高い光学性能とコンパクトネスを両立させるSIGMA Contemporaryライン。『SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN』と「SIGMA Contemporary 23mm F1.4 DC DN」が加わり、ついにCanonRF-MountもContemporaryラインの単焦点レンズが4本となりました。今回紹介する『SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN RF-Mount』は4本の単焦点の中では90.3mmと全長が長めではあるのですが、広角レンズとして見れば驚くほど小さく軽いです。RFマウントでの発売が発表されてから登場を待ちわびていたという方も多いと思います。いつでもどこでも持ち歩ける魅力的な広角レンズ、単焦点シリーズを選ぶ参考になれば幸いです。ぜひご覧ください。
グラス植物も冬の寒さで一層細く見えます。ふんわりとした様をどんな風に写してくれるのか撮ってみます。正直カメラのモニターで見たときはあまり印象に残らなかったのですが、PCの大きな画面で改めて確認してみると非常に細かく写してくれていました。
まだまだ寒い冬が続きます。雲一つない青空を背景にススキを主役にして撮影しました。主題に見立てたススキに立体感があり、太陽の光が反射してキラキラと輝く毛が綺麗です。前後のボケもとても自然で、奥行きをうまく表現してくれました。
35mm判換算にして約25.6mmほどの焦点距離。開放絞りで撮りましたが少し硬めの光をうまく表現しているのと、気持ちの良い立体感を出してくれました。
硬質なビルの質感が一目で伝わる写り。高層階の線がびっしり詰まっているところまで緻密に描写してくれています。青空もとても自然なグラデーションです。
モノクロにしてみると光の強弱をとても繊細に描いているのがよく分かります。エスカレーターに乗っている人のシルエットが写っているのですが、上と下でシルエットが違うという面白い結果に。広角ならではの情報量の多さ、右側の明るい空間を取り込めたから面白いと思えたカットです。冒頭のカットでは右側からシルエットが現れたのを見てとっさにシャッターを切ったのですが、オートフォーカスのレスポンスが良いおかげでベストなタイミングで撮ることが出来ました。
マニュアルフォーカスに切り替えて最短撮影距離に合わせて撮影しました。最短撮影距離は25cmとかなり寄れます。近接撮影時でも織り込まれた糸の一本一本まで解像してくれました。レンズ本体にAF/MFの切換えスイッチは付いていませんが、カメラボディ側の切り替えレバーでスムーズに切り替えることが出来ます。
日暮れ前の光の射し込みをうまく捉えた一枚。朱、赤の発色をとても自然に再現してくれています。ピント面はシャープながら背景のボケが自然で立体感のある画に仕上がりました。
中央前のボートにフォーカスしているのですが、スワンボートの胸の数字がはっきり読み取れるほどの解像力に驚きました。周辺光量落ちも全く気になりません。ちなみに今回の撮影ではレンズ補正とデジタルレンズオプティマイザをONにしています。
夕日がガラスに当たりいくつもの影が交差していく様が面白くシャッターを切りました。何パターンもある影の濃さを丁寧に描きます。手前側にピントを置いていますが、ざらついたタイルの質感などうまく表現してくれました。
大口径広角レンズをより身近に
レンズが明るいおかげで室内や夜など時間帯やシチュエーションに振り回されることなく撮影でき、全体を写したいイルミネーションなども手持ちで撮影できるというのはありがたいことです。シンプルなデザインはEOS Rシリーズにもよく似合い、実際に装着してみるとコンパクトで長いと感じることもありません。そしてこのシリーズ共通で気に入っているマニュアルフォーカス時の操作感の良さ。近接撮影時や植物などピントを微調整したいときに合わせやすく非常に頼もしいです。もちろんオートフォーカスも早く、スナップレンズとしてとても優秀。移動時など撮影しないとなったときにサッとカバンに仕舞っておけるコンパクトさも魅力です。広角レンズをより身近な存在に、気軽に楽しめる『SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN RF-Mount』。ぜひ使ってみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff