「5」という伝統の血筋。今回は待望の新世代「Canon EOS R5 Mark II」のご紹介をいたします。新開発の裏面照射積層CMOSセンサー、映像エンジンDIGIC Xに加え、瞬時に解析処理を行うもう一つの映像エンジン「DIGIC Accelerator」を搭載。電子シャッター時の最高約30コマ/秒の高速連写、ブラックアウトフリーでの連続撮影やフリッカーレス撮影、プリ連続撮影、最大8.5段の手ブレ補正効果や最大約1億7900万画素まで拡大可能なカメラ内アップスケーリング機能など静止画での面はもちろん、8K 60p RAW / 4K 60p RAW 内部収録など動画性能においても大幅な進化を遂げました。外観としては全体的に少しずつサイズアップされていますが見た目の印象からはそこまで大きな違いはありません。ただファインダーはおそらく視線入力AFの搭載による影響で深みのある構造になっています。背面のボタン配置は先代と同じで、少し凹凸ができたことにより操作感が良くなっています。新たに上部ダイヤルに静止画・動画の切り替えレバーが設置されたのでスムーズな変更が可能です。バッテリーパックはLP-E6NHの後継機で『EOS R5 Mark II』の高性能化・高機能化に伴う必要電力の増加に対応するため、連続最大放電電流6.0Aの放電に対応した「LP-E6P」を採用。CFexpress Type B・SDカードのデュアルカードスロットを搭載しています。撮る人、一人一人に新しい撮影体験を提供してくれる「EOS R5 Mark II」。その可能性を体験してまいりました。ぜひご覧ください。
今回搭載された視線入力AFを使ってみました。まず最初にキャリブレーションが必要となるのですが、最初の一回の登録だけでかなり高い精度でフォーカスしてくれます。このフラミンゴのカットでいえばバックにいるフラミンゴに視線を合わせればフォーカスポイントが移動して、シャッターを半押しすることでロックされます。こういう被写体が何体もいる場合には一点AFで一体一体に合わせる方法を取っていた私には革命的な機能でした。キャリブレーションをすればするほど精度が高まるということなので、ぜひ自分専用の視線入力AFを完成させてみてください。
ぐるぐると円状に飛び回っていたイソヒヨドリのメスが、海側を飛行していたタイミングで捉えることが出来たときのカットです。正直飛ぶスピードが速すぎて、肉眼・ファインダーを覗いていてもシルエットを捉えるだけで精一杯。ファインダーを覗きながら被写体として認識した枠が出たのでシャッターを切ってみたところ、見事にフォーカスしてくれていました。ウミネコくらいのサイズの鳥が飛んでいるのを撮るのはまだ出来ますが、一瞬で画面から消えてしまう飛行中の小型の鳥を、テレ端でここまで正確に捉えられるAF性能の高さに感動した一枚です。
最大15コマまでさかのぼって撮影できる「静止画プリ連続撮影」機能を使って撮影しました。ベニモンアゲハの両の羽根がきれいに整った瞬間をチョイス。ローリングシャッターの歪み量は「EOS R5」の電子シャッターに比べて約40%に低減されているとのことで、どんなシーンでも安心して使うことが出来ます。
「EOS R5」譲りの高い解像性能を持ち、漁で使う網や細いワイヤーなど細かいディテールの被写体もしっかりと解像してくれます。
電子シャッターでは最高約30コマ/秒の高速連写、ブラックアウトフリーでの連続撮影が可能となりました。そしてディープラーニング技術をベースに進化したAFアルゴリズムにより、トラッキング性能が大幅に進化。すべてのAFエリア設定(1点/スポット/フレキシブルゾーン)などからトラッキングが可能で、1点AFフレームの白枠で合わせると、より適切なピント位置を青い枠が示してトラッキングしてくれます。この「つかみ」と「追尾」が進化した新次元のトラッキング性能のすばらしさはぜひ体感してみていただきたいです。「デュアルピクセルIntelligent AF」の頭の良さに終始感心させられっぱなしでした。ちなみにこの時にも視線入力AFは可動していて、思った通りの構図で撮影をすることが出来ました。一つ一つの機能が優れているだけでなく相乗効果によって、より快適で確実な精度による撮影を可能としています。
最初はビーチバレーのネットにピントを合わせて撮ろうかなと思っていたのですが、打ちあがったボールを視線入力AFが捉えてくれたのでとっさに撮影しました。こんなにも簡単に、こんなにも一瞬で自分の意図を画の中に組みこめるのかと、病みつきになってしまいそうな撮影体験でした。
カメラ内RAW現像によるノイズ低減「ニューラルネットワークノイズ低減」で現像してみたのですが、ISO12800の高感度でも拡大して見てもノイズが目立たなくなっていて、非常に驚きました。
さあ、またここから。
Photo by MAP CAMERA Staff