UNRIVALED。唯一無二、比類のないという意味を持つ単語をキャッチコピーにしたαシリーズのフラッグシップ機『SONY α1II』がついに登場しました。「α1」の高性能なイメージセンサーや画像処理エンジンを継承し『α1II』には新たにAIプロセッシングユニットが搭載。ディープラーニングを含むAI処理により人物以外の様々な被写体認識(動物/鳥、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機)に対応。「リアルタイム認識AF」と「リアルタイムトラッキング」の性能が向上し、より高精度な被写体認識による追随AF撮影が可能になりました。さらに0.03秒から最大1秒前までシャッターボタンを押す前の瞬間をさかのぼって記録できる「プリ撮影」機能を搭載。鳥などが飛び立つ瞬間もRAWでクロップされることなく、AF/AE追随最高約30コマ/秒の連続撮影が可能になりました。手ブレ補正は中央8.5段・周辺7.0段に進化。約944万ドットの高精細なファインダーはそのままに、眼鏡をかけた状態でも見やすい深型のアイピースカップ「FDA-EP21」が新しく付属されました。約5010万画素のフルサイズ機で精度の高い追従AFと高速連写、シャッターチャンスを確実にするプリ撮影が備わったとなればさらに要求することは何か?を考えるほうが難しいかもしれません。同時発売された『FE 28-70mm F2 GM』や様々なレンズと組み合わせて撮影してきました。ぜひご覧ください。
リアルタイム認識AFが進化し[人物]、[動物]、[鳥]、[昆虫]、[車/列車]、[飛行機]に対応し、より幅広い被写体を認識できるようになりました。このカットは止まっていた蝶を追いかけながら撮ったのではなく、空を舞っている蝶をそのまま狙って撮影しました。拡大してみていただくとわかるのですがしっかりとフォーカスしてくれました。設定は被写体認識「昆虫」とゾーンAFです。[昆虫]([車/列車][飛行機])では被写体全体または先頭部や頭部を認識し追尾するようになっているとのことです。『FE 28-70mm F2 GM SEL2870GM』は4基のXDリニアモーターと最新のレンズ制御技術により、信頼性の高い追随性能と高速性能を持ち合わせています。
そして最大約1秒前まで記録することができる「プリ撮影機能」が搭載されたことでこういったコミカルな動きや羽根を広げた瞬間にも対応できるようになったというのも大きなポイント。このカットは0.5秒前から設定して撮影しましたがスキップするような鳥を撮影することができました。約5,000万画素フルサイズカメラの高速連写と「プリ撮影機能」で撮影ができるというのは今までにない体験です。その分求められるメモリーカードのスペックが高くなってしまうということだけが小さな悲鳴でしょうか。「RAW+JPEG」設定だと128GBなんてあっという間に終わってしまいます。求めるスペックを満たすためにはこちら側も相応の準備が必要になってくると思います。
渦巻き状の大きな角をもつムフロン(雄)の鋭い眼光。他の個体に頭突きしたり、鉄網に何度も打ち付けてガンガンと轟音をたてていました。豊富な撮影機能を手に入れたことが本機のアピールポイントではありますが、立派な角や毛の質感の違いなど被写体のディテールを精細に描ける高画素機ということが第一前提にあるというのが『α1II』の強みです。
止まり木に留まっていた鷹が飛び出したので連写で追いかけます。[鳥]においては認識性能が約50%向上し、幅広い種類の鳥の瞳や頭、体の認識にも対応しているとのことで([人物]の瞳、[動物]認識性能は約30%向上)途中でファインダーから抜けてしまったにもかかわらず、瞬時にカメラが被写体を認識して捉えてくれました。
海鳥がのんびり群れで移動していたかと思えば突然騒ぎ出したので撮影。岩礁のある奥のほうから弧を描くように前方にきたかと思えば、そのまま見えなくなるところまで騒ぎながら去ってしまいました。あとで他の場所でも見かけたのですが、また同じように騒いでいたのでおそらく魚でも採っていたのでしょうか。望遠端でも被写体を追従するレスポンスの速さや認識する正確さは変わらずです。
同時発売の『FE 28-70mm F2 GM SEL2870GM』望遠端、開放絞りで撮りました。酒樽に描かれた鶴の絵を細い線で緻密に描き、発色もナチュラルで渋めの色まで忠実な再現度。開放絞りのボケ味もとてもきれいです。ファーストタッチでズームリングがずいぶん軽めに設定されていると感じていたら、標準ズームレンズとしては珍しい「ズーム操作感切り換えスイッチ(Tight/Smooth)」が搭載されていました。持ち運びの際や三脚使用時は不用意に鏡筒が繰り出さないようTight側に。軽いタッチで揺れを抑えたズーミングが欲しい撮影時はSmooth側にするなど、各シーンに合った設定を選択することができるように配慮されています。
続いて『FE 28-70mm F2 GM SEL2870GM』の標準域で山側を撮影しました。こういうカットは平面的に写ってしまうことがあるのですが、光の当たったところと影になったところの立体感もあり、木々の枝など細い線までしっかり解像してくれました。緑と青が濁らずクリアな印象、オートホワイトバランスもとても優秀です。
細かいしわのようなさざ波に揺れる海。『FE 28-70mm F2 GM SEL2870GM』で広角端、絞って沿岸一望を撮影しましたが手前側までシャープな写りです。すでに時間帯は午後過ぎ、光源から遠い右側でも周辺減光がよく抑えられています。
解像を追求したα7Rシリーズの思想を引き継いだ、約5,010万画素の圧倒的な解像度。超広角レンズを用いたネイチャー・風景写真も撮ってみたく「FE 12-24mm F2.8 GM」も一緒に持ち出しましたが、撮って出しでこの写り。G MASTERレンズの性能を引き出す高い描写性能はどの分野の写真を撮る方にもオススメできるオールインワンな一台であることに改めて気づかされます。
餌を見つけた鴨が仲間に盗られぬように水を切って全力で泳ぎだした瞬間を撮影しました。ちなみに後方の鴨は確実に盗りにきています。水しぶきの躍動感が素晴らしく、鴨の羽色の美しさや模様の精細な描写も見事なものです。
低感度時には約15ストップの広ダイナミックレンジとなる『α1II』。このカットではRAWデータを現像して岩礁の影になっていたシャドウ部を調整。豊富なデータ量のおかげでしっかり引き上げることが出来ました。
一直線に伸びる遊歩道の先に見えた日本の頂き。両側の木々が囲むような画になるように撮影しました。『α1II』にはαシリーズ史上最高の中央8.5段、周辺7.0段の光学式5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されました。手ブレ機構内蔵レンズとの組み合わせなら望遠時やシャッタースピードが遅いかもしれないと不安になることなく撮影できます。
UNRIVALED
点としてみれば性能が最高峰に達しているカメラはそれぞれあるからこそ、「その一つ一つの長所が入ったカメラ」というのは誰もが思い描く理想のカメラであることは言うまでもありません。高画素+高速連写という理想を描いたオールインワンモデルとして登場した「α1」。そしてその意志を継ぎ、あらゆるシチュエーション、一瞬も見逃すことが出来ないプロフェッショナルな撮影領域まで対応できるようになった『α1II』。もちろん「α9III」のような特化型のカメラの存在価値は揺るぎませんが「『α1II』があればどんな撮影にも対応できる」という絶対的な安心感は、まさにフラッグシップモデルと呼ぶにふさわしいものです。写真・映像どちらにおいても、創造し、表現し続けるすべての方に応える『α1II』。ぜひその手に。
Photo by MAP CAMERA Staff