシの木を圧縮効果でギュッとまとめられました。順光、逆光どんなシチュエーションでも期待以上の写りを確保してくれるイメージです。キットレンズとしてこれ以上望むべくことのない一本で小型軽量モデルの『Z6III』とは相性まさに◎。まだ使ったことがないという方はぜひこの機会に。
 

焦点距離:220mm(330mm/DXフォーマット) / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:1000 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S

 

「Z9、Z8」から継承した、最大約120コマ/秒(ハイスピードフレームキャプチャー+[C120])時にも可能なプリキャプチャー機能を搭載しており、最大1秒前までの画像を記録することが出来ます。じっと待っている間にほんの一息ついた瞬間に飛び立たれてしまったのですがキャプチャーモードのおかげでなんとか撮れました。C120モードの撮影時はJPEG(Normal)で約10.6MPでの画像サイズでの記録となりますが、羽根の模様がくっきりと分かるくらいよく写っています。

 

焦点距離:400mm(600mm/DXフォーマット) / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:2500 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S

 

このカットもC120で撮影。ぶるぶるっと体をねじっていた瞬間です。本当は薄暗かったので明るさの調整を行っています。シャドウ部ももち上げたのですが、ISO2500での撮影では目立ったノイズも見当たりません。他にもカワセミが餌を口に入れる瞬間やサギの縄張り喧嘩のシーンも狙うことが出来ました。
 

焦点距離:400mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:320 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S

 

防波堤のある人気のない海岸沿いを歩いていると何組かの鳩がいて、唯一の人間を少し気にはしつつも夕暮れ時の憩いの時間を過ごしていました。Z6IIIはAF用の露出をライブビュー用の露出から独立して制御しており、シルエットになっていても人物の顔を検出可能なほどオートフォーカス性能が進化しているとのこと。強い西日が射す中で連写していましたが、かなり正確にフォーカスしてくれたおかげでダンスしているかのように互いが片足を上げた瞬間を撮ることが出来ました。ちなみにこの雄であろう鳩は、他の雄鳩が近寄ってきたら追っ払ってました。

 

焦点距離:120mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:320 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 24-120mm F4 S

 

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/5000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/5000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

タイヤの質感描写に驚愕です。Zマウントを使ったらいつかは使ってほしいのがこの「NIKKOR Z 50mm F1.2 S」。このレンズはZマウントの一つのゴールと言っても過言ではないと思います。解像力も表現力もボケも立体感も全てが極上ものです。

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

日没後の数分間だけ現れたマジックアワー。近くの海の家からはライブの歌声、砂浜で地元の子供たちのはしゃぐ声。マジックアワーの色は驚くほど綺麗で、夢中になってシャッターを切りました。特に『NIKKOR Z 50mm F1.2 S』とファインダーで覗いた景色は肉眼で見たとき以上の鮮やかで美しい景色でした。覗いて写真を撮るのが楽しくなるファインダーです。

 

焦点距離:24mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:400 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 24-120mm F4 S

 

まず左右対称が取りたくて中央にフォーカスポイントを戻したのですが、驚くことにこの暗がりでもピントが合焦しました。本来ならピントを合わせるために明暗差のあるところにフォーカスポイントを置いて撮るのですが、左右のバランスが崩れてしまいがちです。きっちりバランスを取って撮影できるのでとても助かりました。

 

焦点距離:48mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1.3秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z6III + NIKKOR Z 24-120mm F4 S

 

『Z6III』の手ブレ補正機構は「Z9、Z8」も超える最大8.0段の補正効果を発揮します。こうしていろんな機能を比較していくとキャッチコピーの「OUTPERFORM」の通りにフラッグシップに肉薄する優れた性能なのだなと実感しました。

 


 

想像を超えた表現を

ついに三代目となった『Z6III』。高精細・高解像のEVFや-10EVの環境でも使えるオートフォーカスなど使うシーンによっては上位機種を超える性能を発揮するという、とても優れたカメラに進化していました。ファインダーが見やすくなったことで撮影者自身がより多くのシャッターチャンスを掴むことができて、暗所でのオートフォーカスが進化したことでよりテンポのいい撮影が出来て、撮って出しから理想の色を手に入れられるフレキシブルカラーピクチャーコントロールやプリキャプチャーによる高速連続撮影など、フラッグシップモデルに迫る機能の数々を見て、体験しながらカメラはまだまだ進化していけるのだと確信できました。『Z6III』は「Z6/Z7」が登場したときと同じように、これからのZシリーズの未来を感じさせてくれるカメラでした。「Z6」ユーザーにとってはもはや衝撃的な進化、きっと想像を超えた表現が待っています。ぜひその進化を体感してみてください。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

 

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