
1018:写真の可能性を広げる『 SIGMA Contemporary 20-200mm F3.5-6.3 DG E-Mount 』
2025年09月11日

シグマより発売される『 SIGMA Contemporary 20-200mm F3.5-6.3 DG 』のフォトプレビューをご紹介いたします。世界初、広角端20mmと10倍ズームの両立を実現したフルサイズ用高倍率ズームレンズがシグマから発表されました。20mmから200mmのズームレンジであらゆるシーンを余すことなく写すことが出来るだけでなく、焦点距離28mmから85mmにおいて最大撮影倍率1:2を実現。しかも重さはわずか540g(ソニーEマウント)でズームリングの直径も70.4mmと非常にスリムで携帯性にも優れています。広角域の1mmは血の1mmだとよく言われますが、高倍率ズームレンズにして、ここまで広角域を伸ばすことが出来るということに衝撃を受けました。どれくらい幅広い撮影が出来るのか、早速撮影してまいりました。ぜひご覧ください。
ふと思い立ち、「ここからどこまで写るだろう」と広角端20mmで船上から空を見上げて撮った1枚です。そんなラフな撮影だったのですが、赤い救命ボートの鮮やかな発色や、表面の艶やかな光沢。そして、奥に広がるマストや無数のロープの1本1本までシャープに描いてくれていて驚きました。

船内での写真。船内にはこのように人ひとりがやっと通れるほどの狭い通路が張り巡らされています。そんな閉塞感のある空間も、20mmという超広角がダイナミックな世界に見せてくれました。開放絞りから、通路の先にある丸窓や鋼板の質感やディテールもシャープに描いてくれています。


『 SIGMA Contemporary 20-200mm F3.5-6.3 DG 』は、28-85mmの焦点域で最大撮影倍率1:2のハーフマクロ撮影が可能です。どんよりとした曇り空で陽射しもなく、色のコントラストも出しにくいシチュエーションでしたが、花の細かいディテールまでしっかり解像してくれていてレンズの描写力を実感しました。


窓辺から差し込む柔らかな光。撮影中から「これは良い光だ」と感じていましたが、PCのモニターで改めて確認して衝撃を受けました。これが10倍ズームレンズで撮れるという事実に興奮を隠せず、夜中に一人ニヤニヤしていました。感度をあまり上げたくなかったため1/40秒までシャッタースピードを落としましたが、ボディ側の補正だけで完璧にブレを抑えています。

このカットも素晴らしい写りです。籐椅子と絨毯の一部、光の当たった部分の繊細な描写と、深い影とのコントラストが実に見事。椅子の編み込み、布地の模様、絨毯の毛足の1本1本まで、それぞれの素材が持つ質感も、忠実に再現してくれました。

ここではマニュアルフォーカスを選択し、鳥の瞳にじっくりとピントを合わせたのですが、ピントリングの動きも滑らかで緻密なピント合わせが出来ました。鳥がじっと動かずにいてくれたこともあり、低速シャッターでもぶれることなく、その鋭い眼光をシャープに捉えることができました。

こちらもテレ端開放絞りでのカット。フラミンゴの少し濡れた羽毛のしっとりとした質感と、鮮やかなピンク色の階調を見事に描き出してくれました。手前の植物のボケも柔らかい良いボケです。

超広角にとって1mm違うだけで情報量の変化が激しいので、20mmから調整できるというのも非常に大きなメリットです。


20mmの超広角が描き出す、港町の風景。遠くまで見渡せる圧倒的なスケール感です。歪曲収差などのカメラ内補正をONにして撮影していましたが、歪みもなく自然な描写になりました。周辺減光も、絞り込むことで解消され、F7.1まで絞れば四隅の明るさが均一になりました。

同じ場所からの200mmでの撮影。超広角の景色から一転、巨大な橋に迫るような画が撮れました。そしてテレ端側での解像力の高さに改めて驚かされました。橋を支えるワイヤーの1本1本、そして背景の建物の壁面に書かれた文字まで、驚くほどクリアに識別できます。

この景色のすべての要素を1枚に収めたい。超広角だからこそ撮影できた1枚です。こうした超広角のダイナミックな画から、望遠での大胆な切り取りまで、多彩なシーンに柔軟に対応できる『 SIGMA Contemporary 20-200mm F3.5-6.3 DG 』があれば旅行やスナップが楽しくなること間違いありません。

写真の可能性を広げる
このレンズが発表されたとき、「まるで夢のようなレンズだ」と感じました。そして実際に使ってみてもその感想は変わりませんでした。超広角20mmから望遠200mmを1本でカバーできるというだけでも素晴らしいのに、描写性能も非常に満足のいくものだったからです。オールラウンダーに対応できるズームレンズを使いたい方はもちろん、単焦点をメインに使うユーザーにもおすすめです。幅広い表現力をもつこの1本を携行しておけば、活躍するシーンが必ずあるはず。壮大な景色から望遠まで1本で対応できるからこそ撮れる瞬間を『 SIGMA Contemporary 20-200mm F3.5-6.3 DG 』で体験してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff